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浪漫飛行への誘(いざな)い

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「なぜ生きる~蓮如上人と吉崎炎上」のアニメ映画を見てきました

2025年04月29日 16時25分10秒 | 宗教

4月29日、2016年に劇場公開された「なぜ生きる~蓮如上人と吉崎炎上」というアニメ映画が家の近くにある健康センターの会議室において無料で上映されるということで、2度目となるが見に行ってきました。前回は、2019年にアンコール映画会として見たもので、100万部を突破した高森顕徹さんのベストセラー「なぜ生きる」の映画版である。800年前に親鸞聖人による浄土真宗が500年前の蓮如上人の時代に爆発的に広まったが、その時代背景において蓮如上人が布教の拠点として築き上げた福井県にある吉崎御坊が1474年に放火され、炎上するという事件を通して、「なぜ生きる」の意味と考えていくものである。

蓮如上人とは、1415年に浄土真宗本願寺第8世として生まれ、親鸞聖人の教えを正確に最も多くの人々に伝えた方で、葬儀でもよく読まれる「白骨の御文章」が有名である。仏教書として有名な「歎異抄」が、誤解を招く「カミソリ聖教」であるとして、封印したことでも有名である。蓮如の声は、里見浩太朗さんが演じていたが、迫力があった。

映画の中では、恩徳讃の歌とか大悲の願船とか平生業成とか親鸞聖人の基本的教えが散りばめられていた。映画の簡単なあらすじは、当時信者が増えた浄土真宗は、他宗派からの恨みを買い、蓮如上人と弟子たちは京都を追われ、新たな布教の地を求め、福井県の吉崎に吉崎御坊という布教の中心拠点を構える。御坊が繁栄すると、他宗派からの妬み、嫉みが激しくなり、ついに、1474年に放火され、御坊は火の車になる。蓮如上人は難を逃れたが、大切にしていた親鸞聖人の教行信証の1巻を置き忘れた。弟子の了顕が取りに行ったが、火の手がすごく、引き返すことができず、意を決して、小刀を取り出し、切腹し、腹の中に巻物を入れて身を挺して守ったと言われている。そこには真っ黒に焦げた了顕の姿があったが、経典は焼かれることなく守られたのである。

こんなエピソードのある吉崎御坊の跡地は現在「蓮如の里」として、整備されているが、興味のあるスポットであったので、2023年8月に富山県の砺波に墓じまいに行く途中、小松空港からレンタカーを借りてわざわざ蓮如の里まで足を運んだ。吉崎炎上のエピソードは事前によく知っていたので、大変感慨深い想いで現地を訪れた。経典を守った了顕の像も展示されていた。蓮如上人とは、なにか縁があって、今の自分の部屋には義父の実家に保管されたていた蓮如上人の掛け軸が飾られている。映画を通じて「なぜ生きる」という人生の大命題にわずかでも理解を深めることができればと思う。

映画「なぜ生きる」の予告編: https://youtu.be/UAJ8-dZoL1g


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「歎異抄をひらく」の映画を見に行ってきました

2025年04月19日 14時21分56秒 | 宗教

4月18日、2019年に劇場公開された「歎異抄をひらく」というアニメ映画が家の近くにある健康センターの会議室において無料で上映されるというチラシが入り、2度目になるが見に行ってきました。「歎異抄」は、鎌倉時代後期に書かれた日本の仏教書で、作者は、親鸞に師事した唯円(ゆいねん)とされる。

生き方に悩んでいた青年・唯円が、親鸞聖人に出会い、初めて仏教を聞き、葬式が仏教の目的ではなく、生きている人間が幸せになるための教えが仏教だと知って感動し、唯円は弟子となる。ある時は厳しく、ある時は愛情深く導かれる親鸞聖人の言葉を、後の世の人に正しく伝えたいと決意して、唯円が書き残したのが「歎異抄」である。唯円が名文家であったことと、会話の記録というリアル感が、躍動する文章となり、700年後の我々の心を強く引きつけている。書名は、親鸞滅後に浄土真宗の教団内に湧き上がった親鸞の真信に違う異義・異端を嘆いたところから由来している

