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読んだ本の感想と旅行の日記を書いていきます。
後、その他なんかあれば・・・

136冊目:「『空気』で人を動かす」

2015-04-12 15:18:18 | 
総評:★★★★☆ 新しい価値観を学べた。
面白い度:★★★☆☆ 面白いかというと普通。
読みやすい度:★★★★☆ なかなか読みやすい。
ためになる度:★★★★★ いい感じにためになった。
また読みたい度:★★★☆☆ 機会があればまた見たいと思う。


現在仕事のプロジェクトでかなり遅れが発生していて、チームの雰囲気があまりいい感じではなく、これからどうしよう?とかなり悩んでいたので、とあるきっかけでネットで見つけて買ってみた本。
チームがあまり結果を出さないのは「空気」が悪いからという視点で、チーム前向きにしていくにはどうすればいいかが書かれた本。

目に見えない「場の空気」がチームに大きな影響を与えていて、それを良い方向に持っていって、歩い程度良い空気に持っていければ、あとは自ずと良い空気が作り出されていくよということが書いてあった。
取り合えず、空気には4つの種類があり、それぞれ、①締まった空気、②緩んだ空気、③縛られた空気、④ほどけた空気というのがあるとのこと。

一番いいのが①の締まった空気で、みんながそれぞれの仕事に打ち込んで、間違ったことはまちがっていると言える空気である。
②の緩んだ空気は締まった空気が時間とともに緩んできた状態で、これは自然になるらしい。この状態からまた締め直さなければ、④のほどけた空気になる。
③の縛られた空気は、締まったより、誰か特定の人物によって「縛られた」状態で、自由な感じではなく、窮屈な状態であるらしい。
④のほどけた空気は、緩みすぎてほどけたか、あるいはキツく縛りすぎて切れてしまった状態を指す。この状態が一番危機的な状態で、約束が守られなかったり、「モラル」が欠如した状態になってしまっているとのこと。
チームが崩壊に向かっている状態で、今すぐにどうにか対策を打たなければいけない状態だろう。

今のチームの状態は・・・④がちょっと入っている③かな・・・
遅刻とかが蔓延しているわけではないが、期日がちょいちょい遅れだし、プロジェクトがスケジュール通りにおもいっきりいっていないという状況になっている。
取り合えず、自分のチームもそうだし、プロジェクトも締め直さなければいけない状態にはなっていると思う・・・


あと、「作話」が空気を汚す原因になっているということが書いてあった。
「作話」とは、まず体が反応して、あとで意味を探す。現に起きてしまった行動や状態を、自分に納得のいく形でうまく理由づけて説明してしまうことである。「後付けて言い訳をする」ということである。
これはチームのメンバーにもあるし、自分にもあると思う・・・でも聞くとそれはそうだよなと思う内容もあるし、そこをズバッと論破できる力量が自分にはない気がする。。。でもこういうところをリーダーとしてしっかり論破して動機付けしたり、空気の引き締めができなければいけないんだろうとも思う。自分の課題である。


そんなんで、「場の空気」にアプローチする考え方は、今まで見たことがなくて、なかなか面白い内容だった。
いかにためになった内容について抜粋する。

・どんなテクニックよりも、まず「場の空気」を良くすることから(コンサルタントとして)支援はスタートとします。「場の空気」が悪いと、うまくいくはずのことでも、まったくうまくいかないからです。

・「空気」の影響は、経過した時間に比例して強くなります
 現状のチームの空気に疑問を感じたら、「場の空気」にまったく馴染みのない人に尋ねてみることをおすすめします。
 正しいか間違っているかの判断基準は、自分が長く時間を過ごした場所・空間によって形成されていきます。過去を振り返ってみても、家庭、学校、会社など、自分の所属した環境からの影響が大きいはずです。
 そうした一人ひとりの価値観や判断基準が、目に見えない「空気」を形成します。そして、時間をかけてつくられた「空気」ほど影響力が大きくなっていきます。

・良い空気「締まった空気」には、1つの条件があります。
 それは、「間違っていることを『間違っている』と指摘し合える」ことです。
 特にリーダーからメンバー、上司から部下、先輩から後輩に「それは間違っている」と言える状況です。
 そういう意味では、チームに「締まった空気」があれば「間違っている」とハッキリ言えるでしょう。
 しかし、「緩んだ空気」だと、なかなか言えません。たとえ注意したとしても「そこまでやる必要があるんですか?」「やってもやらなくても結果は同じでしょう」と反論されることもあります。さらん「なあなあ」になっていくと、上下関係にあるにもかかわらず、見て見ぬふりをして「ほどけた空気」へと一直線です。

