漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0162

2020-04-09 19:32:37 | 古今和歌集

ほととぎす ひとまつやまに なくなれば われうちつけに こひまさりけり

ほととぎす ひと待つ山に 鳴くなれば 我うちつけに 恋まさりけり

 

紀貫之

 

 ほととぎすが、人を待っているこの松山で鳴くので、私もたちまち人を恋しく思う気持ちが募ったことだ。

 「ひとまつやま」が「人待つ山」と「松山」の掛詞になっていると見ての解釈ですが、そうではなく、単に人を待っている山でほととぎすが鳴いた、とする説もあって、作者の趣意がどちらなのかは不明のようです。