無料であったが、ローカル上映のためか、観客は20名ちょっとであった。親鸞聖人の声は石坂浩二さんが演じており、大変落ち着いていて説得力があると感じた。映画を見るのは2回目だったので、ストーリーはよく理解できたが、「なぜ生きるか」という仏教の本質となるとなかなか悟るを得るところまではいかない。煩悩に満ち溢れた我々人間(煩悩具足の凡夫)は、悪人であることはよくわかるが、有名な言葉である「善人なおもって往生を遂ぐ いわんや悪人をや」の真の意味を正しく理解できるかがポイントである。

今回の上映を主催していた「親鸞聖人に学ぶ会」では、今後もいろいろ映画や講座を予定しているようであるが、4月29日に「なぜ生きる~蓮如上人と吉崎炎上~」というシリーズの第1作の作品の上映会が実施される旨案内されたので、早速申し込んだ。この映画も一度見たことはあるが、2年前に映画の舞台となっている福井県の吉崎にある「蓮如の里」を訪れたことがあるので、一層興味が湧いてくる。

「歎異抄をひらく」予告編:https://www.youtube.com/watch?v=MYGCRTtLpw4

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映画「釈迦」がユーチューブで限定公開

2025年01月02日 13時25分21秒 | 宗教

1961年公開された大映映画の大作「釈迦」がユーチューブで3週間ほど無料で限定公開されていることを知り、早速見た。大分前にユーチューブに一部アップされていたが、その後、削除されていたので、久しぶりの視聴であった。今から64年も前の映画だが、仏教やお釈迦さま生涯のことがよくわかる大作で往年のスターが目白押しである。釈迦を演じる本郷功次郎、釈迦の従兄で悪役ダイバダッタに勝新太郎はじめ、市川雷蔵、東野英治郎、女優では、山本富士子、京マチ子、中村玉緒、山田五十鈴、杉村春子他、蒼蒼たる豪華キャストで、それも皆若いので、引き込まれる。当時としては、考えられない特撮やCGもあり、見応えがある。

なにせ、お釈迦の誕生は今から2600年以上前のことなので、その生涯については諸説あると思うが、真偽は別として、今の世の中にも厳然とある仏教のことを考えると感慨深いものがある。映画では、お城で誕生したように描かれているが、自分の理解や文献では、マーヤー夫人(母親)が出産で実家に帰る途中、ルンビニという花園の町で産気づいて、シッダルタ(釈迦)を生んだと思われる。生誕の地、ルンビニに旅行したことがあるので、実感としてそう理解している。

映画では、釈迦が誕生した際に唱えた「天上天下唯我独尊」という言葉や太子だった頃に、王城の東西南北の四つの門から出遊し、老、病、死といった人生の苦しみを目の当たりにして出家を決意したという「四門出遊)の様子や『観無量寿経』に説かれている仏教史上最大の悲劇と言われる有名な「王舎城の悲劇」という物語も盛り込まれているので、いっそう親しみを覚える。この映画は、年末年始3週間の限定公開で1月17日までというからお見逃しなく。




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日蓮宗のお会式を見物

2024年10月16日 23時01分22秒 | 宗教

日蓮宗のお会式(おえしき)とは、日蓮聖人の命日である10月13日を中心に営まれる法要で、日蓮聖人の教えを受け継ぐ誓いを込め、報恩感謝のお題目を捧げる行事である。本来は法会の儀式の略で会式という言葉の通り、特定の宗派の行事を指す言葉ではないが、一般的には日蓮宗の行事を指す。お会式は、日蓮聖人が1289年10月13日に大田区池上で亡くなったことに由来しているという。池上の小山の桜が花咲いたという奇瑞から、信者たちが万灯に桜の花を飾って池上に集い、お堂にこもって読経唱題をし、夜通しお徳を称える説教を聞くという起源が伝えられている。日蓮宗のお会式は、全国各地の日蓮宗寺院で行われているが、日蓮聖人の霊跡である池上本門寺のお会式が最も盛大に行われているようである。江戸時代には江戸を代表する盛大な行事となり、俳句でも「お会式」は秋の季語として定着しているという。

