区役所からシルバー成年式なるイベントの案内状が届いた。本年度に古希を迎える区民が対象とのことで、記念式典や寄席が開催されると同時に我々の年代に合わせた各種イベントが企画されているようである。
60才で刑期を終え、自由の身になってもう10年が経とうとしている。10年というと長いようなイメージがあるがアッという間に過ぎたような気がする。第二の人生は、長年の夢であった海外留学を実行に移し、カナダのビクトリア大学での語学留学をメインとした6ヶ月の海外ロングスイテイからスタートした。
英語の上達はさておき、若い女性に囲まれたハーレム並みの生活をエンジョイし、ゴルフ・テニス・旅行という自分の好きなことを自由に楽しむことができた。今思うとこのロングステイはお金もそれなりにかかったが、実行してよかったと満足している。
帰国後は、大学時代からやっていた卓球を本格的に再開しようと考え、地元の卓球クラブに入り、週3回ほど卓球で汗を流す生活を9年ほど続けてきている。会社勤め時代も会社のクラブで卓球を続けて得たことも極めて大きかった。まさに「鶴の恩返し」の気持ちで、今はクラブの初心者に対し卓球の指導も行っている。自らも練習に励み、区の大会にも出場して時には賞品をもらうことも楽しみの一つとなっている。
定年後も好きな海外旅行は続け、海外遊学をしていた初年度は除き、9年間で42カ国もの新しい国々を旅してきたことになる。定年時は59カ国でエイジシュートに一歩足らなかったが、今では念願の100カ国も超えるところまできた。まだ全世界の半分にも満たないが、大好きなヨーロッパについては全ての国と地域(53カ国)を制覇できたことに達成感を感じている。旅行自体も楽しみであるが、最近は旅行後のアルバム作りも新たな楽しみとなっている。音楽のある風景をテーマに、YouTubeでの旅行アルバム作りに凝り、すでに300近い作品をホームページにも掲載している。
ホームページの作成は、現役時代の2004年から始めているので、はや13年が経とうとしている。旅行アルバムの紹介から音楽、初物、英語学習、卓球、陸上競技、地元紹介、切手収集等自分の趣味の世界を網羅し、内容もそれなりに充実してきた。最近一番力を入れているのは、「デジタル自分史」の作成である。過去の写真を音楽付きのスライドショーにしたものを中心に自分の人生の出来事を時代別と趣味別に整理し、自分史として完成しつつある。自分史の作成により、いつでもその時代にプレイバックすることができ、自分への励みとなっている。
私生活では、二人の子供が共に、結婚独立して、ついに二人だけの生活となってしまった。いつまでここのような自由な生活が続けられるかわからないが、この時点で今のような生活が送ることができていることに深く感謝したい。シルバー成年式のイベントは予想外であったが、出席できることに感謝し、その日を楽しみにしたい。
ウサイン・ボルト選手(ジャマイカ)のラストランということで、その走りに注目していたが、100mでは銅メダルに終わり、リレーでは途中棄権という予想だにしない結果となった。日本でも人気のあるボルト選手のトラブルのおかげで日本チームが銅メダルを獲得できたいうのも皮肉な結末であった。各選手の持ちタイムからしてメダルはとても無理と予想していたが、バトン渡しが上手な日本のまさにチームプレイの成果ともいえる。早起きして久しぶりに興奮してレースの生中継を見た。
世界陸上は、仕事の関係で、1999年から2007年まで5回生観戦の経験があるが、やはり目の前で見る生のレースの感動は、テレビで見るのとは雲泥の差がある。 コンサートであれ、スポーツ観戦であれ、臨場感がまるで違うのである。経験のない人がいたら、好きなスポーツの生観戦を強くお薦めする。
世界選手権やオリンピックのような国際試合の場合、世界のレベルとの格差により、日本の成績が芳しくないことが多く、陸連幹部や強化・コーチ陣の責任体制がよく話題に上る。今回もメダルがゼロでは責任体制が必至かなとも感じていたが、リレーの銅メダルによって救われたといえる。
過去に、マラソンの選考基準のトラブル等でマスコミからもよく責められていたが、選考された選手の活躍でいつも救われていたのも事実である。今回も何とか面目を保った感があるが、放映時間帯が悪かったこともあり視聴率があまりパッとしなかったのではないかと危惧する。
陸上競技はヨーロッパでは大変人気のあるスポーツで、世界陸上も2年に1回開催されているが、ヨーロッパ開催とヨーロッパ以外(アメリカ・アジア等)開催とを交互にやってほしいという暗黙の了解があるようである。今回のようにロンドン開催だと日本はいつも真夜中の中継となってしまう。ヨーロッパ各国にとっては、ヨーロッパ以外での開催だと同じ問題を抱えることになるので、陸上の盛んなヨーロッパの言い分もよく理解できる。
また、世界陸上のスポンサーの多くは日本の企業である。ゼッケンスポンサー(一番お金を出している)は、男子は TDK 女子は TOYOTA で、SEIKO ASICSもスポンサーとなっているようである。ゼッケンスポンサーは選手のゼッケンに表示されているため露出が極めて大きい。国際陸連の広告代理店も電通で、その他のスポンサーも日本企業が多く国際陸連は日本に足を向けて寝られないといえよう。
週2回練習しているが、ラジオ体操から始まり、年間練習メニューに従い、30分ほど練習した後、ミックスダブルスによる練習試合を行う。月に一度は競技会を行い、その腕を競い合う。競技会は、全てミックスダブルスで一人6試合を行う。クジで組み合わせを行うが、ペアは毎試合異なり、変化に富んだ楽しいゲームができる。あまり上手ではない人でも、うまい人と組めば勝つことができるからヤル気も出て来るというものである。
このような年寄軍団であるが、区主催の卓球大会の試合にも積極的に参加している。先日は、女子の団体戦で一番下のリーグではあるが、初優勝を飾ることができた。5人が試合に出場したが、全員70代。 5チームによるリーグ戦であるが、中には中学生のチームもあり、なんと年の差60才以上。団体戦というのは、緊張感漂う一種独特の雰囲気がある。どの試合も接戦であったが、見事4戦全勝での初優勝となり、喜びもひとしおであった。11月には千葉の白子温泉で恒例の合宿も予定しており、皆老いてますます盛んである。
8月4日の定期練習の際には、前日に90才を迎えた本人にはサプライズでクラブメンバーによるささやかな卆寿のお祝いをした。小さな花を用意し、記念写真を撮り、寄せ書きを贈った。初心者ながら卓球もそこそこ上手で、とても90才には見えない。90才といえば歩くだけでも大変な人がほとんどなのにその年で卓球ができるなんてなんとも羨ましい限りである。とてもそこまで自分では無理だと思うが、見習えるよう頑張りたいところである。