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読んだ本の感想と旅行の日記を書いていきます。
後、その他なんかあれば・・・

21冊目:「坂の上の雲(五)」

2010-10-09 16:26:16 | 
総評:★★★★★ 以下、一巻から変わらず
面白い度:★★★★★ 
読みやすい度:★★★★☆ 
ためになる度:★★★★☆ 
また読みたい度:★★★★★ 


五巻は旅順の戦いでも、一番苛烈を極めた二0三高地の戦いから、ロシア西側のバルチック艦隊の極東方面への航海、また旅順の陥落、また北方戦線の陸軍の激戦であった黒溝台の戦いを書いている。


ロシアは極東の旅順にあった旅順艦隊と、西(ヨーロッパ)側にあったバルチック艦隊が合流すれば、戦力が強大になり、日本をたやすく落とせると踏んでいたのだが、日露戦争のために海軍の精鋭を集めていた旅順艦隊が壊滅してしまった。

日本はロシアに勝つためには、両艦隊が合流する前に一つずつ各個撃破していかなければならなかったのだが、まずその一つを撃破することが出来た。
ここまでは日本としては成功と言えるだろう。


なお、旅順艦隊が壊滅した報は、バルチック艦隊が出発し、極東に向かっている途中に流れてきており、その時はすでに喜望峰を回り、航海もちょうど途中の所まで行ってしまっている。

ロシア側は二つの艦隊の合流のためにバルチック艦隊を差し向けたのであり、旅順の陥落時点でバルチック艦隊が極東に向かう前提が崩れてしまっている。
そもそもヨーロッパからの大艦隊の極東への航海は史上初めてのことで、色々な問題点が噴出してくるが、その間兵士の士気が下がったり、艦隊の故障が相次いだりと、様々な困難が待ち受けていた。

すべで日本にとっては有利となるもので、旅順が陥落した後は海軍は悠々と、準備を整えてロシアの艦隊を待つことが出来る。


海軍にとってはとてもいい流れであるが、逆に、満州にて行動を行っている陸軍は今までにない苦戦を強いられていた。

そもそも日本の兵隊の数はロシアより少なく、また当初は想定していなかった旅順方面に戦力を差し向けたために、北方で戦っている兵士の数は少なくなっている。また旅順で多くの兵士が死傷してしまったため、当初の計画からかなり少ない兵員で戦っている。また、旅順からの援軍にも時間がかかる。

そんな中、北方は遼陽の北の方まで戦線を押し上げて行けたが、そこで冬となり、戦闘は一旦落ち着いたものに見えたが、ロシアは冬に大規模な強襲作戦を計画していた。。。


日本の陸軍は今まで綱渡りのような用兵で来れたが、激戦につぐ激戦で、いつ兵士達の緊張の糸が切れるか分からない。
また、不慣れな土地であり、当初の計画性の甘さから、補給が十分に行えていない。

陸軍は海軍に比べて、圧倒的に不利な状況に立たされている。
いつ壊滅するか分からない状況の中、日本軍はなんとか耐え続けている。

この状況から、どうやって日本軍は勝つことが出来たんだろうと不思議に思っている。
そんなんで感想ではなく、ストーリの説明みたくなってしまった。
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