福島木工家具店

製作した家具の紹介と日記

スツールの治具づくり

2021-06-08 13:30:55 | 製作記録

現在、スツールの製作をしているところ。

 

スツールといえば、気軽に使える腰掛けですね。

軽くて移動も楽なのが特長の一つといえます。

 

そのようなスツールをつくるには、スッキリとしたデザインではあるけれど、

安心・安全に使えなくてはいけません。

 

まずは、設計が大事

見た目も大事ですが、何より人の体重がかかるものですから、

それに耐えるしっかりとした強度と構造が求められます。

かかる荷重は、垂直方向だけでなく水平方向にも耐えられるように。

 

次に、材料選び

軽量化のため、脚まわりは細い材をつかいます。

単純に硬い材を使えば強くて丈夫ということはありません。

単に硬いだけの材は割れやすいことがあるので脚には向かないのです。

ではどんな材が良いのかというと、粘りのある材です。

そういう材は、かかる力をしなやかに受けて折れることがありません。

人の心と共通しているのがおもしろいですね。

 

最後に、加工精度

いくら設計と材料が優れていても加工に狂いがあれば成り立ちません。

特に脚物(あしもの)といわれる家具(椅子やテーブルなど)は、

脚のガタつきがあると、ホゾ組が緩んでくる原因となります。

1箇所のホゾが緩み始めると、他のホゾも連動して、グラグラ家具になってしまいます。

私も幾度も失敗を重ねてきました。

まだまだ修行の只中です。

 

ずいぶんと前置きが長くなりましたが、

スツール脚の墨付け(加工箇所のマーキング)をするための治具をつくりました↓

 

ここに脚の材料をセットして墨付けします。

高さが違うのは、ホゾ穴の加工箇所は2面にあるため。

 

 

写真中央手前の脚は見本。右奥はスツールの見本。

久しぶりに製作するので、間違いがないよう見本で確認しながらの作業。

 

普段は注文家具なので、毎日同じものをつくることはないため、いつも緊張しています。

気が緩んで他ごとを考えながらの作業は、間違いをすることが多々あり。

 

特に墨付けでは、定規などのメモリの読み間違え、よくあるのが5mmずれてマーキングしてしまうこと。

加工した後に気づき、多大なるショックを何度も経験しました。

 

製作中のスツールは、屋久島町ふるさと納税返礼品となっていることもあり、

今後の製作に備え、今回ようやく治具をつくることにしたのです。

 

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墨付けだけでなく、脚の斜めカットの治具としても活用。

便利で大助かり。

やはり、治具は大事ですね。

 

 


 

 

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