20日に参議院議員選挙の投開票が行われ、自公与党の過半数割れが決まった。50議席取れるかどうかが争点となっていたが、事前の予想通り、自民が39,公明が8 計 47議席確保にとどまり、わずかであるが過半数割れを引き起こした。下馬評では、自公合わせて40議席前後まで落ち込むとも予測されていたが、それを考えると過半数割れといってもそこそこ議席を取った気がする。マスメディアは、歴史的大敗と騒いでいるが、まだまだ自民党を支持する人がそそこいることも驚きで、しぶとさも感じる。野党の方も、参政党と国民民主党は大幅に議席を増やしているが、立憲民主党は思ったより伸び悩んでおり、政権交代は遠のいた印象である。
選挙戦で台風の目となっていた参政党は大躍進で驚くことに14議席を確保した。既成政党に不満を持つ特に若者世代が参政党の実体を知らないまま、投票に走った印象があるが、党員組織がしっかりしていることも強みのようである。今まで、安倍さんを代表とする自民党右派を支持していた人たちの一部が石破政権を不満に参政党に回ったとも思われる。「日本人ファースト」という響きのいい言葉に乗せられているあたりは、トランプ大統領の「アメリカ人ファースト」と同じ現象で、危うさを感じる。マスメディアも参政党を持ち上げ過ぎの感もある。経済政策や物価高対策が国民の一番の関心事であるはずなのに、参政党の主張につられ、外国人問題が最大の争点となっているあたりはどこかおかしい。SNSの影響が広がって、間違った情報や不正確な情報がネット上でまかり通っていることの影響も少なくない。参政党の躍進が目立った今回の参院選であったが、今後、今の自公政権の枠組みはどうなるか、石破首相は退陣するのかが注目される。野党共闘はできそうもないし、自公政権が続くと思われる。ただ、自民党内からも退陣論が出ているようであるが、取って代わればもっと悪くなる気がする。