農村ライフ 日々是好日

山形・庄内平野でお米を作る太ももの会広報部長の農村日記

山田太一 宿命を描く

2012-02-11 23:39:56 | 日記
脚本家山田太一さんが
先日NHKスタジオパークに出演していらっしゃいました。
そのときのお話です。

人間は生まれてくるときに、
家族は選べない、顔は選べない、生年月日も選べない、
あらゆる限定の中で一人の人間は生まれてくるわけです。

そんなことがないかのように、みんな平等で
ある一線をヨーイドンで走り出して、
それで努力次第で勝つんだ
という人生観はとてもおかしいと思います。

みんなそれぞれハンデを背負ったり、
あるいは不当に恵まれていたりして
人生は走り出しています。

だからどの世界だって一番になった人が
一番努力したわけではありません。

もともと頭がいい人とか、
もともと手におえないほどきれいな人とか、
みんなプラスもマイナスもそれぞれ違うものを抱えてきて
生まれてきて生きていくわけです。

そこをはっきりと認めないと、
一番以外の人は皆努力が足りない
ということになってしまいます。
これはものすごく非科学的な考え方です。

ものすごく不公平で不平等なものなんです、
人生っていうものは。

だからそれを認めないで、
自分だけ不当に扱われている
とひがんでいるのは変な話しだし、
やたら恵まれているのに、それが当然のように
自分だけの努力だと思っている
のも変な話しなんです。

ハンデをみんな持って生きています。
しかしハンデはずっとハンデではありません。

少し経つと、良いことが悪いことになっている
ということもあるし、
またその逆に悪いことが良いことになったりする
こともよくあることです。

時は絶えず動いているから、一つのところに停まってはいません。
絶望したままずっと絶望したままは居られないし、
悲しみにくれたままずっと悲しんだままでは居られません。

変わっていきます。
時はどんどん動いていますから。
人生はそういうものです。
絶えず動いています。

他人が得していると思っていたら、
自分が得していたりすることもあります。

そういう人生というものが、
おもしろいと言えばおもしろいんですね。


人はみんなそれぞれ違っているのは当たり前。
自分がハンデと思っていることは、
実はぜんぜんそうではないかも知れない。
くよくよ悩んでも悲しんでもそれは一時、
いつか時が解決してくれます。

なんか心が軽くなりましたよ。
さあ人生を楽しみましょう。