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風 雑記

建築とその周辺で感じたこと、思ったこと

「水前寺の家」 オープンハウス

2010-02-22 19:22:35 | インポート

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2月20日、21日の土日、「水前寺の家」(風設計室から徒歩5分)の初めてのオープンハウスを行いました。風設計室からは口コミでしか連絡していなかったのですが、日曜日は熊本県主催の住宅見学会(県産材杉柱90本と畳表のプレゼントを頂いた関係もあり)との共催になり、2日合せて80名ほどの見学者でした。

県庁通りから二筋入った比較的静かな住宅地で、敷地南には3階建ての事務所ビルが近接していて少し圧迫感があります。1階は仕事にも使えるようにとの要望だったので、2階に生活の場を集中させました。ご家族は祖母とご夫婦と子供の5人家族、片流れ屋根の組合せでシンプルなT字型の平面です。コストを抑える工夫をしながら、構造や断熱、ペアガラス、設備の将来対応など必要な機能はしっかり確保しました。中央のLDKはハイサイドライトからの採光や広めのバルコニー、大きな木製建具でとても明るく気持ちの良い空間が出来上がりました。多くの見学者が低めに抑えた1階天井高に懐かしさを感じると言われ、2階のLDK(24帖)に入ると、天井が高く明るい空間に「わっ~気持ち良い」と歓声を上げられ、ちょっと嬉しい反応でした。南のバルコニーに接する残した梅の木も白い花を満開にして歓迎してくれました。

土曜日は近所の人や近くの以前設計した建て主、二週間前にインターネットを見て連絡して来られた人、わざわざ福岡から見に来られた方などでした。

熊本県は情報誌「くまにち すぱいす」に大きな広告を出し、予約不要になっていたので住宅会社の人も大勢で見に来られていたのには少し驚きでした。見学者の中にはすでに新築の準備が進んでいる人やまだ先だけど勉強の為に来られている方など様々です。普段大勢の人に一日中説明するのも初めてなので、何時もと違う疲れを感じましたが、晴天にも恵まれ丸二日引渡し前の住まいで過ごせ、自分で言うのも変なのですが改めて「水前寺の家」が好きになりました。


銀世界

2010-01-13 20:58:58 | インポート

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昨日は夜の9時頃まで阿蘇に居たのですが、積雪も無く予報もあてにならないなと思っていたところ、今朝一面の銀世界になっていたのは驚きでした。新聞によると熊本市の7cmの積雪は62年ぶりの記録とのこと。(生まれて初めて経験する積雪とは意外、もっと積もった記憶は小さい頃の誇大イメージ?)

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昼からは八代の現場定例会議で高速で行くつもりでしたが、調べると九州自動車道は全面通行止めとの情報、それなら本州は如何なんだろうと調べるとチェーン規制はあるけど、全線通行止めは何処もありません。九州の雪対策の弱さを再認識しながら仕方なく一般道で行きました。

八代のクリニックの現場は昨年末に躯体コンクリート工事を終えたので、養生期間を経てこれから仕上げ工事に入って行きます。これから現場も急ピッチで仕上がって来ますので気が抜けないところです。


師走の青山・目白

2009-12-15 19:56:07 | インポート

「多摩の家」のOMソーラーの状況と今回工夫したサーキュレーションファンの設定を確認するため12、13日東京へ行ってきました。「ソーラーのお陰で暖房はほとんど使わず快適に過ごしている」と、10月から記録された毎日の温度記録を見せて頂き、詳しい記録にちょっと感動でした。

01_2 03_2 04 次の日、改築オープンした根津美術館へ、工事途中も外から眺めてて、NHKの日曜美術館や建築雑誌でも紹介されていたので、建物についてはほぼ想像通りでした。それにしても六本木・青山周辺の美術館密度が高くなってきています。根津美術館の茶器や掛け軸、特に青銅器のコレクションは見ごたえがありました。

Photo_2 02_2  付属する庭園は数奇屋式の茶室が4棟もあり、せせらぎがあり、池には屋形船が浮かび、鬱蒼とした雰囲気でここが青山の一等地であることを忘れさせます。今人気の美術館(隈研吾氏設計)ですが、玄関周りの鉄骨(メッキ処理)のボルト処理は隈氏らしいのかも知れませんが、なんとなくデイテールへの違和感があり素直に好きになれませんでした。

その後、目白の吉村順三記念ギャラリーの「ソーラーハウス」展へ、所員だった方(60代かな)からNCRビルの設計図を見ながら、当時の吉村さんや奥村さんの設計の取組み方など興味深い話が聞けました。

前日友人と飲んだお酒が少し残ってちょっと気分がスッキリしなかったのは残念でしたが...


