電影宣伝自由人

香港映画を中心にしたアジア映画のよもやま話などを紹介

徐克的電影世界その3

2007-02-01 21:08:28 | Weblog
香港とのやりとりをしている間、私は関係各位と企画書を基にどうゆう風にこのイベントを成功させるか、会議を何度かしました。ただ、いかんせん予算がある映画祭ではないので、そろばん計算が必要になってきます。少なくとも、香港から新作を持ってきて字幕制作をするのと、ツイ・ハークたちを来日させるのにも予算がかかります。それから、『妖獣都市』と『~天地大乱』を出すにあたって、配給会社からも公開につながるような宣伝協力、たとえばゲストにその映画に関係している人を来日させる等、いろいろな条件が出されたりもしました。
その結果、来日ゲストに関しては、ツイ・ハークの奥さん、シー・ナンサンに誰をひっぱってくることができるか相談をしたのでした。そして、スポンサーサイドからは、ぜひジョイ・ウォンを呼んでほしいとの大きな希望もあり、香港とのやりとりをやっていくなかで決定したのが、ジョイ・ウォン、レオン・カーファイ、そしてミシェル・リーでした。
この三人とも皆さんがご存知のように、ツイ・ハークとは深い関係のある俳優たちです。たぶん、私たちから彼らにオファーをしたとしてもなかなか決まらなかったでしょう。それを香港映画界のフィクサーの一人であるシー・ナンサンが快く引き受けてくれたのですから、つくずく感謝するとともに仲良くしていてよかったと思ったのでした。
私は、上映する作品とその時間割りをフィックスし、プリントを出してくれる配給会社から写真を借りました。『北京オペラブルース』の字幕は、ビデオを出していた東北新社からお借りして、それを使用しました。これも経費を抑えるためです。
香港から貸してもらえる新作も決まりつつあったのですが、『龍門客棧』だけが日本のエージェントがいるので、そっちに話してほしいというのです。その名前を聞いた時に「あ、そうゆうことね。」と私はピーンときました。
この人は日本人でエージェントというよりはブローカーといったほうがいいのかもしれません。1980年代に香港ノワールがブームになった時、ある作品を高く某映画会社に売ったために、これが売買のベースとなってしまったといわれ、私たちのなかでは悪名高い存在になってました。ここ最近、また業界内で動き始めていますが、大昔、香港映画に出たことがあり、シーソナル・フイルムのウー・スーユエンとの関係でシーソナルの日本販売の窓口として動いていたのでした。
そこに問い合わせをしてもよりよい返事がえられず、さてどうすればいいのかと考えあぐねていたら、このプリントが選定試写のために東宝東和が預かっているときき、私の師匠であった飯田さんに聞き、また井関さんがその人を知っていたということもあり、なんとか出させる交渉ができたのでした。