電影宣伝自由人

香港映画を中心にしたアジア映画のよもやま話などを紹介

香港映画界=黒社会の事件簿

2006-05-11 23:50:50 | Weblog
さて、チョウ・ユンファも嫌気をさし、他のスターたちも被害をこうむったといわれる、1990年代の始めに起きた黒社会絡みの事件にはどんなものがあったのでしょうか?

●永盛電影(現・中国星)の事務所に銃弾撃ち込み事件。
チャウ・シンチーと独占契約していたウインズ(永盛電影)の代表である向兄弟/ヒョン・ブラザース(この人たちも裏関係ですが)の事務所に銃弾が撃ち込まれる。噂ではチャウ・シンチーの借り受け拒否された他の黒社会関係製作会社が撃ち込んだとの話が。

●電影工作室(フイルム・ワークショップ)火炎瓶投げ込み事件
映画を作れと強制的に言ってきた会社の仕事を断わったツイ・ハークの事務所に火炎瓶を投げ込まれ、安全確保のために24時間警備のガードマンを雇う。(事件直後に日本に来た本人から話を聞きました)

●アニタ・ムイ殴打事件
ナイトクラブで、ある黒社会系映画プロデューサーの同席を断わったアニタ・ムイが殴られ、当時、彼女のボーイフレンドだった俳優のベン・ラム(林國斌)がたくさんの加勢を引き連れてもめる。一度はその場で和解をしたものの、殴ったプロデューサーが帰り道に何者かに刺され、収容された病院で翌日、殺害される。アニタ、ベン・ラムが警察に参考人として呼ばれるが、身の危険を感じたアニタは海外へ身を隠す。この後日談で殺害に関わっていたとされる映画関係者(レイモンド・ウォン(黄百鳴)のお兄さん)がマカオで殺害されるのだが、この話を元に作られたのが、『酔生夢死的湾仔之虎』という作品。作った会社も黒社会がらみですが。

●プロデューサー射殺事件
ジェット・リーのマネージャーで、『上海1920』のプロデューサーであったジム・チョイが、尖東(チムサーチョイ・イースト)にある事務所から出てきたところを二人組に射殺される。犯人は逃亡して捕まらなかったが、プロの殺し屋の手口といわれた。殺された原因はわからずじまいだったが、彼はオランダで麻薬販売で財をなしていたのでそれに絡んだ事件といった話や、映画関係の恨みを買われたなど、いろんな噂がたった。

●女優の拉致監禁事件多発。
カリーナ・ラウの空白の3時間事件というのがあったが、強制的に映画出演を迫られた女優たちが監禁されるなどの黒社会がらみの事件が多発。

こういう事件が連続して起きたために、香港映画界は抗議のデモを行ったほどでした。しかし、俳優や映画関係者のなかに黒社会とかかわりのある人たちも前からいました。矛盾している話ですが、それまで保たれていた秩序が、他の国から入ってきた黒社会の人間たちによって、ぐちゃぐちゃにされてしまったのです。


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2 コメント

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Unknown (Unknown)
2006-05-12 12:32:38
香港映画の裏ってこわいんですね。
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その当時 (FREEMAN)
2006-05-12 15:29:04
その当時、いろんなことがあったわけですが、93年をピークに、だんだん映画も儲からなくなって、返還直前には、ほとんどの黒社会系の製作会社はなくなりました。
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