りゅーとライフ

(MiddleTown Dreams)「りゅーとぴあ」と「ビッグスワン」をフランチャイズに新潟生活を楽しんでいます。

橘木俊詔・迫田さやか著「夫婦格差社会」 本音ベースの格差論

2013-01-30 22:22:36 | 

Dsc09802

 阪神タイガースの熱狂的ファンであり、格差論の第一人者である橘木俊詔同志社大学教授。その橘木俊詔氏の最新作「夫婦格差社会 二極化する結婚のかたち」を一読。
 
 20世紀末以降、生活実感だけでなく、ジニ係数など、統計上からも経済的格差が確実に拡大しつつある現代日本。本書は、従来定説であった「夫が高所得なら妻は働かない…」という「ダグラス=有沢の第2法則」が日本でも近年急速に崩れ、夫の所得と無関係に働くようになった妻の経済力がの差が世帯の格差をさらに広げている…ということを、結婚できない人たち、離婚、そして地域差まで視野を広げて語られている。

 橘木さんは学者でもあるし、基本的にリベラルな方なので、刺激的な煽りはなし、事実関係・統計資料を元に、割と淡々と書く…というスタイルなので、読んでいてグイグイと引き込まれる…という感じではないのだが、「高学歴の女性は高学歴の男性と結婚する」とか、「これからは男性だけでなく、女性も経済力がないと結婚できない…」とか、当たり前と言えば当たり前だが、厳粛な事実がさらりと書かれていて、それなりに読んでいて興味深かった。

 女性も経済力が問われる時代…、「なんで男だけが働らいて、家計を支えなければならないんだ…。」と、ふざけたことを昔から思っていた私にとっては「風が吹いてきたな…。」と言うところだが、一応「女の子」を子供に持つ私(まだ小学校3年生だけど)、稼ぐ能力つけさせねばならんな…と改めて思った次第。

 正直、もうちょっと鋭い考察を加えて欲しかった…との感はあるものの(一応、ファンなので辛口評価)、これまであまり語られなかった格差論の新しい形…として評価するとともに、このような(見たくはないが)当たり前の事実を踏まえた上で、格差是正、少子化対策が取られることを期待したい。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