映画『弓』

2006-09-22 23:33:51 | cinema
午前中、トイレの壁の工事。
「えと、床は?」 「おら知らね」な工事のひと。その後、「おらが決める」なひとと今後の打ち合わせ。はあ〜。

午後、渋谷へ。細かい用事をもろもろ済ませて、「チケットぴあ」で前売り券を買って。ル・シネマで『弓』を見る。

混んでいるとの評判だったから早めに受付けだけして、近くのタリーズでコーヒー飲んで、映画館に再び向かうところで「じゃんか」(いつも行く居酒屋)のS井さんに偶然会う。真っ昼間に会うと照れるわね。

映画は、ですねー、まあいい映画だったとは思うのですが、エンディングに多少不満が。
簡単に言うと、とある老人が拾ってきた少女をずっと船の上で育ててきて、17歳になったら自分の妻にしようと思っていたところに、山崎まさよし似の青年が現れて少女を外の世界に連れ出そうとするのだけれど、少女は……。ということなんです。まあとにかくその少女がめちゃくちゃ魅力的で、10年も海の上で暮らしているにしては色白(^^)とか矛盾もあるものの、とにかくとにかく美しい。その子をいつくしんで育てている老人の姿に心打たれて、ほんとに泣けるんです。
でもねー。
キム・キドクという監督は、少女の持っている残酷さみたいなものが好きなんだと思います。それはすごくわかるけれど、あのシーン(ってどのシーンだよ、って話ですが、見たひとにはわかるはず)は本当に必要だったのかなあと、うーん、やっぱり思ってしまうなあ。山崎まさよし似の青年はまったくもって間抜けだと思うし。

印象的だったのは、老人と少女がほとんど声を発しないこと。たぶん台詞としては全くなかったんじゃないかな。そこが、世間と隔絶している二人をいかにも象徴していて、この映画を成立させているとは思いました。

ブランコをこいでいる少女に向けて矢を射る「弓占い」のシーンは、『橋の上の娘』を彷佛とさせて、ある意味ではこの映画の老人と少女の関係もそうなのかなとも思ったのですが。ちょっと違うなあ。うーん。

消化不良な思いを抱いたまま、mちゃんと待ち合わせ。沖縄料理(でもないらしい)店へ。「春雨カリー」という泡盛(いつかどこかでも飲んだ)を頼んだら、「ちょっと手違いで多めになりました」と一杯目が出てきたのだけれど、その後もなんだかたっぷり目だった。どうも最近酒には恵まれているらしい(笑)。
お会計を頼んだのにしばらく放っておかれて、ばっくれて帰ろうかと思ったら(それはいけません)慌てて店のひとが来た(まあ当然)。そんなこんなで終電際どかったのに忘れものして戻ったり、なんとか東横線の終電に間に合う。mちゃんから「もういらないかもしれないけど」と借りた『NANA』の16巻読みながら帰る。「もういらないかも」って思っていたけれど、美里ちゃんの秘密がこんなところで! と意外な展開に少し心が動く。でも、もういいかげん終わっていいと心の底から思う。