なつのよの ふすかとすれば ほととぎす なくひとこゑに あくるしののめ
夏の夜の ふすかとすれば ほととぎす 鳴くひと声に 明くるしののめ
紀貫之
夏の夜、もう休もうかとしたとき、ほととぎすが鳴いて、その一声に夜が明ける。
夏の夜の短さを詠んだ歌。次の 0157 、さらに 0166 にも歌われる想いですね。
くるるかと みればあけぬる なつのよを あかずとやなく やまほととぎす
暮るるかと 見れば明けぬる 夏の夜を あかずとやなく 山ほととぎす
壬生忠岑
なつのよは まだよひながら あけぬるを くものいづこに つきやどるらむ
夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを 雲のいづこに 月やどるらむ
清原深養父