もう少しで夏休み、6年生の夏休みは一つの山です。
ご父兄もドキドキですが、実はお子さんたち自身も不安でいっぱいなのです。
不安が怒りに変わるご父兄の気持ちはエリザベスもよくわかりますが、ここは一つ、落ち着いて見守ってあげてくださいね。
最近、南山女子部の先生方から、いろいろなお話を聞いたり、書面でいただいたり(南山女子部ではこういったプリントがたくさん配られます)、その中で、ちょうど今の時期に皆さんにお伝えするといいかな、と思われるものを簡単に紹介いたします。
国語担当のある先生から。
「手紙」という歌が話題になっています。「親愛なる子供たちへ」という副題。
「あなたの人生の始まりに私がしっかりと付き添ったように、私の人生の終わりに少しだけ付き添ってほしい あなたが生まれてくれたことで私が受けた多くの喜びと あなたに対する変わらぬ愛を持って笑顔で答えたい」
先生は、この歌についていろいろな説明やご自分のお考えなども書いていらっしゃいます。
次に数学担当のある先生から。
中学入試で不合格となった受験生に郵送される封筒には、西校長先生からの「お手紙」が入っています。
毎年、それにたいして何通かのお返事をいただけますが、全て感謝のお手紙です。
「力およばず不合格でしたが、添えていただいたお言葉が、心の奥底まで染み渡り、あふれる涙を止めることはできませんでした。南山中学校女子部を受験させていただくまで、12歳の娘には様々な苦難がございましたが、この日のため、このお言葉に触れさせていただくために今までがあったのか、と全てを救っていただきました。言葉では言い尽くせないほどの感謝の気持ちでいっぱいでございます。南山の地で学ぶことができないのは残念でございますが、添えていただきましたこのお言葉は、彼女の心の財産となり、彼女の歩みの糧となることを信じます。」
少し省略あり。
また、中学入学手続きの時の西校長先生の「あいさつ」
「200名が合格したということは、合格できなかった700名あまりがいるということです。その分まで一生懸命勉強しなさい。」
こんな言葉の中にも、「合格という見えるものの向こう側にある、見えないものを見る力を育ててほしい」という西校長先生の「お心遣い」がうかがえます。
不合格になったお嬢さんへのお手紙のお話は聞いていますが、エリザベスは実際に見たことはありません。
ただ、受け取ったお母さまもお嬢さんも、温かいご配慮に少なからず涙され、心を大切に救っていただいた、という感想は聞いています。
ちなみに、平成18年度入試から、それまでの貼り出し発表から郵送発表に切り替わり、西神父様のお手紙が同封されるようになりました。
エリザベスが詳しくお知らせできる学校は限られていますが、例えば、南山女子部においては、こういったものを通して、教育をしてくださいます。
西神父様の、「見えないものが見える力を持ってください。」というお話は、保護者会でも、生徒たちにたいしても、頻繁に出てくるものです。
時には笑いを、時には涙を、という西神父様のお話の中で、いつも中核をなすものでして、見えないもの、とは、ほんの一例で言えば、思いやりのようなものでしょうか。
人として当たり前に持ち合わせるべき思いやり、それを忘れずに毎日を過ごしてほしい、と、いろいろな楽しい経験談に添えて、伝えてくださいます。
それぞれのご家庭で、中学受験後に入学する学校にたいして求めるものは様々でしょうが、最近よく耳にするのは、「○○中学は伸びているらしいですね。」というちょっとした噂や、カラクリ(言葉は良くないのですが上手な表現が見つからないので)だらけの実績一覧などで、思い込みの強いお話です。
どなたに対しても、エリザベス側から、志望校のおススメはしませんから、ご家庭、ご本人の希望通りに指導を進めています。
昨年までは、なるほど納得、という志望校選びをされた方がほとんどで、本人の努力も素晴らしく、素敵な春を迎えられました。
ただ、最近、生徒ではありませんが、何人かから、「○○中学、伸びてるんですよ。」「○○中学は入ってから塾がいらないくらいお尻をたたいて勉強させてくれるんですよ。」というお話を聞き、短絡的な判断はしないでほしい、と少し不安を感じました。