我が家から1分のところにある天妙国寺でも、10月16日に恒例となっているお会式の行事が行われた。本堂や境内にお飾りが施され、提灯が煌々と輝く。それぞれの講中が万灯(まんどう、木のわくに紙をはり、下に長い柄(え)をつけてささげ持つ、あんどん。)や提灯を掲げ、纏(まとい)を振り、団扇(うちわ)太鼓や鉦鼓(しょうこ)を叩き、題目を唱えながら旧東海道を練り歩き、天妙国寺の境内に入っていく。お祭りなので、境内に入る通路には屋台のお店が何軒か出ていた。今回は、近くの7つの講中の行列があったようである。毎年ことだが、夜9時頃まで、太鼓や笛の音や威勢のいい掛け声が界隈に鳴り響いていた。天妙国寺は日蓮宗の一つである顕本法華経のお寺であるが、歴史は古く1285年に日蓮の直弟子の天目上人が創建したもので、往時には五重塔も建っていたほど大きなお寺であった。我が家は日蓮宗ではないが、家の目の前にあるこのお寺の永代供養納骨堂を購入しており、これからお世話になるので、大事にしているお寺でもある。本家本元の池上本門寺のお会式も一度行って見たい気もす。


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こんにゃく閻魔さんにお参りしてきました

2024年09月05日 12時23分40秒 | 宗教

8月17日のテレビ朝日「博士ちゃん」で紹介された「こんにゃく閻魔」のある小石川の源覚寺に9月5日にお参りに行ってきました。お寺は都営地下鉄の春日駅から徒歩3分のところにある。番組の紹介で興味を持ったのと自分自身、今右目が歪むトラブルに見舞われているので、ご利益を賜りたく、コンニャクを持ってお参りしたものである。お堂には参拝者が持ってきたこんにゃくが山積みにされていた。目の病を治してほしいという絵馬もいっぱい掲げられていた。“地獄の番人なのに優しすぎるご利益閻魔像”として紹介されたので、すがる思いである。お寺の人の話では、テレビ放送後、多数の参拝者が訪れているという。

この源覚寺は、1624年創建で今年で400年を迎えたの浄土宗のお寺で、こんにゃく閻魔の話は、宝暦(1751〜64年)の頃、老婆の眼病を閻魔大王が自身の右目を与えて治し、老婆は感謝して好物の「こんにゃく」を断ち、供え続けたとされる逸話から来ている。以来、「こんにゃくえんま」と呼ばれ信仰を集めているが、皆こんにゃくのお供えを持参するようである。こんな日本昔話に出てくるようなお寺が現存していることに驚くばかりであるが、代々言い伝えられているのであろう。まんが昔ばなしでも紹介されている。

源覚寺は、創建以来、「明暦の大火(1657年)」、「お薬園火事(1762年)」、「戸崎町火事(1774年)」、さらに「富坂火事(1884年)」と、4度もの大火に見舞われたが、幸いにも、ご本尊も閻魔さまもその都度、難を逃れることができ、あの太平洋戦争の東京大空襲でも本堂への延焼は免れたとのことである。境内には、お地蔵さまの体に塩をつけてお祈りすると、同じ部分の病気が治るという塩にまみれた「塩地蔵尊」も安置されている。
また、この「こんにゃく閻魔」は、文学作品の中、夏目漱石の「こころ」、樋口一葉の「にごりえ」にも登場しているという。「十一月の寒い雨の降る日の事でした。私は外套を濡らして例の通り蒟蒻閻魔を抜けて細い坂道を上って宅へ帰りました。〜」(「こころ」より)


