漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 136

2023-08-30 04:04:41 | 貫之集

道行く人のしぐれにあへる

みちすらに しぐれにあひぬ いとどしく ほしあへぬそでの ぬれにけるかな

道すらに しぐれにあひぬ いとどしく ほしあへぬ袖の ぬれにけるかな

 

道行く人がしぐれにあった

道までもが時雨にあって濡れている。まして涙の乾かない袖はいっそうしっとりと濡れてしまった。

 

 第三句の「いとどし」は「ますますはなはだしい」「いっそう~である」の意で、「ぬれにけるかな」に掛かかっています。