東京等の緊急事態宣言は、6月20日まで延長されたが、ニュースを見ていると6月1日から映画館やデパートや遊園地等いろいろな施設がオープンされ、どうみても規制が緩和され、人流が増える状況になっている。延長するなら、より厳しい施策が出てもおかしくないのに、どうして政府や都は、緩和の方向に舵を切っているのか、支離滅裂と言わざるを得ない。酒類提供の飲食店への休業要請を継続したり、提供しない飲食店の時短要請は継続するとしているが、皆我慢の堪忍袋が切れたのか、要請を無視してお酒を提供する飲食店が増えているようである。東京五輪では、酒類の持ち込みも規制しないようなので、飲食店の怒りは当然である。ワクチンの優先接種、PCR検査の優先、医療施設の特別確保等五輪特別扱いのオンパレードに対し、国民の怒りは頂点に達しようとしている。飲食店の安心・安全なコロナ対策は不十分とする一方、五輪での安心・安全なコロナ対策は万全だとする身勝手な政府の方針は呆れかえるばかりである。
ここに来て、菅政権は、無観客ではなく、観客を入れての開催にこだわっているようなニュースが流れているが、とんでもない話である。観客をいれたら、人の流れは、間違いなく増大し、感染拡大の危険性も増すことになるが、どうしてそのような支離滅裂なことを考えるのであろうか?毎日の記事によると、政府は無観客に難色を示し、「もはや引き返せない」と言っているようであるが、冗談じゃない。そこまで引き延ばしたのは、誰だと言いたい。政府忖度に徹してきた分科会のメンバーからも反発が出つつあるようである。政府が、専門家の分科会の提言を受け入れようとしないようである。五輪についても、分科会の意見を求められていないというから驚きである。菅首相は自分の政権の保身しか頭の中になく、正常な判断ができていないといえる。
1日にオーストラリアからのソフトボール選手団が来日し、代々木公園のパブリックビューイング会場の設営も始まり、完全に開催の方向で動き出してしまった。全世界、国民から大反対されているのに、五輪を開催しようとするIOC、日本政府、東京都、組織員会は重大責任を負う。何かあったら、誰が責任を取るのであろうか?戦時のインパール作戦と同じである。IOCは日本に責任を押しつけるし、日本側はIOCに押しつけることは間違いなく、結局うやむやになるであろう。菅首相の退陣は当然だが、それで済むような問題ではない。これは日本だけの問題ではなく、全世界に対し、どう責任を取るかである。今の東京五輪は、「百害あって一利なし」である。今の菅首相にそんな見識はかけらも見えないのが、残念であり、戦犯としてどう裁かれるかに注目したい。