源覚寺のホームページ:https://www.genkakuji.or.jp/intro.html

まんが昔ばなし(6分15秒): https://www.youtube.com/watch?v=KNeUoe-AWuM

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「博士ちゃん」の地獄講義を受ける

2024年08月18日 08時47分40秒 | 宗教

8月17日のテレビ朝日の「サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん」は、地獄をこよなく愛する10歳の地獄博士ちゃんが、地獄や閻魔について爆笑授業を展開してくれた。閻魔とは、人間の生前の行為、罪の軽重を審判する地獄の大王である。仏教の世界では、罪をおかした人が死後にたどり着く場所=地獄についてさまざまな教えがあるが、博士ちゃんはそんな地獄に興味を抱き、日々文献などをもとに研究しているという。今回は、“実は面白い地獄の世界!地獄完全ガイド”というテーマで、もし地獄に落ちたらどうなるのかレクチャーしてくれた。

“実は三途の川の幅は500kmもある”など地獄までの過酷な道のりについて解説していく。そして、初めて知ったが、地獄には、「八大地獄」といって、下記の通り、大きく分けて8つの地獄があるとし、“地獄の8階構造”を楽しく紹介してくれた。

1 等活地獄 殺生罪
2 黒縄地獄 殺生罪と偸盗罪(泥棒)
3 衆合地獄 殺生・偸盗・邪淫の罪(不倫 姦通)
4 叫喚地獄 殺生・偸盗・邪淫・飲酒の罪
5 大叫喚地獄 殺生・偸盗・邪淫・飲酒・妄語の罪(嘘をつく)
6 焦熱地獄 殺生・偸盗・邪淫・飲酒・妄語・邪見の罪(仏教の教えを無視)
7 大焦熱地獄 殺生・偸盗・邪淫・飲酒・妄語・邪見・比丘尼を誘惑
8 阿鼻地獄 五逆(親殺し) 謗法(仏法を謗る)

地獄絵図も紹介されていたが、どれも恐ろしい地獄で苦しめられている姿が描かれていてゾッとする思いである。地獄に落ちないように現世での行動の戒めとすべきことが説かれているのであろう。

また、後半では、博士ちゃんの“開運東京地獄スポット巡り”に密着し、 “閻魔さま”がまつられている3つの開運寺を巡る様子が紹介された。 “日本最大級のご利益巨大閻魔像”から、“地獄の番人なのに優しすぎるご利益閻魔像”、はたまた“ハイテクカラフル閻魔像”まで、個性あふれる閻魔像が紹介された。巨大閻魔像のある新宿の「太宗寺」には、江戸六地蔵の一つがあるので、行ったことがあるが、こんにゃく閻魔として言い伝えられているご利益閻魔像のある「源覚寺」及びハイテクカラフル閻魔として有名な「深川ゑんま堂」には行ったことがないので、是非お参りに行きたいと思う。大人顔負けの知識や才能を持つ子供たちが“博士ちゃん(先生役)としてオモシロ授業を行うこの番組はいつも為になる内容で、博士ちゃんの才能にいつも驚嘆する。

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年下の有名人が次々に旅立つ~「老少不定」無常の世界

2024年01月13日 05時36分58秒 | 宗教

 

年始になって、歌手の八代亜紀さん(73才)の突然の訃報に驚いた。紅白に出ていないなと思っていたが、その時はもう旅立っていたというから、ビックリした。最近は、自分より若い人が先に旅立っていくところを目の当たりにすることが多いので、ショックである。歌手では、八代さんの他に2023年だけで、西郷輝彦さん(75才)、坂本龍一さん(71才)、谷村新司さん(74才)、もんたよしのりさん(72才)、KANさん(61才)、大橋純子さん(73才)、ザ・リリーズ妹(62才)等々、知っている人ばかりである。

訃報に接するたびに、自分ももうそういう年になってしまったとひしと感じる。15世紀室町時代に、浄土真宗の布教に努めた蓮如上人の教えで、「老少不定(ろうしょうふじょう)」という言葉があるが、死を迎える時は年令順ではないということ、即ち、人間の寿命はわからないもので、老人が先に死に、若者が後から死ぬとは限らないということを意味する。まさにそんな思いである。お正月から能登半島大地震、羽田空港衝突事故と続き、多くの命が奪われているが、まさに「老少不定」で、年令に関係なく、死が訪れるという無常観に襲われる。今では、100才以上の人が全国で9万人以上もいる一方、大地震では、多くの子供や若者の命も奪われていると思われるから心が痛む。

