古楽の小路

30余年住んだ杜の都から東京へ。両親の介護も終了、気が付けば高齢者に。介護される身になるまで音楽生活を楽しみたいものです

ラ・デリクール La D'hericourt

2011-05-17 12:10:10 | ルネッサンス・バロック音楽
チェンバロを初めてから早20年の月日が流れた。1991年の春休み
仙台カワイでチェンバロソロの小さなコンサートがあった。
子連れだったので最後まで聴ければいいけれど、という位の気持で
聴いたのだった。プログラムは[フランス組曲]やヘンデルの[鍛冶屋]、
ラモーの[タンブラン]、クープランの[修道女モニク]などだったと思う。
[神秘の障壁]もあったかもしれない。
演奏そのものには特に感銘も受けなかったのだがコンサートの後に
「楽器を触ってもいいですよ」といわれ、恐る恐る鍵盤を押してみたら、
ピアノとタッチの差に驚いた。丁度居合わせた、在仙チェンバロ奏者が
さらに詳しい楽器の話をしてくださった。
「家でレッスンしていますから一度いらしてみたら、、」と言われ、
その場でその気になってしまった。それからはレッスンに通うたびに
自分の楽器が欲しいと思うようになり、ついにその年の暮れ、楽器を
手に入れたのだった。
その年は正月明けにガンの疑いで小手術を受け、不安な毎日を過ごしていた。
結局は大事ではなかったが、必死に何かに打ち込むものが欲しいと
思っていたのは事実だ。そんなきっかけでチェンバロ半生が始まった。

長らく趣味で細々、不真面目にやって来たので、レパートリーも
あまり多くない。自分の好きな曲をレッスンに持っていくことが
多いので選曲も偏っている。まだ弾いたことのない作曲家もたくさんいる。

ダングルベール、ダジャンクール、マルシャン、ルルー、ダンドリュー、
バルバトルはまだ一曲も。
なかでもダングルベールは必修だと思うが、恥ずかしながらまだだ。
先も短いので早く弾かないと。

最近バルバトルだけのCDを頂いた。演奏者はウルズラ・デュッチュラー。
バードのCDでしか知らなかった。
バルバトルは去年、曽根麻矢子さんのコンサートのアンコールで聴いた。
ラモーをさらにけたたましくしたような感じ。でもロワイエもフォルクレも
煩い曲ばかりではいので、このバルバトル氏にも比較的静かな曲はないかと
聴いてみたら、「ラ・デリクール」というのがあった。早速無料サイトで
楽譜チェックすると、我がチェンバロの最低音F まで出てくる低音があった。

この題名どこかでみた、と思ったら、デュフリのクラヴサン集2巻の中
にもあった。楽譜の解説によれば、当時話題の2人の超若いフルーティスト兄弟?
の名に由来しているらしい。でも同名の2曲の印象はずいぶん違う。

そういえば最近トラヴェルソのファキシミリ譜で題名にこの名前を
みたような気がしてきた。
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