入学後の指導内容については、過去数年間の各中学に入学した生徒たちから、引き続き、生の声を聞いていますから、個別に問い合わせてくだされば、わかる範囲でお答えします。
ちなみに、大学合格実績は10年間ほどの長いスパンで見ないと、判断できないものですから、上がったり下がったりを1年ずつで区切って判断すると、大きな誤算が生じます。
なぜ伸びたかの、裏づけがあれば、別です。
例えば、最近の南山男子部は、メキメキと頭角を現し、それの裏づけがはっきりしています。
そんな場合は有望株として要チェックです。
ただ、そうでない場合、実績のアピールが上手にできる学校か、正直すぎる学校か、の違いだけであることも少なくありません。
学校を決める側が、本当のところをしっかり見きわめて判断するしか仕方がないでしょう。
また、6年間の中高一貫校に求めるものは、大学合格が最重要ポイントではありますが、それにプラスされる教育内容の優先順位はなんなのか、ご家庭のお考え次第です。
中学受験で1回、勝負の時を迎えます。
それで納得のいかない結果になれば、次は大学受験になります。
それで絶対に勝ちたい、という気持ちばかりが先走って、大切な6年間の教育を、すっとばして考えてしまわないように、お子さんの13歳から18歳という、一番楽しいはずの時期を充実したものにしてあげるよう、しっかりと相談して決めてください。
お話は戻りますが、国語の先生からの「親愛なる子供たちへ」という歌。
母として、教育に明け暮れる毎日だったと思いますが、ここで、お子さんと平和に過ごしていられることへの感謝の気持ちを思い出しましょう。
母が、受験勉強に厳しくなるのも、愛情の裏返し、決して悪いことではありません。
ただ、不安が怒りに変わり、怒りがおかしな怒りに変わっていくのであれば、それは親の身勝手にもつながります。
お子さんがあきらかに怠けていれば叱りましょう。
でも、一生懸命に努力している横で、意味もなく責めたりすることはやめてください。
少しだけ待つ、そのスタンスを守って夏休みを過ごしていただきたいと思います。
ご父兄もドキドキですが、実はお子さんたち自身も不安でいっぱいなのです。
不安が怒りに変わるご父兄の気持ちはエリザベスもよくわかりますが、ここは一つ、落ち着いて見守ってあげてくださいね。
最近、南山女子部の先生方から、いろいろなお話を聞いたり、書面でいただいたり(南山女子部ではこういったプリントがたくさん配られます)、その中で、ちょうど今の時期に皆さんにお伝えするといいかな、と思われるものを簡単に紹介いたします。
国語担当のある先生から。
「手紙」という歌が話題になっています。「親愛なる子供たちへ」という副題。
「あなたの人生の始まりに私がしっかりと付き添ったように、私の人生の終わりに少しだけ付き添ってほしい あなたが生まれてくれたことで私が受けた多くの喜びと あなたに対する変わらぬ愛を持って笑顔で答えたい」
先生は、この歌についていろいろな説明やご自分のお考えなども書いていらっしゃいます。
次に数学担当のある先生から。
中学入試で不合格となった受験生に郵送される封筒には、西校長先生からの「お手紙」が入っています。
毎年、それにたいして何通かのお返事をいただけますが、全て感謝のお手紙です。
「力およばず不合格でしたが、添えていただいたお言葉が、心の奥底まで染み渡り、あふれる涙を止めることはできませんでした。南山中学校女子部を受験させていただくまで、12歳の娘には様々な苦難がございましたが、この日のため、このお言葉に触れさせていただくために今までがあったのか、と全てを救っていただきました。言葉では言い尽くせないほどの感謝の気持ちでいっぱいでございます。南山の地で学ぶことができないのは残念でございますが、添えていただきましたこのお言葉は、彼女の心の財産となり、彼女の歩みの糧となることを信じます。」
少し省略あり。
また、中学入学手続きの時の西校長先生の「あいさつ」
「200名が合格したということは、合格できなかった700名あまりがいるということです。その分まで一生懸命勉強しなさい。」
