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漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0621

2021-07-12 19:15:51 | 古今和歌集

あはぬよの ふるしらゆきと つもりなば われさへともに けぬべきものを

あはぬ夜の 降る白雪と つもりなば われさへともに 消ぬべきものを

 

よみ人知らず
ある人のいはく、柿本人麿が歌なり

 

 逢えない夜が降る白雪となって降り積もったならば、その白雪とともに私までもが消えてしまうに違いないのですよ。

 柿本人麿作との説があるというこの歌ですが、同じ左注のある歌が古今集には五首(03340409、0621、06710907)掲載されている一方、確定的に人麿作とされている歌は一首もありません。古今集の撰者たちとしてみれば、人麿歌については万葉集で十分語り尽くされている、というところでしょうか。