よるべなみ みをこそとほく へだてつれ こころはきみが かげとなりにき
よるべなみ 身をこそ遠く へだてつれ 心は君が 影となりにき
よみ人知らず
あなたのそばに身を寄せるところがないので身は遠く離れてしまっていますが、私の心は影のようにあなたに寄り添っているのですよ。
第一句の「なみ」は「『無し』の語幹+理由を表す接尾語『み』」。「こそ」は強調を表す係助詞で、これに対応して第三句末の完了の助動詞「つ」が「つれ」と已然形で結ばれています。歌意はわかりやすいですね。身は離れ離れになっていても心は一つ、というところでしょうか。