福島木工家具店

製作した家具の紹介と日記

毛引き

2013-05-14 22:55:24 | 日記

家具の製作において、墨付けは神経を使います。

切ったり、掘ったりと、木材を加工する時の基準となりますので手は抜けません。


大工さんは、墨壷(墨のついた糸をパチンとするやつ)や墨差し(竹で出来た筆)なんかでやりますが、

私は主にシャープペンシルを使っています。

鉛筆では使っていくうちに芯の太さが変わってきますが、シャープペンシルは一定ですので間違いありません。


たまーに、長い直線を引くときなんかは、墨壷を使ってみたりするのですが、

墨糸を長く出せば出すほど、パチンとやった時には真っ直ぐに墨付けすることが出来ません。

ピンと張った糸をつまみ上げて、慎重にパチンをするのですが、線が曲がってしまうことが多々あります。

つまみ方が悪いのか、パチンする時の指使いが悪いのかわかりませんが、墨壷は結構難しいのです。

つまり、下手くそということです。

墨差しについては、むかーし、買った覚えがあるのですが、使い方がよくわからないので、どっかへいってしまいました。

まあ、普段使い慣れているものが一番ということです。


タイトルにあります毛引きですが、

これはホゾ穴を掘る線をつけるときに重宝しています。


黒檀と真鍮で出来た欧米の毛引き(¥3,150) ↓





毛引きは、材へ押し当てて使いますので、何度も使っているうちに本体が磨り減ってきてしまいますが、

この毛引きは、堅い材に真鍮が埋め込んでありますので、簡単には磨り減ることがありません。

見た目も格好良いです。


線をマークするのは刃です ↓






ですので、シャープペンシルよりも細くマーキングできます。

例えば、柱材のセンターへ、ホゾ穴の線を罫書く時には、柱の左右に当てて、一回ずつ引けば、

丁度真ん中に、均等に墨付けすることが出来ます。

いちいち、定規を当ててメモリを読んでから記す必要がありませんので、作業が早いです。



つづいてこちらの毛引き(数百円の日本製)↓





材はカシの木だと思います。


この毛引き、マークするところを、よーく見てみると ↓





刃が二枚ついています。

ということは、ホゾ穴幅の位置をセットすれば、一回引けば二回分のマーキングをすることが出来ます。


先ほどは、センターへの墨付けでしたが、

この毛引きの場合は、センターでない場合に使います ↓






このように二種類の毛引きを使い分けております。




コメント
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