昭和28~29年と思われる赤川の渡船風景です。
場所は当村隣の奥井新田。
このころはすでに新川が開通して、
赤川本流は黒森から直接海に向かっているはずなのですが、
この時期まだ下流のこの一帯は干拓が進んでいなかったのでしょうか。
川幅が広いのにまず驚きます。
ちょうど新しい橋が架けられている最中です。
これは現在と同じ場所なのか、若干上流なのか?
対岸は背後に砂丘林を擁する坂野辺新田です。
それにしても大勢の乗船客で賑わっています。
行李らしき風呂敷包みの商人風の人やはんこたんな姿の農婦など。
対岸に客待ちでしょうか、
バスのような車が停まっています。
今では車で簡単に旧赤川の痕跡を行き来していますが、
昔は川を境にして西田川郡と東田川郡の行政区域が分かれるほど、
往来が困難な大きな流れだったのですね。
また増水で氾濫を繰り返した地帯なので、
坂野辺も奥井も名前の後ろに新田と付くように、
移住と新田開発に果たした甚大な苦労に思いを馳せてしまいます。
橋が架かる以前は、どの川でも渡し舟は結構あったのではないでしょうか。