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読んだ本の感想と旅行の日記を書いていきます。
後、その他なんかあれば・・・

148冊目:「アルケミスト 夢を旅した少年」

2016-03-26 19:24:19 | 
総評:★★★★★ 何かすごい。人生に大事なことが書いてある気がする。
面白い度:★★★★★ 面白くてあっという間に読んでしまった。
読みやすい度:★★★★★ すいすい読んでしまう。
ためになる度:★★★★★ ためになるというか、純粋な気持ちになれる。
また読みたい度:★★★★★ また読み返したい!


でました!おそらく今までで4冊目の満点本!!
とあるサイトで紹介されていた本。amazonのレビューが高得点だし、Facebookもどなたかが紹介していたので読んでみた。

そしたら、本当に面白い。というか、なんかすごい深いことが書かれているし、不思議な気分になる小説であった。
ちなみに作者はブラジルの方で、日本語訳の小説だった。
星の王子様もかなり名作だと言われているが(前に読んだが内容は忘れてしまった。。。)、雰囲気としてはそれに似たような感じである。

内容としては、羊飼いの少年があるきっかけでエジプトに向かうことになり、その過程でアルケミストと呼ばれる人に会い、いろいろな学びを体験しながらエジプトに行くという話。
ちなみにボリュームとしては短いのであっという間に読める。しかし書いてある内容としてはかなりいろいろなものが詰まっている。
読みやすいし、小説の独特な雰囲気もあり、読む人に不思議な体験をさせてくれる本であった。


感想としてはちょっと色々まとめられないので、面白いと思った箇所を抜粋する。

・彼は一枚の上着と、他の本と交換できる一冊の本、そして羊の群れを持っていた。しかし、最も大切なことは、少年が日々、自分の夢を生きることができることだった。

・少年は太陽の位置をもう一度たしかめながら、夢が実現する可能性があるからこそ、人生はおもしろいのだ、と思った。

・少年はその町に知り合いがたくさんいた。それが彼にとっての旅の魅力だった。彼にはいつも新しい友人ができたが、すべての時間を彼らと過ごす必要はなかった。神学校にいたときそうであったように、同じ友人といつも一緒にいると、友人が自分の人生の一部となってしまう。すると、友人は彼を変えたいと思い始める。そして、彼が自分たちの望み通りの人間にならないと、怒りだすのだ。誰もみな、他人がどのような人生を送るべきか、明確な考えを持っているのに、自分の人生については、何も考えを持っていないようだった。

・「この本は、世界中のほとんどの本に書かれていることと同じことを言っている」と老人が言った。「人は自分の運命を選ぶことができない、と言っているのだよ。そして最後に、誰もが世界最大のうそを信じている、と言っている」
「世界最大のうそって何ですか?」と、すっかり驚いて、少年は聞いた。
「それはこうじゃ、人は人生のある時点で、自分に起こってくることをコントロールできなくなり、宿命によって人生を支配されてしまうということだ。それが世界最大のうそじゃよ」

・少年は人の「運命」がどういうものかわからなかった。
「おまえがいつもやりとげたいと思ってきたことだよ。誰でも若い時は自分の運命を知っているものなのだ。
まだ若い頃は、すべてがはっきりしていて、すべてが可能だ。夢を見ることも、自分の人生に起こってほしいすべてのことにあこがれることも、恐れない。ところが、時がたつうちに、不思議な力が、自分の運命を実現することは不可能だと、彼らに思い込ませ始めるのだ」

・「そうだ。宝物を探したいということでさえそうなのだ。『大いなる魂』は人々の幸せによってはぐくまれる。そして、不幸、羨望、嫉妬によってもはぐくまれる。自分の運命を実現することは、人間の唯一の責任なのだ。すべてのものは一つなんだよ。
お前が何かを望む時には、宇宙全体が協力して、それを実現するために助けてくれるのだよ」

・少年は老人に、宝物についてあなたは何か言っていましたね、とたずねた。
「宝物は流れる水の力によって姿を現し、また同じ流れによって姿を隠すのだよ」と老人はいった。「もしおまえの宝物について知りたかったら、羊の十分の一を私によこしなさい」
「宝物の十分の一でどうでしょうか?」
老人は失望したようだった。「まだ手に入れていないものをあげると約束して始めたのでは、おまえはそれを手に入れたいとは思わなくなるだろうね」
少年は、ジブシーに宝物の十分の一をあげる約束をすでにしたことを、彼に話した。
「ジプシーはそういう約束をさせる専門家だよ」と老人はため息をついた。「とにかく、おまえは、人生のすべてには対価が必要だということが学ぶことができてよかったではないか。光の戦士がおしえていることはそれだからね」

