今日の料理(こだわりがないのがこだわり)

フードリテラシーに沿いつつも、なるべく夢のある料理や飲食をジャンル・国境・時代・時間をボーダレスに越えて書いています。

煮る味の変化について。。。

2017年10月09日 | 飲食業
失敗したカレーがあったので(私ではない)、修正する事にした。

ちょっと観ヅラいが、下記の図↓が煮込む時の味の変化だ(と思う)


※まず自分が持っていきたい目的の味(=ゴール)を想定し、それに向けて煮物の様に最初にやや薄く味付けをして
 ↓
・加熱していくと僅かに濃くなった後に、
 ↓
・途中でグッとコクや味が無くなる時がくる(加熱によるキタ酸とかそういう発生したものが破壊される等、いろいろな変化が過熱により起こる)。
 (これで調理を止めてしまうと、「味やコク、何かがが足りない!!」と総バッシングを喰らい、プライドを傷付けられボロボロになったメンタルは負けてついルー(和食なら醤油や味噌・塩)やバターを加えてしまうと、その場だけは良いが時間が経つと濃くて食べられたシロモノではなくなる)
 ↓
・その後、又味やコクが上がってくる瞬間がくる、それが食べ頃だ。
 ↓ 
・その後、又少し下がって
 ↓
・今度は煮詰まり濃くなって食べられなくなる。

 昔、同僚と「鍋を作ろう」という事になったが、意地悪なヤツが居て「調理師免許持っているんだから凄いの作ってくれるんでしょ~、下手な物じゃ納得出来ませんから~」と183な奴が居て

(仕事でもイチイチそんな感じで、お客様が今まさに目の前に居て一刻を争う営業マン達には「細けーんだよ!!、こっちは現場で対、人間相手に仕事をして、それがお金に直結するんだ!!、お前が作業しているPCの電気代も、家賃も、交通費も、トイレを流す水道代も、先ずはここから生まれるんだ!!、グダグダ言ってねーで後方支援するポジションなら直ぐやってくれ」と最後にはガ○ダムのブライト艦長の如く言われ嫌われていた、何人もの営業マンが同じ事を言うのだからそうだと思う)、
立場的に弱者やITの出来ない人には強く、上司と女性には態度がコロっと変わるというか。

まあそれはいいとして、どうしよう・・・~と思って、焼き物ならなんとかなるけれど、煮物は、まして自分は素材の味を楽しみたいから鍋物は味を付けないで醤油とダシの味だけで食べる事が1番美味しいと感じる人だったので、作ってお金を貰う訳でもないし、なんでプロ級に作らなければならないのだろう?と悩んだ。
(なんか楽しめないなーって)

で、行き付けの居酒屋で料理長に愚痴ったら「数日後に来てくれ」と言われ、数日後に行くととんでもなく美味い味噌味の鍋物が出てきた。
「ん、なんだこの美味しさは~」と驚いたが、レシピは教えて貰えなかったけれど、味は確実に舌で覚えた。
(正直、やっぱり実戦で働いている人で年長者の経験を尊敬したよ、後年、短期間だが一緒に働いたが、いつキレられてドヤされるか気が気じゃなかったけれど、まあ誉めてくれたんで)

で、その味のラインを覚えたまま、練習も無しに(日常がハード過ぎて帰宅してから自腹切って練習する気にもなれなかった、だって当時は対お客様が居る職種だったのだもの、そっちの方が性にあっていたし楽しかったから、トップクラスでいっくらでも結果出せた、後年別の辞めた事務の人から「あんなにやった人この会社で観た事が無い」って言われて嬉しかったな、自分は10代の頃は人を雇えなくてずっと1人で働いていたのと料理の為に人を傷付けたくはなかったのと世の中がどういう仕組みで出来ているのか?アタマが悪いので色々な世界を回って目鼻耳・肌・この五感で見る事にした)

本番で作ってはみたが、どうも加熱段階で味が変わっていくのを感じて、まだ上手くコントロールが出来なく、加熱で味をコントロール出来る様になった時には8時間かかってしまった。

お正月休みで、みんな帰省もしなかったので、ダラダラとしている人や1度帰った人も居た(ゴメン、味の為に犠牲にしてしまって、でも味を馬鹿にする事はその人のアイデンティティや人生、しいてはルーツを馬鹿にされる事だから、僕達はどんなに殴ったり蹴られたりしても、味の事だけは馬鹿にはしない、感性がものをいうから個人差があるし、上には上が居るって知っているから、いつ自分がその身になるか怖さを解っているんだ、下手したら殺し合いになる、それぐらいいつでも殺傷出来る器具に囲まれて仕事をしている緊張感もある=だから間違っているなと思ったら相手より上手い物を食べさせて、言葉ではない部分で「こうだよな」って会話をする、無論経歴を隠している時は素人だと侮られ、後から来たシェフがベストの味を自分の味に変えてしまう力関係の時もあるが、それを食べる側は正直だ、でも言えば居られなくなるので言わない、それにもう味を変えてしまわれたものだし)

ということで、その8時間味をコントロールした味は、上記の居酒屋の料理長の味と寸分違わぬか、ややそれよりリッチな味に出来上がった。
(具材は入れ直したが)

その嫌味な奴も「ちょっと、これ、美味過ぎるでしょ?、信じられないぐらい美味いんですけれど、これはもう高級な店の味だ、このままでお客様を呼べる」ってベタ誉めしていたけれど(確かに自分も出来上がった時にそう思ったけれど・・・「良かった」としか言わなかった、感慨も何も無かった、コイツがあんな事を言わなければもっと楽しい鍋になっていたのになーって)
みんなも美味しいって言ってくれたけれど、酒飲んで、お菓子食べて、漫画読んだり、ゲームしたりして8時間も待って食べるものでもないと思う。

それ以後、自分は他人が作ってくれるものは、同業者に余程意見を問われない限り当人を目の前にして何も言うまいと決めている。
食べる前も、食べた後も。
(でもこれって1番怖い事なんだよね)

その時に掴んだ味のコントロールのコツみたいなものなんだ。

まあ、いろいろなやり方があるから、絶対これが正しいという訳ではないけれどね。

不味いカレーは食べたくないので(カレー不味くするって相当だぞ?)修正の仕方として自分への悔恨の諌めと共に備忘録までに。

あれも良い思い出だなぁ~、その後、命に関わる身体を壊した疑惑があって理由を言わず辞表を出したが。
(理由を言った所で、何かをしてくれる業界ではなかったし、腕一本と才覚で真面目に種を撒いて取り組む業界だったから、追い詰められていても結果は出し続けていたけれど、最期は、ここじゃないなって)
同僚、先輩、後輩達には申し訳なかったなー
(10代の頃はマジで誰も居ない職場だったから)
大事にしてたんだぜ?、これでも。

医療の発展を、「願う」








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