漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0168

2020-04-15 19:08:28 | 古今和歌集

なつとあきと ゆきかふそらの かよひぢは かたへすずしき かぜやふくらむ

夏と秋と ゆきかふ空の かよひぢは かたへ涼しき 風や吹くらむ

 

凡河内躬恒

 

 夏と秋とが行き違う空の通い路には、片側に涼しい風が吹いているのだろうか。

 季節の変わり目、夏と秋とがすれ違う日には、その季節の通り道の片側は夏、もう片側は秋なのだろうという機智。屁理屈とも言えそうですが、こうしたユーモアが躬恒の歌風なのでしょうね。

 

 古今和歌集巻三「夏歌」はこれでお仕舞。次からは秋の歌です。どうぞ引き続きお付き合いください。 ^^