・この厄介な「作話スモッグ」の汚染からチームを守るためには、次の2つが必要です。
 ⚪︎早めの対処(引き締め)
 ⚪︎早めに対処できなかった場合は、客観的データによる事実(ファクト)の調査
 特に客観的な事実は数字である必要があります。
 「場の空気」が微妙に悪くなってきたとリーダーが感じたら、できる限り早く手を打ちましょう。
 細かいテクニックなど必要ありません。引き締めるだけでいいのです。
 普通に「キチンとやろう」「ダメと言ったらダメ」でいいのです。少しキツめに言っても、「場の空気」が中和してくれます。

・私は現場に入って組織改革をするコンサルタントですから、この「組織論2・6・2の法則」を何度も目の当たりにしています。採用で「できる人」ばかり集めても組織が「できる人」ばかりにはなりませんし、「もの足りない人」を集めたとしても、それなりにリーダーシップを発揮する人がそのチームから現れてくるものです。
 この「2・6・2」を意識レベルで分解し、わかりやすく表現してみます。
 ⚪︎自然人(じねんじん) ・・・ 自分で勝手に燃えている人
 ⚪︎可燃人(かねんじん) ・・・ 火をつけられると燃えることができる人
 ⚪︎不燃人(ふねんじん) ・・・ なかなか燃えない人

・「なぜ動かないのか?」「なぜやらないのか?」の探求は、するべきではありません。人が動くかどうかは、「しっくりくる」かどうかであり、相手の中に答えなどないのです。なんだかしっくりこないので動かないのに、理由を聞かれるので、ついつい「作話」してしまうのです。
 人はどんな時に行動を始めるのか?
 「しっくりきたとき」
 逆に人はどういうときに行動をためらうのか?
 「しっくりこないとき」
 ただ、それだけです。

・すべてではありませんが、「行動」はなんとなく起こるものが多い、と受け止めていきましょう。しっくりくるからやる。みんながやっているからやる。それが普通だからやる。こういうものです。

・「動かない理由」を探すと、袋小路に入ってしまいます。
 「給与がたりないのではないか」
 「上司から承認されていないのではないか」
 「やりがいを感じられないからではないか」・・・。
 これらは、すべて「作話」です。
 「動かない理由」も「動く理由」も同じです。後から話を作るのです。
 「理由」「意味合い」は後からくるものなのに、先になければダメだと思い込むから、探しても探しても見つからないし、いつまで経っても動けなくなってしまいます。

・「場の空気」が乱れると、優秀な人ほどチームを去っていきます。逆に、良い「場の空気」だと優秀な人材は残り、できない人材はその空気に居心地が悪くなり去っていきます。
 その空気をつくるのは、リーダー自身なのです。

・部下5人等想定は、「統制範囲の原則」(Span of Control)に基づいています。
 これは、チームの規模や立場を問いません。社員10万人・1兆円企業の会長であっても、社員50人の会社の社長であっても、「リーダーが直接影響を与えられる人数は、5~7人程度である」という原則に基づきます。

・こういったことを研修で話すと、多くの人から次のような質問を受けます。
 「不燃人」はどうすればいいんですか?
 というものです。
 「『不燃人』は放っておいてもいいのか?」
 「一部の人がチームの規律を乱していたら、それこそチームの統制がとれない」
 という言い訳です。まったくそのとおりです。
 しかし、あえて書きます。まず「不燃人」は見て見ぬふり、つまり、スルーしてください。目に余るような行為があれば無視できませんが、みんなが実践しているのにもかかわらず、徹底していない、やり切れていない、というのであってもスルーです。

・「グッド&ニュー」「サンキューレター」などは、硬直した空気を柔らかくしていく効果があります。

・「当たり前」のことを当たり前のようにやる、それで結果が出なければ仕方がない、と開き直ったのが良かったのでしょう。「新規お客様開発チーム」は約1年で成果を出し始めました。


そんな感じでしょうか?
自分も「人」ではなく「空気」にフォーカスすることをこれから意識していこうと思いました。
新しい概念を知ることができたので、かなり有意義な本だったと思います。
そんなんで今回は以上⭐︎
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