明けましておめでとうございます。
昨年6月のブログから半年過ぎてしまいました。2019年前半は設計に追われ、後半は棟上現場が2か月で4件あり、2020年もしばらくは工事監理で走り廻ることになります。
阿蘇の現場
熊本県食肉衛生検査所
不知火の現場
沖新町の現場
昨年木造建物着工が5件続き、風設計室の仕様に慣れてないところが3社あったため、工事監理と言うより、組み方や金物、屋根廻りの納まり指導で、毎日のように屋根に登り職人さんに指導と言いながら一緒に作業をしていました。
木造の木組の面白さは木材の太さと力の流れを考える事にあります。菊池の現場は規模が大きく、広い空間が必要な部屋があるため4寸角の柱4本組にし、梁材を挟み込む組み方にしています。これは一本の柱を太くしても交差する梁材の仕口で断面欠損が大きくなるからです。それを避ける為4本組にすることで梁の組み方が自由になります。組む部分はボルトでは無く堅木の込栓(30mm角)を使います。2方向からの込栓が入ることで非常に強固な仕口が出来上がります。
4本柱部分
沖新町の住宅は鉄筋コンクリート壁と木造の組合せです。敷地が海岸から500M程の干拓地で風が強く、3年前の熊本地震への対策も考慮しました。鉄筋コンクリートの壁を平面的にT字型に入れ、反対側の角には薪ストーブの耐火壁としてコの字型RC壁を組み込みました。(コンクリート壁と木造の組合せは家具ショップ「Y’sDAY」を見ての気に入っての依頼も理由の一つです)RCと木造の混構造的要素はありますが、木構造で成立する設計になっています。
冲新町の住宅 左RC壁と木組
これから4軒とも3月完成に向け工事が佳境に入って行きます。現場は後戻りが出来ないので、監理は先手先手で指示を出します。各現場が今何をやっていて、次の作業は何かを予想し、設計内容で間違いそうな部分は何処か考えます。
阿蘇の住宅
菊池市七城町 熊本県食肉衛生検査所(プロポーザルコンペ選定)
右側が工事中の不知火の福祉施設、中央は8年前建替えた喫茶店
沖新町の住宅
それぞれ思い入れがある建物なので完成が待ち遠しく、楽しみです。基本設計から実施設計、工事監理と作業は一つ一つ煩雑な部分はありますが、建て主の喜ぶ顔と建物の完成を見ることが、一番の喜びで、設計者冥利に尽きる瞬間です。
これから完成をブログで紹介出来る様に頑張ります。
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