漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 111

2023-08-05 06:24:44 | 貫之集

大鷹狩りしたるところ

はなにのみ みえしやまのを ふゆくれば さかりだになく しもがれにけり

花にのみ 見えし山野を 冬くれば さかりだになく 霜枯れにけり

 

大鷹狩りをしているところ

一面に花に覆われた山や野であったのに、冬になるとあの花盛りもあとかたもなく、霜枯れてしまったよ。

 

 110の「小鷹狩り」に続いてこちらは「大鷹狩り」を題材とした詠歌。020 に続いての登場です。このあとも 233240、529 と 533 に、「小鷹狩り」「大鷹狩り」の歌が近い場所に収録されていますので、両者を題材とした歌がしばしばセットで詠まれたのでしょうね。