トートバッグ、大詰め。
片方ずつバラしたファスナーと内ポケットを付けた内袋をすっぽりなかに入れて、口のところを縫い合わせる。
縫い合わせた部分が波打って見えるのは、革の端を漉いて折り返した部分(「ヘリ返し」と言う)の厚みが均一でないためで、予想はしていたが今回ここが一番の難関。ただ、何となくポイントやコツは分かった気がするので、また次回の課題。
あとはファスナー周りを仕上げ . . . 本文を読む
最近あまり良いことばかりもないが、鼻が利く
この時期スーパーに苺が並んでいると、前を通った時の香りで買うか買わないか判断する。勿論、さすがにパックを一つずつ手に取ってクンクンはできないが、苺の色つやとその時の香りでだいたい見当がつく(気がする)。
この週末、益子までドライブ。目的は益子焼なのだが、途中でJAの直売所に寄ると、見たこともないほどいい色をして、しかも強烈に甘い香りの苺が並んでい . . . 本文を読む
学生時代、東山の麓のお寺に下宿していたことがある。
庭には疎水から水が引いてあり、お勝手の横を通って敷地の外へ抜けるのだが、春になるとそこを桜の花びらが流れていく。
「花筏(はないかだ)」とは何とも風情のある言い方だなぁと、門前の小僧よろしく今も時々思い出す。
写真は鶴屋吉信。桜餅と花筏を前に、春を待つ宵。 . . . 本文を読む
花粉症が怖くて外に出られず、おかげでトートバッグが捗ること。
バックルのついた根革を取り付け、底板を入れて鋲をカシメたら胴の両サイドを縫って裏返す。
・・・と約めて言っているがこの最後の裏返すところは大変で、革が硬いのであっちこっち引っ掛かり、ところどころアバタになったがやむなし。
これで外側はいったん完成。次は胴の内側、裏地を袋状に縫う工程。 . . . 本文を読む
銘「竿かづ」で知られる江戸和竿の職人、荻原一男に『趣味の和竿つくり』という著書がある。
職人がその持てる技を素人向けに、しかも自筆の挿絵付きで残してくれた素晴らしい本なのだが、そのなかに「私は日頃弟子たちに、仕上げが楽に出来る下仕事をするように言い含めております。」という一節がある。
私のような素人にとってもこれは至言で、途中で「まぁこんなもんかな」と終わらせたことは、大抵あとで必ず何かある . . . 本文を読む
先週の月曜日は平日の休日。
カミさんと休みを合わせて三連休だったのだが、その日はそれぞれやりたいことがあって別行動。
私は浅草橋で革→工具→芯材→金具と専門店をまわる。徒歩圏内ほぼ一筆書きで全て揃うのは素晴らしいが、いずれも土日が休みなのでなかなか実現できず、ようやく念願が叶う。
写真は牛ヌメのオイルレザー、色はバーガンディ。
これまで小物であれこれ練習してきたのもこれをやりたかった . . . 本文を読む
コーネル・ウールリッチの The Bride Wore Black(1940年)読了(邦題『黒衣の花嫁』)。
ひとりの女がどこからともなく姿を現し、どこへともなく姿を消す。その後には男の死体。そんな事件が4件も続く。どうやら女は同一人物で、顔も見られているのだが、その行方は杳として知れない。果たしてその動機は?被害者との関係は・・・?
初めて読んだウールリッチ(1903~1968年、アメリカ . . . 本文を読む