・「宝物を見つけるためには、前兆に従って行かなくてはならない。神様は誰にでも行く道を用意していて下さるものだ。神様がおまえのために残してくれた前兆を、読んでゆくだけでいいのだ」
少年は何か答える前に、一匹の蝶々が現れて、少年と老人の間をひらひらと飛んだ。少年は、昔、彼のおじいさんが、蝶はよい前兆だと言ったことを思い出した。こおろぎも、期待を持つことも、とかげも、四葉のクローバーもよい前兆だった。

・「これからおまえがやってゆくことは、たった一つしかない。それ以外はないということを忘れないように。そして前兆の語る言葉を忘れてはいけない。特に、運命に最後まで従うことを忘れずにな」

・『では、たった一つだけ教えてあげよう』とその世界で一番賢い男はいった。『幸福の秘密とは、世界のすべてのすばらしさを味わい、しかもスプーンの油のことを忘れないことだよ』

・「僕は早く羊たちのところへ戻りたいのです。幸運が自分の側にある時は、それを利用しなくてはいけません。そして、それが私たちを助けてくれるうちに、できるだけのことをしなくてはなりません。それを幸運の原則と呼びます。あるいは初心者のつきとも言います」

・「人生に起こるすべてのことが前兆なんだよ」とイギリス人は読んでいた雑誌を閉じながらいった。「誰もが理解できたのに、今はもうわすられてしまった『宇宙のことば』があるんだ。僕はその『宇宙のことば』を探しているんだよ。僕がここにいるのはそのためだ。僕は『宇宙のことば』を知っている人を見つけなければならないんだ。錬金術師をね」

・「幸運と偶然の一致という言葉についてだけで、大きな百科事典が書けるだろう。『宇宙のことば』はまさにこの二つの言葉で書かれているんだ」

・自分の運命の実現に近づけば近づくほど、その運命がますます存在の真の理由になってゆく、と少年は思った。

・その災害は私にアラーの言葉を理解させてくれました。人は、自分の必要と希望を満たす能力さえあれば、未知を恐れることはない、ということです。

・少年にとって最も興味深い本は、有名な錬金術師たちの物語だった。彼らは実験室の中で金属を純化することに一生を捧げていた。彼らは、もし金属を何年も何年も熱すれば、それぞれ固有の性質が蒸発してしまい、残るものは「大いなる魂」だと信じていた。この「大いなる魂」は彼らに、地球上にあるすべてのものを理解させてくれるはずだった。なぜなら、それはすべてのものが意思を通じ合うためのことばだからだ。彼らはそれを発見することを「大いなる作業」ーそれは液体と個体からなっていたーと呼んだ。

・「大いなる作業」の液体の部分は「不老不死の霊薬」と呼ばれ、それはすべての病気をいやし、錬金術師に年をとらせないということを、少年は学んだ。そして個体の部分は「賢者の石」と呼ばれていた。

・「僕が学んだことは、世界には魂があるということ、そして、その魂を理解する人は、ものごとの言葉を理解できるということです。たくさんの錬金術師が自分の運命を実現し、『大いなる魂』と『賢者の石』と『不老不死の霊薬』を発見したということもわかりました。
しかし、それにもまして、ものごとというものは、すべて、とても単純なので、エメラルドの表面に書くことができるということを学びました」


・「私は生きています」と彼はある夜、ひとふさのなつめやしを食べながら少年に行った。その夜は火もなければ、月の明かりもなかった。「私は食べているときは、食べることしか考えません。もし私が行進していたら、行進することだけに集中します。もし私が戦わなければならなかったら、その日に死んでもそれはかまいません。
なぜなら、私は過去にも未来にも生きていないからです。私は今だけにしか興味を持っていません。もし常に今に心を集中していれば、幸せになれます。砂漠には人生があり、空には星があり、部族の男たちは人間だから戦う、ということがわかるでしょう。人生は私たちにとってパーティーであり、お祭りでもあります。なぜなら、人生は今私たちが生きているこの瞬間だからです」

・一方少年は宝物のことを考えていた。彼が夢の実現に向けて近づけば近づくほど、ものごとがよけいに困難になってきていた。年老いた王様が「初心者の幸運」と呼んでいたものは、もはや働かなくなっているようだった。夢の追求の過程で、彼はやる気と勇気を常にテストされていた。あせってもいけないし、いらいらしてもいけなかった。もし、衝動にかられて先を急ぐと、神様が道すじに置いてくれたサインや前兆を見落としてしまうだろう。
神様はサインや前兆を僕の進む道に用意していてくださるのだ。少年はそう考えてから、自分の考え方にびっくりした。今までは彼は前兆を現世的なものと考えていた。それは食べたり、寝たり、愛を求めたり、仕事を探したりするレベルと同じだと思っていたのだ。彼は今まで、それを、自分が何をすべきか示してくれる神様の言葉という意味では、考えてことがなかった。
「そんなにあせることはないよ」と彼は自分にくり返して言った。「らくだ使いのおじさんが言っていた通りだ。『食べる時には食べる。そして動く時が来たら動くのだ』」

