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僕の消灯時間まで

ブログの引越しをしました。
愛する方々へ、遺書のように。

等しく

2019-07-02 06:31:22 | 日記
ここ数日。
ダンは現場に来ていました。
「たてちゃんや。」
「あい。」
「ダン、気になるなら現場に連れて来ていいよ。何かあれば俺が怒られればいいし。そもそも、怒る立場の人ってチーちゃんだろうけど、チーちゃん分かってくれるし。」
「うん。ありがとう。」
現場の床で、ダンは大人しく寝んねしています。


たてちゃんが心配そうに時折覗き込む。


「大丈夫だ。息してる(笑)」
「よし。じゃあ、サッサと仕事しろ。」
「あい。」


代わる代わる様子を見ながら、扇風機を回したり布団をかけたり。
「また明日ね、ダン。」
そんな風に言えることを大事にしようと思った。

金曜日に、
「ダン、また月曜ね。」
と言って別れ、7月を迎えた月曜日!
「約束通り、またお邪魔しちゃいま〜す!」


打合せも多く、出たり入ったりして、やっと作業をしてた頃、チーちゃんから電話が来ました。
「なんか鳴いてるって。」
そこからの館山は速かった。
(なんだよ、そんなに速く動けんのかよ。)
と思ったが言わなかった。
言うべき時じゃないことぐらい知ってたから。

(もう今日は仕事は諦めよう。)
大好きなたてちゃんに抱っこされて、足を動かしたり、尻尾を動かしたり。
それでも、少し体温は低くて息遣いもなんか変。
「長期戦でもドンと来いだ。そばにいよう。それより大事なことって、あんまりないから。」
そんなことを言って、僕は寝た(笑)
人の家で、勝手にスヤスヤと。
これはチーちゃんが撮ったわけだ。


「マジかコイツ。寝てる〜。」
ダンにも見られてた〜。


なんだ、たてちゃんも寝てたんじゃないか。


その後。
ちょっと嫌な予感がして起きた。

「あ、起きた。」
「うん。」
「すげぇスースーと静かに寝るね〜。」
「団長だからね。ダン?大丈夫か?」
「団長だからね???」

その直後、みんなが見守る中で大きく息を3回吸って、尻尾を一振りしてからダンは死んだ。

生きるとは、どういうことなのか。
答えはないんだろうし、誰も教えてはくれない。
うまく言葉に出来たとしても、なにか足りてないし、どこか言い過ぎたりする。

結局のところ、言葉だけでは言い尽くせないことの方が多いのだ。

若い頃よりも涙もろくなり、嫌いな人が減り、人に対してもほかの生き物に対しても優しくなっている自分がいます。
なにがあんなに気に入らなかったのか。
今ではもう分からない。
分かっていることは、若い頃よりも機嫌のいい日が増えたということ。
誰かが喜んでくれればいいと思えるようになって、その為に頑張り、その人の笑顔を見た時に「愛する」とか「認め合う」ということの大切さがわかることがある。

たてちゃんがポロポロと泣いていた。
「ダン、がんばったね」
と、
「みんながいてくれてよかった」
とだけ言った。

僕は言葉が見つからなかったけれど、そんな時はそばにいるだけでいいと知っていた。

なにかこう、人は特別なことをしようとする。
でも僕は今の年齢になって、それは少し違うのかなと思っています。

目の前のことに向かい、上達するように努力を続ける。
これは特別なことではない。

目の前の人が喜んでくれて、その人の役に立つことだけを考える。
これも特別なことではない。

目の前の出来事に、繕うような言葉を発さず沈黙する。
これも特別なことではない。

高いセミナーとか様々な本とか、そんな特別なことをするのではなくて暮らしの中にある機会と対峙していけばいいだけなのだと思う。
その時ばかりの「特別」さは差別や偏見の第一歩。
いついかなる時も、同じく過ごす。
いついかなる時も、等しく扱う。

「なにかの日」だけを特別視するのではなく、
毎日を大切に過ごすべきだったんですよ、ということを忘れちゃいけない。

みんながいる日を選んで、最期は大好きなママに抱っこされて。
最高だったね、ダン。
寂しくないかなぁと心配するのも必要ないよ。
エールがいるし、僕らもいる。
ダン、バイバイ。

そうだ。
昨日の夕刊から「青空応援団」の連載が始まっています。
5日間続きます。
関東圏の読売新聞の夕刊だそうです。
今日は2日目。
1日目の記事はこちらです。

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