水前寺の家 棟上

2009-11-16 11:41:45 | インポート

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12、13日は水前寺の家の棟上でした。事務所から自転車で3分と近い現場なので途中経過もこまめに見に行くことが出来ます。建て主は30代の若いご夫婦と子供2人と祖母の5人家族です。1階は仕事場、2階を住まいとしています。必要な広さを確保しながらローコストにする為、シンプルなT字型の総2階にしました。中心となるLDKは片流れの伸びやかな空間とし、広めのバルコニーを設け、以前から在った梅の木を残しました。

若い建て主だとデザインも若くなるような気がします。希望もあって外壁はガルバニュウム鋼板素地の波板(大波)を横張りにすることになりました。小波張り(縦)は20年前にアーチストのアトリエに初めて使い、時々使う外壁材ですが大波の横張りは初めてです。防水収まりが難しいので私から薦めませんが、要望もあり下地での防水対策を徹底して採用しました。出来あがりを楽しみにしています。

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風設計室のいつもの仕様になってきましたが、屋根部は断熱材を野地板の外側に張り、通気層を設けて断熱性能を高めながら、屋根形状そのまままに内部空間の有効利用をします。通し柱の雇い柄(欅-写真:小根差仕口より強度が高い-すまい塾の古川さんより)も定番になりました。少し手間は増えますが構造耐力や断熱性能にプラスになる工夫は常に検証しながら取入れます。そう言う意味では風設計室のオリジナル仕様が増え続けて、最近の長期優良住宅仕様 に負けない住まいづくりになっています。


生涯音楽のつどい

2009-10-26 18:35:10 | インポート

01_2 02   毎年10月、関東方面からの演奏者のグループ(リーダーは作曲編曲の専門家)と地元の演奏者が集い、YMCA阿蘇キャンプでの合奏や地元の小学校や保育園での演奏会を行う「生涯音楽のつどい」があります。今年で9回目を迎え今回はYMCA赤水保育園で演奏会を行う予定と聞き前日の25日(日)夕方から1泊で出掛けました。

24日からプログラムは始まっていて、25日夜は阿蘇キャンプで合奏や自由演奏会が遅くまであり、楽器の苦手な(音楽は好きなのでギターには挑戦したことはあるのですがどうも才能が無い)私は暖炉の火とお酒と音楽を楽しむ贅沢な時間を過ごしました。楽器はピアノ、バイオリン、ビオラ、チェロ、フルート、リコーダー、マンドリン、トランペット、オカリナ、打楽器などと多彩で、年配の人も多いですが、ジャズバンドの第一人者や熊本でファッゴット、リコーダーの名手の方がおられ、ジャズやクラッシック、童謡と音楽も多彩でした。

03_2 今回初めて見た楽器がファゴット(写真:別名バスーン)です。オーボエの兄弟のような楽器ですが、二本の木管(楓)が途中から合体し一本になっています。重さもあり演奏は難しそうでした。                            ファゴット(Fagott)の音色は女性の低い声や男性のテノールに近く、ソロから伴奏まで巾広く受け持つ事ができ、ベートンベンは「天からの声」と表現したそうです。

ソプラノの声楽家(アンジェラ・アキ似の女性)の方はお話をすると、知合いの設計事務所の奥さんとのことで意外な出会いでした、つい設計事務所の難しさや厳しさなど現実的な話も。

初対面の人も多いようなのですが、楽器合奏で人の関係がどんどん広がっていく感じがしました。設計は人との関係を建築で作り出そうと考えているのですが、10年、20年先を見ながら考える建築と音楽が持つ今この一瞬が持つ人とのつながりはまったく違うものだと再認識させられました。(当たり前なのですが....深く考えさせられます)