 

「老少不定」の教えについて: https://www.youtube.com/watch?v=zMCSbtlk7S0

 

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ブッダの教えを例え話で説く「人生の目的」を読んでみた

2023年12月20日 15時52分02秒 | 宗教

 

親鸞聖人の教えを説く親鸞会関連の1万年堂出版が今年発刊した最新の書籍である「人生の目的」を図書館で予約していたが、やっと順番が回ってきて、読むことができた。親鸞会の教祖である高森顕徹氏のご子息である高森光晴氏と大見滋紀氏の共著で、先の「歎異抄ってなんだろう」の続編ともいえる。トルストイが衝撃を受けたブッダの寓話から始まる。本の随所に描かれている茂木ヒデキチという墨絵アーティストの絵がやたら目を引く。特に、本の表紙にも描かれている追いかけてくる獰猛なトラはあまりに強烈であり、本を読んでいくと、このトラは、無常(死)のことであり、追いかけてくるとは突然襲ってくることを表しているというからゾッとする。蓮如上人の「白骨の御文章」そのもので、「朝には紅顔ありて、夕べには白骨となれる身なり」の世界である。ブッダの例え話ということであるが、本の前半は、「広野に散らばる白骨に驚く旅人」とか「死は突然背後から襲ってくる」とか「いつまでも他人の葬式ばかりではない」とか恐ろしい話ばかりで読みたくなくなるほどである。

トラに出くわした旅人は、断崖上の松の木に登ろうとしたが、トラは木登りが得意なことに気づき断念した。「松の木」に例えられたのは、日頃頼りにしている家族や財産、お金や健康、能力や社会的地位などという。どれも生きていくには大事で必要なものであるが、どんなに恵まれていても、トラ(死)から逃れることはできないのである。また、松の木の太い下枝から絶壁に垂れ下がっている藤ヅルを発見し、それにすがってスルスルと滑り下りたが、ブッダは、短い我々の寿命をその藤ヅルに例えている。いつ切れるかわからないが、必ず切れる時が来るという。藤ヅルのお蔭で助かったと思いきや、ぶら下がっている足下には、怒涛逆巻く深海が広がり、そこに青と赤と黒の三匹の毒竜が口を開けて旅人が落ちてくるのを待ち構えているのを見た。旅人が頭上を見ると白と黒のネズミが藤ヅルを交互にかじっていることに気づいたが、ネズミを追い払おうとしてツルを揺さぶったところ、ボタボタと美味しいハチミツが落ちてきた。旅人は、迫り来る危機を忘れ、落ちて来るより多くのハチミツを舐めて愉しむことに心を奪われる。

白と黒のネズミとは、白のネズミは昼、黒のネズミは夜を例えており、昼と夜が交互に命を縮めているという。三匹の毒竜とは、我々の心の中にある毒を持つ三つの煩悩を例えているという。三毒の煩悩とは、「欲」「怒り」「愚痴」である。色でいうと、「欲」が青い毒竜、「怒」が、赤い毒竜、「愚痴」が黒の毒竜である。「限りなき欲に振り回されて苦しんでいる」「欲望が妨げられると怒りの炎が燃え上がる」「人をねたんだり、うらんだりする醜い心」である。落ちてきた五滴のハチミツは、食欲、財欲、色欲、名誉欲、睡眠欲であり、魔力があるという。また、ブッダが一貫して説かれた根幹の教えは、「因果の道理」で、「善因善果」「悪因悪果」「自因自果」の道理であり、「自分のやった善行は自分に善果を生みだし、自分のやった悪行は自身に悪果を生みだす」のである。

