アチャコちゃんの京都日誌

あちゃこが巡る京都の古刹巡礼

580 アチャコの京都日誌 新シリーズ京都100寺巡礼 34番 楊谷寺

2019-03-27 10:09:35 | 日記

34番 楊谷寺

京都府長岡京市浄土谷2

山号  立願山

宗旨  西山浄土宗

開基  延鎮

本尊  十一面千手千眼観音(秘仏)

別称  柳谷観音

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大山崎からタクシーで、15分くらいかかる。縁日の日には送迎バスが運行されるが、普段は乗用車がお勧めだ。大阪府との府境近くの峠にある。開基は、延鎮上人であの清水寺の開基でもある高僧だ。有名になるのはその後空海が度々修行に訪れた事による。伝承によると、眼の見えない子ザルに親猿が堂内の湧水で一生懸命に目を洗っている。それを見た空海が14日間祈祷を行うと目が開いたという。その湧水を独鈷水(おこうずい)と命名し眼病に良いとされた。その後江戸時代初期、霊元天皇の目が悪く、この水で洗うと眼が良くなったという事で、評判が一気に広まったという事だ。その子、東山天皇のお后がここで祈祷し、後の中御門天皇が誕生した事など、親子三代に亘る関係から、中御門天皇勅刻(自ら彫った)観音様が奥院の御本尊となっている。近世の天皇家とはかなり深い関係性がうかがえる。なお、独鈷水は今でも滔々と水が湧き出ていて飲料にも可能なので近所の方が自由に汲みに来ている。確かにまろやかな美味しい水であった。

浄土苑

また、本堂から奥の院に通じる途中の中庭庭園(特別名勝の浄土苑)は斜面に見事に作られたもので、アジサイ寺とも言われるので、6月ごろが一番の見所となる。因みに、毎月17日の観音様の縁日だけ入る事の出来る上書院は、中庭を見下ろせる絶景であり、映画「日本の一番長い日」で役所広司役の阿南陸軍大将が切腹するシーンに使われたところである。

縁日の中でも、2月17日には、吉野大峰山から山伏たちが来て「大護摩法要」が行われ一層多くの人で賑わう。護摩を焚く煙が遠くからでも見えるほどだ。参道石段から、本堂・書院・庭園を見物し上書院から渡り廊下で奥の院までじっくり見て、境内の西隅にある独鈷水までゆっくり回ると1時間ほどはすぐに過ぎる。大きな水筒やペットボトルをもっていけば湧水を持ち帰れる。