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僕の消灯時間まで

ブログの引越しをしました。
愛する方々へ、遺書のように。

ラブコール

2022-08-11 02:15:00 | 日記

仕事をしてる。

すごくしてる。


その日の夕方、マンションリフォームの現調をしてました。

夢のような、お店みたいなキッチンリビングに大改造してあげたいんだ。

頑張ろうと思える人たちだった。


その帰りに友人の娘から電話がありました。

店長経由で。

「あ、団長?」

「おっすー、おつかれー。友達来ちゃった?」

「はい。いらしてます。」

「そうか。シンヤ達ね。すぐ戻るね。」

「シンヤさん?違います。小さなお友達です。かわりますね?はい、どうぞ。」


「もしもし?あの、ももかです。たいらさん?いまどこ?」

なんだか泣き出しそうな声です。

「ももかちゃん!今ね、平さんはお仕事終わったところだよ?どうしたの?」

「あのね?はなびをかってきたの。いっしょにしよう?」

「花火?分かった!オッケー!ものすごく急いで帰るね?待ってられる?30いや20分で行くからね?約束してたんだっけ?」

「やくそくしてないよ?でもわかったよ。まってるね〜。てんちょうさんにかわります。」


「ラブコールでしたね。」

「でした。」

「ちょー可愛かったですね。」

「ちょーー可愛いんですけど。」

「大丈夫そうです?」

「大丈夫。任せておけ。約束してたんだっけ?ってバカなことを聞いちゃった。」

本当にバカなことを聞いちゃったな。


断れる人に会ってみたい。

あんな誘いを断れる人に会ってみたい。


いないと思う。

そんな人、いないと思う。


「おまたせ!ごめんね!」

「ううん。いいの、だいじょうぶ。」

「花火しよう?」

「はい!」


店には、地元の友人と大好きな後輩が来てくれていました。

わざわざ桃を届けに。


彼らにちょっと待っててくれと伝えて、花火をしました。


花火が終わって、お見送り。

彼らの食事も終わる前に彼らの元へ。

「ごめんごめん。」

「りょうくん、ごめんね。忙しかったんだね(笑)」

「先輩、お疲れさまです!」

「元気そうでよかった!シンヤもマサオも変わりないのかい?」

「変わりないよ〜。」

「はい、元気です!」

「贈答用のじゃなくてさ、家で食べるような桃なんだけど良かったら食べてよ。」

「うん。ありがとう。」


僕は幸せ者だと思った。


支えてくれる人がいて、誘ってくれる人がいる。

訪ねてきてくれる友人がいる。

守るべきものもあって、やるべきこともある。

友人達に囲まれて、ささやかな楽しみや、大きな楽しみもあります。


人はどうしようもなく傷ついて、生きたまま焼かれるような苦しみがあったりもする。

許すとか許さないとかではない。


なにを学び、どう生きるか。

誰を幸せにし、なにを思って星を眺めるか。

星の名前を教えてあげたい人は誰なのか?

草花の成長を喜び、蝉の鳴き声を「いいなぁ」と思える人であるか。

風の匂いは、あの頃のままなのか。

みんなで食べるご飯が美味しいのかどうか。

色んな見方があると思う。

色んな生き方があると思う。


僕は幸せなのだと思います。


強さとは優しさ。


僕は、優しい人でありたい。

コメント
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