台風の直撃で議会事務局から茨木の災害警戒本部からの報告が入ってきます。市内での被害は軽症者1名、倒木6件、NNT回線断線で、南中学校に1名が避難されたとのことです。
住んでいる平田住宅の理事長から電話があり、強風で吹き飛ばされてはいけないので、住宅地内の駐車場のコーン、ごみ置き場に出されているペットボトルの片づけ。さすがは理事長でよく気が付くものです。
さて、降ってわいたような臨時国会の冒頭解散が駆け巡っています。北朝鮮のミサイル騒ぎで森友、加計事件を忘れさせる。追及されるのが嫌で「いずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない」(憲法53条)を無視し、しかも質疑なしの冒頭解散。ひたすら逃げまくる卑怯な連中である。
北朝鮮ミサイル騒ぎで国民に不安を植え付け挑発するただけ。平和外交など頭の片隅にもなく、また能力もない。選挙騒ぎするのは北朝鮮ミサイルに何の不安も抱いていないから。こんな安倍政権に痛撃を与えるためにも強力な野党共闘を作りたいものです。
【今日の情報紹介】
小池都知事の追悼文送付取りやめは歴史的事実も防災上の教訓も踏みにじる行為だ
94年前の今日、9月16日、無政府主義者・大杉栄、その内縁の妻・伊藤野枝、そして大杉の甥であるわずか6歳の橘宗一が憲兵によって殺された。所謂、「甘粕事件」である。3人は憲兵隊特高課に連行された直後に惨殺され、その遺体は古井戸に投げ捨てられたという。関東大震災直後の混乱の中での出来事だった。
軍部は、当初、この事件の隠蔽を図った。しかし、すでに大物アナキストとして名を馳せていた大杉だけでなく小児までもが惨殺されたとあって、世間の耳目が集中。当時のメディアが騒ぎ立てたちまち大スキャンダルに発展した。結局、軍部は、事件発生からわずか4日後の20日、東京憲兵隊渋谷分隊長兼麹町分隊長であった甘粕正彦憲兵大尉および他一名を、「職務上不法行為」の疑いで軍法会議に送致することとなる。
軍法会議予審やその後の公判で甘粕大尉は、「私が応接室へ入って行きました時には、大杉は入り口を背中にして腰かけていました。私は静かに歩み寄って、右腕を大杉の咽喉にかけ、左手で大杉の掌を握り椅子からひきずり下ろしました。そして右足の膝を大杉の背中にあて、柔道の絞め手と同じかたちで、之を絞殺しました。大杉は非常に苦しみましたが、約十分にして絶命しました。森曹長はぼんやりして見ておりましたので、命令してばたばたする大杉の両足を押へさせました」等と、大杉の殺害について詳しく供述している。
伊藤野枝殺害については「私は室内をぶらぶら歩き周りながら、『君等は、これ以上に世間が混乱するのを望んでいるのであろう』と尋ねました。すると野枝は微笑して、『考え方が違うのですから』というようなことを申しました」と、甘粕大尉と伊藤野枝の間で、若干の議論があったことを伺わせるような供述も残っている。この議論ののち、甘粕は大杉同様に野枝を絞殺した。
もっとも甘粕の供述はこの後、とりわけ橘宗一殺しの手法などをめぐって誰かを庇うかのように二転三転し、後世、陰謀論を含む様々な憶測を生む要素となってはいる。しかし、「東京憲兵隊渋谷分隊長兼麹町分隊長であった甘粕大尉の職掌範囲において、甘粕を直接の命令者・実行者として、大杉、伊藤、橘の3名が虐殺された」事実は揺るがない。
公判では犯行の動機は、「関東大震災の混乱に乗じて無政府主義者が朝鮮人を扇動して騒動を起こすという噂を信じていたため」と断定されるに至った。
◆軍法会議も「デマ」と断じた「朝鮮人武装蜂起」説
