AKILA's えgo

気まぐれに、ドラムや音楽の気になった事上げとります。

2番じゃダメなんデスか?

2023-10-09 01:47:42 | 音楽・ライヴ

前から聴いてみたいと思っていて、漸く入手。

DIETHの『TO HELL AND BACK』。

元ENTOMBED A.D.のギリェルメ・ミランダ、元DECAPITATEDのミハル・リセイコ、そして元MEGADETHのデイヴィッド・エレフソンからなる、デス/スラッシュメタル要素を軸としたバンド。

最初、youtubeでふと上がってきたんで視聴してみたら、デスラッシュ的なサウンドの中でキャッチーに聴かせる展開をしっかり持ち合わせた曲だったのと、トリオ編成であるという事から興味を持ち、数曲MVをチェックして良いバンドだと思った。

実際、バンドで聴こえてくるギターの音とかはデス系とかでよくあるタイプの音で、音を一聴しただけでこのバンドだと断定できるほどの個性は無いと感じるんだが、メンバーでの曲としての練り上げ方は同系で括られるバンドと比べるとケッコー異質に感じる。

ヘヴィなサウンドを利用した、重たさやいなたさで押せ押せ一辺倒にならず、一曲の中でしっかり要となる展開を設けており、そこに至るまでの流れも嫌味にならない抑揚を持たせて変調していく。
このメンバーなので演奏力は当然確かではあるが、複雑の為の複雑さはなく、聴いていても意外とスッキリした、空間を感じさせる点も大きい。

この面子だと、どうしてもエレフソンの存在が目立つ様になってしまうが、作曲の中心人物はあくまでもギリェルメであるという事から、彼がこのバンドで曲に於けるアイディアの出し方のセンスが光っている、と捉える事が出来る。

というか、オレはそもそも、このDIETHのメンバーにエレフソンが居ると思わなかった。
MV見てても、「エレフソンに似たベーシストだな」と思ってたくらいだからな(笑)。
まァそのくらい、彼が携わる音楽としては意外だったという意味だ。

正直、エレフソン自らが立ち上げたバンドに関しては、「何でこんなパッとしない事をやるのかね?」と思えてしまうものばかりだった。
んで、DIETHに関しては、MEGADETHに携わっていたとは言え、エレフソンが望んで参加するような音楽にはどうにも思えなかったんだよな。

ただ、このバンドに関しては、現状エレフソンが関わった、MEGADETH以外のバンドではベストにあたる。
誤解を恐れずに言えば、エレフソンが中心にならなかったからこそ、DIETHは上手くいったと思える。

SIGHの川嶋氏のライナーによれば、そもそもギリェルメがエレフソンに曲を聴かせて「一緒にやってみないか」と声をかけたのがきっかけのようで、エレフソンも半信半疑で始めていったら思っている以上に興味深いものになり、結果的にバンドとして進めていく事になったらしいね。

ミハルがどういった経緯で加わる事になったのかは表明されていないが、ギリェルメが元居たバンド同士で活動していた時に知り合ったものじゃないかと思う。
ヴィテックや、ジェイムズ・スチュアートと比べると見劣りしてしまうのは仕方ないが、それでも一定期のDECAPITATEDを支えてきたドラマーであるので、実力は確かなものであるし、過去DECAPITATEDのライヴで叩いてる姿を観ていた分にしても、ミハルはDIETHくらいにストレートな音楽の方が、自身の演奏が生きていると感じる。

因みに、DEIETHというバンド名はエレフソンの発案のようで、結局「デス」という呼称に属するものからは逃れられないというか、執着めいた感が漂う(苦笑)。

しかもエレフソン、「このバンドメンバーは、元々居たバンドではナンバー2の立場に甘んじていたというフラストレーションも共通している」と発言しているみたいなんだが、その言い分は間違えも甚だしいだろと思ってしまう。

ギリェルメがENTOMBED A.D.でそう思ってたのか疑わしいが、少なくとも、MEGADETHはデイヴ・ムステインあってこそっていうのは、最早覆しようのない事実であり、そこにエレフソンが不在でも問題は無い事も、キャリアの中で立証されてしまっている。
過去のインタヴューでも、「自分はこのバンドではナンバー2の立場で良いんだ」と言っていた記憶があるんだが、結局は恨みつらみかい、と思えてしまう(苦笑)。
あと、ミハルに至っては、ナンバー2とかそんな問題じゃない、っていうのも言っておこう。あのバンドはヴォッグが居なけりゃどうしようもないし、当時メンバー瓦解後にこれまでずっと足並み揃えてきているのは、フロントマンであるラスタなのだから、この2人こそが今のDECAPITATEDの顔であるのはファンからしたら疑う余地は無かろう。

まァ、そんなメンバーが集まって元居たバンドを超えるものを創れるのかというのは、現実的に無理だとしか言えないが、現時点では創作意欲に溢れた楽曲を提供する期待のバンドだと個人的に思える。
現在はライヴも精力的に行っているので、実力者揃いの演奏はそこから更に次への期待感は高まる筈だ。

単発で終わるのは勿体ない。
いつかエレフソンが再びMEGADETHにお呼びがかかる時までは、続けていってもらいたいバンドだね。



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