Year In, Year Out ~ 魚花日記

ロッドビルドや釣りに関する話題を中心に。クラシック音楽や本、美術館巡りに日本酒も。

ハドリー・チェイス/No Orchids for Miss Blandish

2021年04月24日 | 
ハドリー・チェイスの No Orchids for Miss Blandish(1939年)読了(邦題『ミス・ブランディッシの蘭』)。

金持ちの令嬢がパーティ帰りに誘拐された。地元のギャングの仕業と見られたが、警察の捜索もむなしく、令嬢の行方は杳として知れない。しびれを切らした父親が、地元の私立探偵デイヴ・フェナーを雇う。すると、どうやらまた別のギャングが裏で糸を引いていたことが分かる。ギャング顔負けのタフガイ、フェナーの行く先々で降る血と暴力の雨。令嬢はいずこに、彼女の運命は・・・

著者はイギリス人で、ダシール・ハメットやレイモンド・チャンドラーより少し後の世代。アメリカのハードボイルドを意識したこの作品は、当時はあまりに刺激的すぎたのだろう、初版は本国で発禁処分になったとか。確かに派手なドンパチはハメットに通じるものがあり、ある程度結末が見えるなかで「次、来るぞ、来るぞ」という期待感があって、読むのが純粋に楽しい。

James Hadley Chase,
No Orchids for Miss Blandish
(Kindle)

コメント    この記事についてブログを書く
« キッチンABC/大盛り豚からし... | トップ | A. A. ミルン/Year In, Year... »

コメントを投稿