ここで注目すべきは、甘粕事件の軍法会議判決が、「朝鮮人による襲撃」を「噂」と断じていることだろう。そして、さらにはその「噂」が憲兵をも突き動かし、いかに当時の憲兵であっても「職務上不法行為」と処断される「被疑者(大杉たちは被疑者ですらないが)の虐殺」という行為に至らしめたという事実であろう。関東大震災の発生は9月1日11時58分。それから2週間以上たっても混乱はつづいており、「朝鮮人襲撃」に関する流言飛語が、憲兵の判断をも誤らせる影響を与えていた何よりの証拠だ。
関東大震災直後の混乱では、「朝鮮人が攻めてくる」「朝鮮人たちが井戸に毒薬を投げ込んでいる」などの流言飛語が飛び交い、各地で「自警団」が結成され、それらの手によって無辜の朝鮮人が大量に虐殺された。また、軍や警察までもがこの流言飛語を利用し、虐殺に加担している事例もある。被害者は朝鮮人に止まらず、関東地方の方言をうまく発音できない西日本出身者や、中国人労働者などにも及んだ。
◆国も認めている関東大震災時の朝鮮人虐殺
中央防災会議(設置根拠法は災害対策基本法・議長は内閣総理大臣が務める)は、2008年に発表した『災害教訓の継承に関する専門調査会報告書』で、「犠牲者の正確な数は掴めない」「公式の記録で全貌をたどることはできない」としながらも、「当時の公的記録と公文書に依存した叙述を行う」と極めて抑制的な集計であるとした上で、関東大震災後の虐殺事件の被害者数を、朝鮮人488名、中国人3名、日本人87名と発表している。(参照:「中央防災会議」)つまり、関東大震災直後の朝鮮人虐殺は、国の防災政策を立案・企画する中央防災会議さえもが認める、歴史的事実なのだ。
この報告書は中央防災会議がまとめただけあり、その主目的を「歴史的事実の検証」ではなく「防災上の教訓の継承」に置いている。そして、上記のとおり朝鮮人虐殺が発生したことを認めた上で、「歴史研究、あるいは民族の共存、共生のためには、これらの要因について個別的な検討を深め、また、反省することが必要である」とし、「時代や地域が変わっても、言語、習慣、信条等の相違により異質性が感じられる人間集団はいかなる社会にも常に存在しており、そのような集団が標的となり得るという一般的な課題」として、「関東大震災後の朝鮮人虐殺」を重要な「防災上の教訓」として認識している。
このように、あの朝鮮人虐殺は、防災という観点からみても、極めて今日的な課題であり、不断にその検証と反省が加えられるべきものであることは疑いの余地はない。
◆小池都知事は防災責任者として不適格
しかるに、東京都の小池知事は、9月1日に開催された朝鮮人虐殺犠牲者追悼式典への追悼文送付をとりやめた。さらには記者会見において「あらゆる犠牲者を追悼していく」と自己の立場を正当化し、震災という「天災」による犠牲者と、官憲や一般市民による虐殺という「人災」の犠牲者を同一視するかのような、歴史的事実を踏みにじる無謀な発言を行なった。また、この小池知事の態度は、上記中央防災会議の報告書が朝鮮人虐殺を「防災上の教訓」としている立場から見ても、東京都の防災責任者として極めて不適格であると言わざるを得ないだろう。この知事のもとでは、東京都は「言語、習慣、信条等の相違により異質性が感じられる集団が標的となり得るという一般的な課題」を克服しえないまま、防災にあたらねばならぬことになるのだから。
こうした小池知事の暴挙ともいえる言動に対して、関東大震災後の朝鮮人虐殺について詳述する『九月、東京の路上で』の著者、加藤直樹氏が、「小池都知事の朝鮮人虐殺犠牲者追悼メッセージ取りやめに抗議します」という声明文を発表した。(参照)
歴史の教訓をみつめ、いつ起きてもおかしくない災害に備えるためにも、上記声明文が広く共有され、無謀な振る舞いをつづける小池都知事に反省を迫るものとなるよう、願ってやまない。
<文/HBO取材班 写真/時事通信>
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