今日の応援。
いつもとは違う急な依頼での応援だった。
「団は家族」
僕はいつもそう言う。
皆もいつもそう言う。
団員からの依頼だった。
家族からの依頼だった。
家族からの、家族への応援。
僕らは出来るだけ調整をして、四名で栃木に向かった。
東京からも四名の団員が向かった。
彼には子どもが二人いる。
二年生のお兄ちゃんと妹。
お兄ちゃんと話をした。
「よ!」
「こんにちは。」
「あのさ。君も淋しい思いをするだろうからと、お父さんからは君へのエールもして欲しいと言われたんだけどね、君からお母さんにエールをしないか?」
「……。」
「が〜んばれ、お母さん!って大きな声で言うだけでいい。それだけで、後は俺たちが君の背中を守るから。どうする?やるか?」
「それならやれそう。やります。」
「そうか、分かった。練習も出来ないし恥ずかしいかもしれないけれど、君の大好きなお母さんはこれから頑張らなくちゃいけない。君の応援は、お母さんの助けになる。君は、応援をされるのではなく、応援をする側になろうよ。その方が、きっと君も頑張れる。応援団は応援される人よりも頑張らなくちゃいけない。難しいかもしれないけれど、分かってくれる?」
「うん。僕がんばる。」
「よし。君は賢い。頑張れ。大丈夫。」
これ以上ない青空の下で応援が始まった。
太鼓の音が空に吸い込まれるようだ。
「蒼天仰ぐ」を歌う。
旗をしまい、彼を呼ぶ。
(大丈夫?)
(うん。)
(お母さんに届けてやれ。君の姿を。君の声を。思いきりがんばれって言ってやれ。)
(うん。)
とても賢い子だった。
段取りもいい。
度胸もある。
しかし、なかなか声を出さない。
(恥ずかしいのかな?)
と思い、近付き顔をのぞく。
涙を堪えていたのだ。
心配をかけまいと、様々な心と戦っていたのだ。
(無理ならば平気だぞ?)
(やる。)
(分かった、ごめん。待つ。)
風が心地良かった。
僕は風を楽しみながら、いつまでも待つことに決めた。
「が〜〜んばれ!」
来た!
「おがあざ〜〜〜〜ん!!!」
『フレー!フレー!フレーフレーフレー!』
エールの間、彼は両手で涙を拭って声を出した。
エールが終わり迎えに行って頭を撫でると笑っていた。
小さな声で、
(ありがと。)
って彼は言った。
その後、夫から妻へエールを送り僕らがそれを支え、三三七拍子で終えた。
いい天気じゃのう。

なんでもない日々が、本当に大切なのだと僕は思う。
「お母さん。お花摘んだよ。」
誰もが、誰かの応援団。
しっかり治して、皆でまたこの河原で遊ぼう。
頑張れヨウコさん。
「俺のエールは効く。」
そこに嘘はない。
さぁ、頑張れ!
押忍!!
いつもとは違う急な依頼での応援だった。
「団は家族」
僕はいつもそう言う。
皆もいつもそう言う。
団員からの依頼だった。
家族からの依頼だった。
家族からの、家族への応援。
僕らは出来るだけ調整をして、四名で栃木に向かった。
東京からも四名の団員が向かった。
彼には子どもが二人いる。
二年生のお兄ちゃんと妹。
お兄ちゃんと話をした。
「よ!」
「こんにちは。」
「あのさ。君も淋しい思いをするだろうからと、お父さんからは君へのエールもして欲しいと言われたんだけどね、君からお母さんにエールをしないか?」
「……。」
「が〜んばれ、お母さん!って大きな声で言うだけでいい。それだけで、後は俺たちが君の背中を守るから。どうする?やるか?」
「それならやれそう。やります。」
「そうか、分かった。練習も出来ないし恥ずかしいかもしれないけれど、君の大好きなお母さんはこれから頑張らなくちゃいけない。君の応援は、お母さんの助けになる。君は、応援をされるのではなく、応援をする側になろうよ。その方が、きっと君も頑張れる。応援団は応援される人よりも頑張らなくちゃいけない。難しいかもしれないけれど、分かってくれる?」
「うん。僕がんばる。」
「よし。君は賢い。頑張れ。大丈夫。」
これ以上ない青空の下で応援が始まった。
太鼓の音が空に吸い込まれるようだ。
「蒼天仰ぐ」を歌う。
旗をしまい、彼を呼ぶ。
(大丈夫?)
(うん。)
(お母さんに届けてやれ。君の姿を。君の声を。思いきりがんばれって言ってやれ。)
(うん。)
とても賢い子だった。
段取りもいい。
度胸もある。
しかし、なかなか声を出さない。
(恥ずかしいのかな?)
と思い、近付き顔をのぞく。
涙を堪えていたのだ。
心配をかけまいと、様々な心と戦っていたのだ。
(無理ならば平気だぞ?)
(やる。)
(分かった、ごめん。待つ。)
風が心地良かった。
僕は風を楽しみながら、いつまでも待つことに決めた。
「が〜〜んばれ!」
来た!
「おがあざ〜〜〜〜ん!!!」
『フレー!フレー!フレーフレーフレー!』
エールの間、彼は両手で涙を拭って声を出した。
エールが終わり迎えに行って頭を撫でると笑っていた。
小さな声で、
(ありがと。)
って彼は言った。
その後、夫から妻へエールを送り僕らがそれを支え、三三七拍子で終えた。
いい天気じゃのう。

なんでもない日々が、本当に大切なのだと僕は思う。
「お母さん。お花摘んだよ。」
誰もが、誰かの応援団。
しっかり治して、皆でまたこの河原で遊ぼう。
頑張れヨウコさん。
「俺のエールは効く。」
そこに嘘はない。
さぁ、頑張れ!
押忍!!