最終章では、絶望の闇を破る光ありということで、細い藤ヅルにぶら下がりながら、ハチミツに心を奪われている旅人を救うには、どうしたらいいかの対処法についてブッダは、「一向専念 無量寿仏」が最も肝心であると説かれている。「無量寿仏」とは、「阿弥陀仏」のことで、それを一途に念じなさいという教えである。ブッダと阿弥陀仏は、全く別の仏で、阿弥陀仏は、宇宙に存在する唯一の仏だが、地球上で唯一人仏のさとりを開かれたのがブッダであり、阿弥陀仏はブッダの師匠あるともいえる。阿弥陀仏は、「どんな人でも、生存中に、後生の一大事を解決し、絶対の幸福に救い、必ず極楽浄土へ往ける身にさせる」と誓っている。その誓約を果たせる力がある「南無阿弥陀仏」の六字の名号を創ったという。この本を読んでも、よくわからないが、ひとまず、「南無阿弥陀仏」と念じてみよう。

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秋の千躰荒神祭が開かれる

2023年11月28日 13時17分08秒 | 宗教

 

我が家から徒歩3分のところにある海雲寺は、鎌倉中期の1251年に海晏寺(臨済宗)の一塔頭として開かれ、1596年に曹洞宗に改められ独立。「江戸六地蔵」や「洋行帰りの梵鐘」で有名な品川寺の隣に位置する。荒神堂に祀られている千躰荒神は江戸時代よりかまどの神様、台所の守護神として多くの人々から信仰されている。江戸時代には火事が多かったが、不思議とこの海雲寺あたりで火の手がブロックされていたと伝えられる。荒神さまは、火と水を守る“台所”の神。台所に祀ると、一切の災難を除き、衣食住に困らないとされる。

毎年3月と11月の27、28日(曜日に関係なく)に行われる江戸時代から続く千躰荒神祭では、千躰荒神王が御開帳となり、荒神堂の中で一日中護摩が炊かれ、お札が授与される。普段は、荒神堂の入口部分しか入れないが、お祭りの時は、中まで入れるので、千躰荒神様にお参りすることができる。この日は、お寺周辺の旧東海道沿いに露店が軒を連ねる。今年は数が少ない印象だったが、お好み焼き、タコ焼き、焼き栗、唐辛子、ナッツ等いろいろな露天が出ていた。お釜の形をした「釜おこし」が名物である。品川宿では、このようなお祭りやイベントが頻繁に行われ、その都度いろいろな露店が軒を連ねるので、江戸情緒あふれる街並みとなる。いろいろなお店を見ていると不思議と心が落ち着く。こんな江戸風情が残る品川宿界隈が好きだ。

 

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先祖代々の永代供養納骨堂への納骨

2023年11月19日 21時33分36秒 | 宗教

 

先に富山県の砺波にある先祖代々のお墓の墓じまいを行ったが、19日に我が家から1分のところにある天妙国寺の永代供養納骨堂に代々の骨を整理し、納骨した。親族関係の7人が立ち合い、お寺の住職による納骨のお経をあげてもらった。このお寺の宗派は、顕本法華宗で、日蓮宗に属するので、お経は、「南無妙法蓮華経」である。実家の宗派は、浄土真宗なので、「南無阿弥陀仏」であるが、納骨堂は宗派を問わないということから、我が家の目の前にある寺院の納骨堂を選んだものである。今からお墓の購入は無意味なので、納骨堂が正解と思い、田舎の墓じまいにあたって、自分達の納骨堂と同じところを選んだものである。この寺院は、1285年創建で、徳川家ゆかりの大きな寺院で、往時は、五重塔もあったが、1702年に焼失し、今は塔の礎石だけが残り、境内に展示されている。歌舞伎で有名な斬られ与三郎とお富のお墓や浪曲界の巨匠、桃中軒雲右衛門のお墓もある。お墓参りに遠くまで出かけるような時代ではないので、家から1分のところにお参りのできる納骨堂があることは、大変便利であり、自分達のお墓もそこを選んだのは、それが一番大きなポイントであった。それに歴史ある寺院であることも魅力的であったので、あまり迷わず永代の住処としたものである。

 

   往時のお寺の風景(五重塔が描かれている)

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