今、工事が進められているのは、JR東日本が事業主体となっているJR東日本開発街区の再開発工事で、2023年より着手し、2025年度末の完成を予定しているという。その開発街区はA-1地区とA-2地区の2つに区画され、それぞれに複合ビルが建設される。A-1には地上26階・地下3階で、高さ約115mのビルが建つ予定。延べ床面積は約250,000m2となり、事務所・店舗・宿泊施設・住居・駐車場などの施設が入る。一方、A-2は地上2階・地下2階の高さ約16mのビルとなる。延べ床面積は約9,100m2で、用途は店舗と駐車場だという。ビルは駅直結となり、デッキなどでつながる利便性の高い施設となる。A-2地区には面積が約4,600m2の広場が設置され、賑わいと憩いの場として地域と連携したイベントの開催なども目指すという。
品川区では、毎年文化の日に合わせ、区の文化財の一般公開を行っているが、今年は、3~5日の間で下記の8箇所の文化財が公開されている。
① 旧品川警察署品川橋交通待機所 ( 令和5年度国登録有形文化財)
② 品川 神社神輿、板垣退助墓
➂ 寄木神社、鏝絵天鈿女命功積図
④ 長徳寺、紙本着色六道絵
⑤ 文庫の森、旧三井文庫第二書庫 (令和2年度国登録有形文化財)
⑥ 養玉院、木造五智如来坐像
⑦ 伊藤博文墓 伊藤博文公墓所
⑧ 居木神社末社厳島神社(旧松原家屋敷神)
②⑥については、いつでも見られるし、➂⑤⑦については、過去に見に行ったことがあるので、今回はスキップし、家の近くにある長徳寺の紙本着色六道絵を見に行ってきた。ついでに、家の近くなので、①、➂についても立寄ってみた。
旧品川警察署品川橋交通待機所は、今年8月に国登録文化財として指定されたようであるが、この建物は普段、区の「まちなか観光案内所」として、使われており、週に何日か常駐のスタッフがおり、品川宿の観光案内所として活用されている。1931年に警察の派出所として建てられ、1954年頃まで使われていたようである。 寄木神社にある鏝絵天鈿女命功積図は、今までに数回見に行ったことがあるが、石の蔵造りの本殿の2枚の扉に描かれた名工、伊豆の長八の手に依る漆喰鏝(こて)絵で、天の岩戸開きと天孫降臨における天鈿女命の功績をあらわしたもの。本殿の左扉上方には天照皇大神、下方に天鈿女命、右扉には雄々しい猿田彦大神が見事な技法で作られている。普段は見られないので一見の価値はある。
長徳寺は我が家から4-5分のところにある1463年創建の時宗のお寺で、閻魔堂に木造閻魔王坐像が祀られており、閻魔の世界が描かれた「紙本着色六道絵」が掲げられており、地元の人には「南品川のおえんまさま」と呼ばれている。生前悪事を働いた人々が死後の世界で苦しむ様子が、これらの絵に鮮明に描かれており、参詣者に恐怖を視覚的に伝えることで、勧善懲悪の理を説くために使われたようである。六道とは、仏教の教説で、自らの行為の結果として、輪廻転生する六つの世界、地獄道、餓鬼道、畜生道、阿修羅道、人道、天道を指すという。1849年に寄進されたようであるが、現存するのは5枚だけである。絵をじっくり見たが、まさに怖い地獄の世界を見ているようで、恐怖心を覚えた。参道入口の旧東海道沿いにある和菓子屋さんには、えんまさんにちなみ、名物のいなりずしを一味唐辛子で味付けした「閻魔いなり」が売られている。
有名な伊藤博文のお墓もこの文化財一般公開の時しか見られないので、貴重な機会である。今までに、3-4回はお参りに行ったことがある。伊藤博文のお墓の近くにある養玉院の木造五智如来坐像も高さ3mもあり迫力がある。薬師如来、宝生如来、大日如来、阿弥陀如来、釈迦如来の五つの如来さまが並んで鎮座しているので、見応えがある。何回もお参りしたことがあるが、意外と知られていないスポットで好きである。毎年、文化の日前後に行われる文化財一般公開は楽しみの一つとなっている。
画像は、旧警察署の派出所
六道絵の一つ
鏝絵天鈿女命功積図
