農村ライフ 日々是好日

山形・庄内平野でお米を作る太ももの会広報部長の農村日記

ゲブレシラシエの背中

2012-02-26 19:49:05 | マラソン、駅伝
東京マラソン2012、出場したランナーのみなさんお疲れ様でした。

エリート男子のレースはケニアのキピエゴ選手が優勝。
藤原新選手が2時間7分37秒で2位にはいりました。
あと1kmあったらトップにたてたかな?
というくらい見事な追い上げでしたね。

25km過ぎから第2集団からはなれ、
単独での追い上げとなりました。
「30kmまでは寝ています」のつもりが、
予定より早い「しかけ」になってしまいました、
しかしもう行くしかありません。

それでも1km3分を切る小気味良いペースをきざみ、
前の集団から落ちてきたキプロティチ選手に追いつきます。

このキプロティチ選手がよみがえってくれて
併走してさらに前を追うことが出来たのが結果的に良かった。

レース終盤、このままトップをつっ走ると思われた
ゲブレシラシエ選手とメコネン選手の脚が鈍ってきます。

浅草雷門でトップと藤原新選手との差が1分15秒だったのが、
銀座4丁目では50秒まで縮まります。

メコネン選手が失速してゲブレシラシエ選手が単独トップになりましたが、
やがてキピエゴに抜かれてしまいます。

終盤のアップダウンに苦しめられ併走していた
キプロティチ選手のも水を空けられてしまった藤原選手。

しかしどんどん大きくなって近づいてくる
帝王ゲブレシラシエの背中が彼の闘争本能に火をつけました。

いくら全盛期を過ぎたとはいえ、ゲブレシラシエ選手とは
はるか雲の上に燦然と君臨する偉大なランナーです。

(まさかその神様にもしかしたら自分が勝つかも知れない・・・)
その夢が現実に目前に迫ったら、ランナーたるもの魂が燃えないわけはありません。

ついに「その時」は訪れます。
スタートから41.19km地点、
皇帝ゲブレシラシエをレースで初めて日本人選手が追い抜きました。

藤原選手にはよっぽど大量のアドレナリンが出たのでしょうね。
ゴール直前ではいったん離されたキプロティチ選手もかわして単独2位に。
トップのキピエゴ選手の背中までもあと少しでした。

これでロンドンの最有力候補に名乗りを上げた藤原選手。
実業団に属さずスポンサーも持てない異質なランナー。
今大会は背水の陣で臨んだそうです。
今までの苦労が報われましたね。おめでとう!

残る選考レースは来週のびわ湖ただひとつ。
ますます楽しみになりました。