古今和歌集 0163 2020-04-10 19:44:13 | 古今和歌集 むかしへや いまもこひしき ほととぎす ふるさとにしも なきてきつらむ 昔へや 今も恋しき ほととぎす ふるさとにしも 鳴きて来つらむ 壬生忠岑 今も昔が恋しいのか、ほととぎすが、以前住んでいた場所にばかり来て鳴いている。 詞書に「はやく住みける所にて、ほととぎすの鳴きけるを聞きてよめる」とあります。「はやく」は副詞で、ここでは「以前」「昔」「かつて」の意。ほととぎすに託して詠んでいますが、今になっても昔を懐かしく思っているのは作者自身ですね。