区制作の「品川歴史探訪」24篇の内、唯一YouTube上、限定公開となっているのが第1作である「ねむの木の庭~皇后さまの思い出」である。制作が平成21年なので、皇后さまとは今の上皇后美智子さんのことである。「ねむの木の庭」は、東五反田5丁目にあり、上皇后の生家の正田家の邸宅があったところで、色々な経緯を経て、区が跡地を取得し、2004年に開園したものである。よく通うNTT東関東の病院の裏手にあり、美智子さんに因んで命名された「プリンセスミチコ」というオレンジ色のバラを見によく出かけるところである。バラだけでなく、中央に「ねむの木」が植えられている他、様々な樹木や草花で彩られている素敵な庭園であり、気に入っている。
そんな「ねむの木の庭」を紹介したのが第1回の「品川歴史探訪」である。24篇の内、23篇は、YouTubeで公開されているが、第1篇だけは、一般公開されておらず視聴を諦めていたが、先日ひょんなことで、限定公開のYouTube を探しあてた。再生回数も他に比べて圧倒的に少ないが、なぜ公開されていないのかわからない。皇室からの要請でもあるのであろうか?貴重な映像なので、興味ある方は覗いてみてください。庭は広くないが、綺麗に手入れされているので、一度訪れてみてください。バラを見たければ、年2回、5月上~中旬と10月下旬頃、ねむの木は6月中旬頃が見頃であると思われる。。
品川歴史探訪~ねむの木の庭~皇后さまの思い出: https://youtu.be/BB8TK7JxX5k
「しながわネットTV」の「品川歴史探訪」は、様々な切り口から区の歴史や史跡を紹介する1回10分程度のシリーズの番組である。全部で24本製作されており、その内23本はYouTubeでも公開されているが、どれも興味深い内容で大変勉強になる。なぜか第1回の「ねむの木の庭~皇后さまの思い出」だけが限定公開となっている。前にホームラン地蔵のことを紹介したが、役に立ちそうな番組をいくつか紹介していきたい。
まず「品川に眠る偉人たち-幕末・明治編」では、初代総理大臣の伊藤博文、土佐藩主の山内容堂、鉄道の父と称される井上勝、自由民権運動で有名な板垣退助の4人を紹介している。4人のお墓はすべて訪ねたことがある。この番組では紹介されていないが、岩倉具視も紅葉で有名な海晏寺(南品川3丁目)、時代は違うが、たくあんで有名な沢庵和尚、国学者で有名な賀茂真淵、歌手の島倉千代子も井上勝と同じ東海寺大山墓地に眠っている。
YouTube: https://youtu.be/FyKudCjjJIU
品川関連のサイトを見ていたら、「品川歴史探訪」という平成21~27年にケーブルテレビ品川で放映された24篇のYouTubeが公開されていることを知った。地元の歴史探訪ということで大変強い興味を抱いた。第1回は、「ねむの木の庭~皇后さまの思い出」というタイトルで、最終回は、「江戸時代から愛された品川の桜」でその間に品川の名所・旧跡の歴史にまつわることが詳しく映像で解説されている。まだまだ知らないことも多く、大変勉強になる。
今後、興味のありそうな歴史探訪を取り上げてみたいとも思うが、まず気になったのが「野球少年とホームラン王の約束」である。家から徒歩5分位のところにある海徳寺の「ホームラン地蔵」にまつわる心温まる話で、野球のバットとボールを持ったこの地蔵さんには何回かお参りしたことがあり、その存在も知っていたが、今回の歴史探訪で詳しくそのストーリーを知ることができた。
元巨人の王貞治選手がルーキーだった頃、 子供のためにとサインを母親にお願いされたことから病室を見舞い不治の病の少年と知り合う。その後王さんは度々病院を訪れその少年を励まし続け、 少年も王さんのお見舞いをとても喜んでいたそうである。その少年は昭和37年に13歳で亡くなったが、その年のシーズンを迎えた王さんは天国の少年に届けとばかりに本塁打を量産し、初めてホームラン王のタイトルを獲得したという。
このYouTubeで、王さんが自ら語り、心温まるストーリーを知ることができた。一度ホ-ムラン地蔵にお参りしてみてはいかがでしょうか?
品川歴史探訪 「野球少年とホームラン王の約束」: