福島木工家具店

製作した家具の紹介と日記

新作椅子の製作つづき

2013-02-16 21:00:38 | 製作記録
昨日のつづきです。

完成した1脚分の椅子のパーツ ↓






まずは、片側から組み立てスタート ↓






予め、組み立てる順番をシュミレーションしておかないと、

組み立て途中で、あるパーツを取り付け忘れたり、

また、取り付ける向きが逆だったりして大慌てなんてこともあります(経験済み)。

ですので、白い巨塔の財前教授ではありませんが、予行演習をしておきます。



通しホゾに割り楔 ↓






がっちりと嵌りました(ホッ) ↓






両サイドが組みあがりました ↓






さて、ここからが緊張します。


一気に本体を組み上げていきます ↓






ホゾ穴とホゾに木工ボンドをヘラなどを使って素早く塗ります。

ゆっくりやっているとボンドが乾いてしまい、接着力が無くなってしまいます。

急いで、あせらず、ひとつひとつ確実に。


これが気温の高い夏場でしたら一気に組み上げるのは難しかったと思いますが、

冬場の朝ということで、ちょっぴり心に余裕がありました。


無事に組み上げ終了。


そして、ホゾの緩み防止として、ビス止めもしておきます ↓






後は、座面を取り付け、仕上げにビス穴をダボ(木で埋める)して完成。


今日は、所用があったりして忙しく、完成写真は取り忘れてしまいました。


この新作椅子は明日の尾之間温泉市に出品します。





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新作椅子の製作

2013-02-16 00:09:01 | 製作記録

前々から準備をしておりました、新作椅子の製作をしております。

この椅子の最初の図面を描いたのが去年の9月。

その後、合間を見て、必要な部材を用意した後、そのままずーっと放置しておりました。

今月に尾之間温泉市があるので、それに合わせて作ろうと思い、重い腰を上げた次第です。


1脚分の部材 ↓





部材の寸法を自動カンナなどで揃えて、墨付けします。


加工は、ホゾ穴を掘ることからスタート ↓





この↑ ホゾは斜めになっています。

角ノミ機は前後にスライドしますので、斜めの端材を両サイドに挟んでの穴あけです。


こんな感じで角ノミ機にクランプしてます ↓





(写真が広角なので、ちょっとわかりずらいですが両サイドの幅は同じです)


穴あけ終了 ↓





ここには背もたれの板が嵌め込まれます。


ホゾ穴の加工が終了したら、今度はホゾづくり。


ホゾを後に作るのには、厚み(ホゾ幅)を機械加工で設定する時に、

試しにホゾを作ってみて、既にあけてあるホゾ穴への嵌り具合を確認するためです。

ホゾ穴は、角ノミ(穴の幅は規格で決まってます)であけますので、こういう順序になります。


今回の椅子には、通しホゾにして、割り楔止めをする箇所があります。


こちらが楔 ↓





長さ40mm、厚みは4mm~8mmの勾配がついております。

小さい部材なので、機械での加工は危ないので、手作業で作ります。


割ったホゾに楔を打ち込みます ↓








ホゾ穴の入り口よりも出口のほうが広くしてあります。

つまり、ホゾ穴はテーパーをつけて加工してありますので、

一度、楔を打ち込んだら抜けなくなる訳です。

ここぞという箇所に使います。



次は二重ホゾの加工。

二重ホゾとは、上下に二箇所のホゾがあり、幅広の板材に良く使われます。


新作椅子の背もたれ板の加工 ↓





縦長のホゾに切れ目を二箇所いれて、真ん中に錐で沢山穴をあけます。


そこにノミを叩いて打ち込むと ↓





こんな感じに二重ホゾの出来上がり ↓






このホゾの特長は、

幅広の板材が二つのホゾによって反りにくくなります。

また、板材は面に対して反るだけでなく、幅に対して大きく縮む特性があります。

例えば、材種や乾燥方法によって違いはありますが、

生材の板を乾燥させると、幅が10%前後収縮するともいわれます。

ある程度、乾燥してありましても数%縮むことは珍しくありません。


これを普通の一つのホゾで作った場合、板材の収縮により、ホゾも縮むことになり、

乾燥により、ホゾ穴よりもホゾの方が小さくなって、結果、緩んで抜けてしまいます。


ですので、ホゾを二重にしておけば、

板が縮んだ場合、二つのホゾの間隔も縮んで短くなり、

つまり、ホゾとホゾの間が30mmで作った場合、

乾燥により、28mmとなったとします。

それに対して、ホゾが入るホゾ穴加工してある材は、大抵の場合、角材でありまして、

板材とは収縮率が違って、それほど縮むことはありません。

角材のホゾ穴の間隔は板材と同様に30mmで加工して、

仮に乾燥して29mmになったとしても、板材のホゾが収縮の力で、

ホゾ穴を挟むように力が加わっていますので抜けにくくなります。

逆にいいますと、乾燥して収縮率が高ければ高いほど、がっちりと食い込むともいえます。

木工の面白いところですね。



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