こんな言葉の中にも、「合格という見えるものの向こう側にある、見えないものを見る力を育ててほしい」という西校長先生の「お心遣い」がうかがえます。
不合格になったお嬢さんへのお手紙のお話は聞いていますが、エリザベスは実際に見たことはありません。
ただ、受け取ったお母さまもお嬢さんも、温かいご配慮に少なからず涙され、心を大切に救っていただいた、という感想は聞いています。
ちなみに、平成18年度入試から、それまでの貼り出し発表から郵送発表に切り替わり、西神父様のお手紙が同封されるようになりました。
エリザベスが詳しくお知らせできる学校は限られていますが、例えば、南山女子部においては、こういったものを通して、教育をしてくださいます。
西神父様の、「見えないものが見える力を持ってください。」というお話は、保護者会でも、生徒たちにたいしても、頻繁に出てくるものです。
時には笑いを、時には涙を、という西神父様のお話の中で、いつも中核をなすものでして、見えないもの、とは、ほんの一例で言えば、思いやりのようなものでしょうか。
人として当たり前に持ち合わせるべき思いやり、それを忘れずに毎日を過ごしてほしい、と、いろいろな楽しい経験談に添えて、伝えてくださいます。
それぞれのご家庭で、中学受験後に入学する学校にたいして求めるものは様々でしょうが、最近よく耳にするのは、「○○中学は伸びているらしいですね。」というちょっとした噂や、カラクリ(言葉は良くないのですが上手な表現が見つからないので)だらけの実績一覧などで、思い込みの強いお話です。
どなたに対しても、エリザベス側から、志望校のおススメはしませんから、ご家庭、ご本人の希望通りに指導を進めています。
昨年までは、なるほど納得、という志望校選びをされた方がほとんどで、本人の努力も素晴らしく、素敵な春を迎えられました。
ただ、最近、生徒ではありませんが、何人かから、「○○中学、伸びてるんですよ。」「○○中学は入ってから塾がいらないくらいお尻をたたいて勉強させてくれるんですよ。」というお話を聞き、短絡的な判断はしないでほしい、と少し不安を感じました。
入学後の指導内容については、過去数年間の各中学に入学した生徒たちから、引き続き、生の声を聞いていますから、個別に問い合わせてくだされば、わかる範囲でお答えします。
ちなみに、大学合格実績は10年間ほどの長いスパンで見ないと、判断できないものですから、上がったり下がったりを1年ずつで区切って判断すると、大きな誤算が生じます。
なぜ伸びたかの、裏づけがあれば、別です。
例えば、最近の南山男子部は、メキメキと頭角を現し、それの裏づけがはっきりしています。
そんな場合は有望株として要チェックです。
ただ、そうでない場合、実績のアピールが上手にできる学校か、正直すぎる学校か、の違いだけであることも少なくありません。
学校を決める側が、本当のところをしっかり見きわめて判断するしか仕方がないでしょう。
また、6年間の中高一貫校に求めるものは、大学合格が最重要ポイントではありますが、それにプラスされる教育内容の優先順位はなんなのか、ご家庭のお考え次第です。
中学受験で1回、勝負の時を迎えます。
それで納得のいかない結果になれば、次は大学受験になります。
それで絶対に勝ちたい、という気持ちばかりが先走って、大切な6年間の教育を、すっとばして考えてしまわないように、お子さんの13歳から18歳という、一番楽しいはずの時期を充実したものにしてあげるよう、しっかりと相談して決めてください。
お話は戻りますが、国語の先生からの「親愛なる子供たちへ」という歌。
母として、教育に明け暮れる毎日だったと思いますが、ここで、お子さんと平和に過ごしていられることへの感謝の気持ちを思い出しましょう。
母が、受験勉強に厳しくなるのも、愛情の裏返し、決して悪いことではありません。
ただ、不安が怒りに変わり、怒りがおかしな怒りに変わっていくのであれば、それは親の身勝手にもつながります。
お子さんがあきらかに怠けていれば叱りましょう。
でも、一生懸命に努力している横で、意味もなく責めたりすることはやめてください。
少しだけ待つ、そのスタンスを守って夏休みを過ごしていただきたいと思います。