漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 119

2023-08-13 06:18:18 | 貫之集

やなみれば かはかぜいたく ふくときぞ なみのはなさへ おちまさりける

簗見れば 川風いたく 吹くときぞ 波の花さへ 落ちまさりける

 

簗を見ると、川風が強く吹く時は、波までがしぶきを上げて、まるで花が風を受けて舞い散っているようだ。

 

 「波の花」は川面が波立ってあがるしぶきを花に見立てた表現。107 にも出てきましたね。
 この歌は拾遺和歌集(巻第十六「雑春」 第1061番)にも入集しています。