今日の料理(こだわりがないのがこだわり)

フードリテラシーに沿いつつも、なるべく夢のある料理や飲食をジャンル・国境・時代・時間をボーダレスに越えて書いています。

ノルマンディー風「ハンバーグ」を在庫に有る材料だけで。

2017年10月03日 | グルメ
(包丁で切って)食べかけのリンゴと使いかけの生クリームがあったので、これはノルマンディ風にするしかないだろうと作ろうと思ったが、豚肉も鶏肉も無かったので、同じ豚の挽肉でハンバーグみたいなもののノルマンディー風な何かにしようと思った。
ロールキャベツとかのクリーム煮って好きでは無いけれどまあまあ普通にあるじゃん!!?あのイメージ)

ノルマンディーやブルターニュはドーバー海峡と接している為にイギリスの影響を受けているので、作っていてイギリス料理との共通項を見付ける事が出来るのでコツ所がすぐ解り易い方だと思う。

リンゴのブランデーでもあるカルバドスが無いので(ミニボトルを販売していないので高くて買えんわ)、製菓用のブランデーが余っていたのでそれで作る事にした。
肉といい、酒といい、代用だが、まあ、それっぽくなって美味しければ良いだろう。

「ハンバーグっぽい何か」(・・・豚肉ならこの作業はいらない)
とりあえず基本のハンバーグを作るか。

タマネギはサッパリさせる効果があるのでこのぐらいかな。

後でクリームと合わせるのでバターで炒め、水を加えて炒め煮で放置している間(弱火)

ここでイギリス料理でアップルソーセージという技があるのでそれを応用して入れようとリンゴを準備

薄切りと、微塵切りの2種類を用意。

刻んだリンゴと炒まったタマネギを加える(ワリと結構炒めないと後でガリガリするので注意すること!!ガリガリのタマネギで手を抜いた火加減なんてここだけは嫌だものな)。

シャリシャリのリンゴがタマネギの熱で火が入り、熱いタマネギが冷たいリンゴで冷める両方の効果で時短を期待してみた(←出来たと思う)。

お肉を量って、ちょっと多いけれどまあ僅かに余らせておいてもなんだしな・・・

パン粉・卵(←卵にクリームで子供っぽい味になるから迷ったが入れた、子供の味覚の方が美味しいし)、塩・胡椒、荒熱が取れたタマネギとリンゴを混ぜ混ぜする。

近年のハンバーグ系の基本はあまりこねない=手の熱を伝え過ぎて肉の油脂分を溶かさない事がポイント(夏場でダレてきたら冷蔵庫や冷凍庫で油脂分を固める=勿論、凍らせる訳じゃない)。


ここから普通の豚肉だと思って
ハンバーグ型に成型をして(ダレてきたら1度冷す)、軽く塩胡椒をする。

塩をすると水分が出るので小麦粉を周りにはたく。

先ほど玉ねぎを炒めたフライパン(普通なら新規のフライパン)にサラダ油を軽く敷いて、

ハンバーグ(普通なら1枚肉)を焼く。

蓋などをして軽く火が入り過ぎない程度で両面を焼き固めたら中に火が入っていなくてもあげてしまう(普通の肉でも工程は同様)・・・この考え方は凄くフランス的だなって思う。

そこに薄く切ったリンゴを入れて(もし油脂分が足りなかったらホンの少しだけ足す、ケースバイケースで)、

軽く色付いたら

カルヴァドスじゃなくて、今回はブランデー20mlちょいを

加えてアルコールをよく飛ばす(別にフランベしなくてもいい)。

1度完全に弱火にし

生クリームが50mlしかなかったので、残りは100mlは牛乳
で量をカバー
し、

加え

今度はその同じカップでなんと水を100mlちょっと(←カップの側面に付いていたクリームの分と、ハンバーグの為に少し長く煮詰めるので30mlぐらい)量って

その生クリームに加え、少しだけ火を強めて3~4分煮詰めてリンゴに火を通す。

塩・胡椒を加えて味を整え(普通に1枚肉だったらここで味を完成させるが、ハンバーグだから少し長く煮込むのでやや薄目に

生焼けのハンバーグ(普通だったら1枚肉)を戻しいれ、弱火で煮込む。

ソッと壊れないように裏返して、ここで完全に弱火~中弱火(いずれにしても弱火)で完全にここで火を通す(底が焦げ易いので注意、たまに底にフライガエシを入れてあげると良い)
普通の1枚肉なら一煮立ちしたら完成だが、如何せんハンバーグなので・・・

加熱している間に暇だったので、ふと思い付いてジャガイモを薄く切って、水と共に皿に敷いて蓋をしてレンジでチンをして「ガルニチュール(=付け合せ)」のただのジャガイモを用意する(もっと早くやっておけば良かったな)、レンチンしている間、流しで洗い物を終わらす。

ジャガイモも肉も出来たので(煮込む段階で味加減が濃くなるが、それでも味が足りなければ塩・胡椒で最終的に整え)皿に盛り、タマネギを炒めたフライパンだし、更にハンバーグの壊れたカスがソースに浮いているので網で濾そうかなって丼の上に網を乗せて。

と思ったけれど、どうせ洗い物が1つ増えるなら~とそのまま皿の上に(この方が冷め方も少ないし)・・・大丈夫、誰も観ていないから今のうちに・・・

完成。本来普通の肉ならもっと白いのだがハンバーグなので。

凄まじい美味しさだった。なんていうか新しい殻を破れたというか、1段階違う感じの風格がある味。
以前、鶏肉のウイスキーソースを作ったがあれとは又違うマイルドさの中にリンゴの繊細さが漂っている感じ。
(ハンバーグだから優しいの?かな???)
塩胡椒の加減も丁度良い、基本外国は塩・胡椒で味を整えるんだよな。

又、ガルニチュールのジャガイモとこのノルマンディ風のソースが美味しいこと。

途中で、リンゴを少し切って肉(今回はハンバーグ)と共に食べると又、口の中が面白い。
元々リンゴを玉ねぎの余熱で多少柔らかくしたものを混ぜて熱を加え更に加熱してあり、肉料理をサッパリさせるタマネギと共にその食感のコントラストの違いもありつつ、混ぜてあるから全体にリンゴの風味で重いソースにも関わらず軽い口当たりにさせてくれる
この軽い感じを出す事がノルマンディ風やフレンチの1つのPOINTではないかなって。。。

 ソースが皿に余ったので、翌日か次回パスタかジャガイモと和えようか?迷ったが、美味し過ぎてパンにくっ付けて食べてしまった(家だと洗い物もラクだし、まあ紙で拭き取ってからという手もあるが・・・ソース嫌いの自分が珍しく美味しいと思ったので)。

ノルマンディー風は豚や鳥の他に貝類等の海産物で作る事もあるが、もし作るなら最初は肉類の方が失敗が少ないだろう。
※肉類も本来は分厚い肉を使う。

ポイントは繰り返すが、塩・胡椒をした後に水分が逃げないように粉をはたくことだと思う。
この方法は焼き鳥文化の私達にはあまり無い方法だと思う、こういう方法もあるよ?というぐらいで選択肢を増やしておいても、いきなり何か急に対応しなければならない場面に出くわした時に良いかな?って今回記事にしておいた。
※後は焼いて火を完全に通すのではなく煮込んで完全に仕上げるのがポイント普通の肉だったら一煮立ちで良いように肉に火を通し過ぎては良くない

リンゴと肉類を合わせるのはイギリスやこのノルマンディ地方だけでなくドイツなどでもワリとポピュラーな取り合わせ。
コメント
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