『寝ずの番』

2006-05-19 23:42:23 | cinema
校了がスムーズだったこともあり、きょうはたいした仕事もなく、後片付けや来週の納本の準備などささっとすませて早めの退社。

シネスイッチ銀座(金曜日がレディスディ)で『寝ずの番』を見る。

伊丹十三テイストな映画かと思っていましたが、ちょっと違うかな。毒が足りないという点で。
んー、ていねいに作られているとは思うけれど、笑わせたいならもっと思いきり笑わせてほしいし、泣かせたいところではもっとちゃんと泣かせてほしかった、というのが正直な感想。

長門裕之演じるところの落語家・橋鶴師匠が、余命わずかとなって最後に「そとが見たい」と言う。それを一番弟子が「そそが見たい」と聞き間違えたところから物語は始まる。「そそ」というのは京都弁で女性器のことを言うらしく、そこからラストまでとにかく下ネタオンパレードの映画です。
でも、エピソード的には、この最初の「そそ」の話が一番面白くて、最後の下(シモ)ウタのエンドレスにいたってはかなり辟易って感じだった。

話としては、亡くなった師匠の通夜(これを「寝ずの番」と言うらしい)で師匠の思い出話をしながらどんどん酔っぱらったり脱線したりしていく様がオムニバス風に(そのあと一番弟子や師匠の奥さんまで亡くなるので)展開させていく、という映画。

死にぞこないの長門さんとか、奥さん役の富司純子とかさすがだなあと思ったけれど、中井貴一って、わたしたち世代には「ふぞろいな林檎たち」のイメージが強すぎて、あんまり喜劇には似合わないって思ってしまうのは、まあ、彼には責任ないことだろうけど不利だよな(あ、「ビルマの竪琴」の水島役のイメージもあるね。あれは半分ギャグになっているけれど)。

原作は中島らもだし、面白いことは面白いのだけれど、なんとなく消化不良な気分の映画でした。


みなさんにご心配いただいたりあきれられたりしている「嵐」の初回限定版ですが、Amazonでまだ在庫があるという情報をいただきまして、早速注文してみました。
まさに曲のタイトルそのもの「きっと大丈夫」です(笑)。