・その瞬間、少年は時間が止まったように感じた。「大いなる魂」が彼の中から突きあげてきた。彼女の黒い瞳を見つめ、彼女のくちびるが笑おうか、黙っていようか迷っているのを見た時、彼は世界中で話されていることばの最も重要な部分ー地球上のすべての人が心で理解できることばーを学んだのだった。それは愛だった。それは人類よりももっと古く、砂漠よりももっと昔からあるものだった。それは二人の人間の目が合った時にいつでも流れる力であり、この井戸のそばの二人の間に流れた力だった。彼女はにっこりほほ笑んだ。そして、それは確実に前兆だったー彼が自分では気づかずに、一生の間まちこがれていた前兆だった。それは、羊や本やクリスタルや砂漠の静寂の中に、彼が探し求めていたものだった。

・勇気こそ、大いなることばを理解するために最も重要な資質なのだ

・砂漠を愛さなければならぬが、全面的に信頼してはいけない。なぜなら、砂漠はすべての男をためすからだ。それはあらゆる段階で挑戦してくる。そして取り乱したものを殺すのだ

・「では、もし僕がここにとどまったら、どうなるのですか?」
「どうなるか教えよう。お前はオアシスの相談役になるだろう。たくさんの羊とたくさんのらくだを買うためのお金も、十分に持っている。ファティマと結婚して、二人とも一年間は幸せに過ごす。おまえは砂漠が好きになり、5万本のやしの木の一本いっぽんを知るだろう。それらは、世界が一刻一刻変わってゆくのを証明しながら育っていくだろう。おまえは前兆の読み方がどんどんうまくなってゆく。それは、砂漠が最高の先生だからだ。
 二年目のいつ頃か、おまえは宝物のことを思い出す。前兆が執ようにそのことを語りかけ始めるが、おまえはそれを無視しようとする。おまえは自分の知識をオアシスとその住民の幸せのために使う。族長はおまえのすることに感謝する。そして、おまえのらくだはおまえに富と力をもたらす。
 三年目にも前兆はおまえの宝物や運命について、語り続けるだろう。おまえは夜ごとにオアシスを歩き回り、ファティマは、自分がおまえの探求のじゃまをしたと思って、不幸になる。しかしおまえは彼女を愛し、彼女はおまえの愛にこたえる。おまえは、ここにいてくれと彼女が決して言わなかったことを思い出す。砂漠の女は、自分の男を待たなければならないと知っているからだ。だからおまえは彼女を責めはしない。しかし、おまえは砂漠の砂の上を歩きながら、もしかして自分は行けたかもしれない・・・もっとファティマへの愛を信じることができたかもしれない、と何度も考えてしまう。なぜなら、おまえをオアシスに引き止めたものは、二度ど帰って来ないのではないかというおまえ自身の恐れだったからだ。その時、おまえの宝物は永久に埋もれてしまったと、前兆は語るだろう。
 そして四年目のいつか、前兆はおまえを見捨てるだろう。おまえがもう、それに耳を傾けるのを止めてしまうからだ。部族の長たちはそれを発見して、おまえは相談役の地位を解かれてしまう。しかし、その時にはおまえは金持ちの商人になっていて、多くのらくだや商品を持っている。おまえはその後の人生をずっと、自分は運命を探求しなかった、もうそうるすには遅すぎると思って、暮すだろう。
男が自分の運命を追求するのを、愛は決して引き止めはしないということを、おまえは理解しなければいけない。もし彼がその追求をやめたとしたら、それは真の愛ではないからだ・・・大いなることばを語る愛ではないからだ」

・「わしは錬金術をわしのおじいさんから学んだ。彼はそれをその父親から学び、そうしてどんどんさかのぼってゆくと、この世界ができた時まで行きつくのだ。その頃、この『大いなる作業』は、エメラルドの上に簡単に書かれていた。しかし、人間は簡単なものを拒否し始め、論文や解説書や哲学的研究を書き始めた。彼らはまた、自分たちは他の人よりももっと良い方法を知っていると思い始めた。しかし、エメラルド・タブレットは、今も生きている」

・賢人は、この自然の世界は単なるまぼろして、天国の写しに過ぎないと言っている。この世が存在しているということは、ただ単に、完全なる世界が存在するという証拠に過ぎないのだ。目に見えるものを通して、人間が霊的な教えと神の知恵のすばらしさを理解するために、神はこの世界を作られたのだ、それが、行動を通して学ぶとわしが言ったことなのだよ

・「傷つくのを恐れることは、実際に傷つくよりもつらいものだと、おまえの心に言ってやるがよい。夢を追求している時は、心は決して傷つかない。それは、追求の一瞬一瞬が神との出会いであり、永遠との出会いだからだ。」
「夢を追求する一瞬一瞬が神との出会いだ」と少年は自分の心に言った。「僕が真剣に自分の宝物を探している時、毎日が輝いている。それは、一瞬一瞬が宝物を見つけるという夢の一部だと知っているからだ。本気で宝物を探している時には、僕はその途中でたくさんのものを発見した。それは、羊飼いには不可能だと思える勇気がなかったならば、決して発見することができなかったものだった」

・そして、彼の心はその日の午後ずっと、静かだった。その夜、少年はぐっすり眠った。そして目覚めた時、彼の心は大いなる魂からやって来たことばを、彼に語り始めた。幸せな人はみな、自分の中に神を持っていると、心は言った。そして、その幸せは、錬金術師が言ったように、砂漠の一粒の砂の中に見つけられるのだと語った。なぜならば、一粒の砂は創造の瞬間であり、しかも宇宙はそれを創造するために何億年もかけていたからだった。「地球上のすべての人にはその人を待っている宝物があります」と彼の心は言った。
「私たち人の心は、こうした宝物については、めったに語りません。人はもはや、宝物を探しに行きたがらないからです。私たちは子供達にだけ、その宝物のことを話します。そのあと、私たちは、人生をそれ自身の方向へ、それ自身の宿命へと、進んでゆかせます。しかし不幸なことに、ごくわずかの人しか、彼らのために用意された道ー彼らの運命と幸せへの道を進もうとしません。ほとんどの人は、世界を恐ろしい場所だと思っています。そして、そう思うことによって、世界は本当に恐ろしい場所に変わってしまうのです。
 ですから、私たち人の心は、ますます小声でささやくようになります。私たちは決して沈黙することはありませんが、私たちのことばが聞こえないように望み始めるのです。自分の心に従わないばかりに、人が苦しむのを、私たちは見たくないからです」
「なぜ、人の心は夢を追い続けろと言わないのですか?」と少年は錬金術師にたずねた。
「それが心を最も苦しませることだからだ。そして心は苦しみたくないのだ」

・「おまえが自分の内にすばらしい宝物を持っていて、そのことを他の人に話したとしても、めったに信じてもらえないものなのだよ」

・目は、その人の魂の強さを示す

・「わしは本物の錬金術師たちを知っていた」と錬金術師は言った。「彼らは実験室の中に閉じこもって、金のように進化しようとした。そして、彼らは賢者の石を見つけた。なぜなら、何かが進化する時、まわりのすべてのものが進化することを、彼らは理解したからだ。
 ある者は偶然に賢者の石にぶつかった。彼らは最初からそのように生まれついていて、その魂は他人の魂よりも、こうしたことに対してずっと準備ができていたのだ。しかし、こうした人は何人もいない。非常にまれな存在なのだ。
 ただ単に、金にしか興味を持たない者もいた。彼らが秘密を発見することは決してなかった。鉛や銅や鉄が、それぞれに果たすべき運命を持っていることを、彼らは忘れてしまったのだ。そして、他の者の運命をじゃまする者は、自分の運命を決して発見しはしない」

・「恐怖に負けてはいけないよ」と錬金術師は不思議にやさしい声で言った。「恐怖に負けてしまうと、おまえは心に話しかけることができなくなってしまうからね」

・もし、自分の運命を生きてさえいれば、知る必要のあるすべてのことを、人は知っている。しかし夢の実現を不可能にするものが、たった一つだけある。それは失敗するのではないかという恐れだ

・世界は、神の、目に見える側面にすぎない。そして、錬金術とは、魂の完全性を物質界にもたらすことなのだ

・「錬金術師が存在するのは、そのためです」と少年は言った。「すべての人が自分の宝物を探し出して、以前の人生をよりも良くなりたいと思うからなのです。鉛は、世界がそれ以上鉛を必要としなくなるまで、鉛としての役割を果たすでしょう。しかし、そのあとは、鉛は金に変わらなくてはなりません。
 これこそ、錬金術師が行うことなのです。私たちが今の自分より良いものになろうと努力すれば、自分のまわりのすべてのものも良くなるということを、彼らは教えているのです」

以上、色々書いてしまった。
よく分からないけど、大事なことがいっぱい書いてある印象でした。
本当に色々考えさせられる。あと何か純粋な気持ちになれる本でした。何か困難とかがあって迷ったりつまづいた時には、この本に戻ってこようと思います。
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