イギリスのエネルギー大手スコティッシュ・パワーは2010年1月25日、国内最大となるスマートグリッドプロジェクトをスコットランドで立ち上げると発表しました。
スコティッシュパワー(SP)は6大エネルギー事業者の1つですが、スコットランド最大の都市グラスゴーで、国内最大規模のスマートグリッドシステムを導入するプロジェクトに着手すると発表しました。SPはこのプロジェクトを通して、電力供給面の信頼性や品質を飛躍的に向上させるだけでなく、エネルギー効率を向上させ、電気料金の低減にもつながる技術を開発・導入していく計画です。スマートグリッドにより、一般家庭が自宅に設置した太陽光や風力設備で発電した余剰電力を販売することや、電気自動車(EV)の普及拡大を後押しできるとしています。
SPはスマートグリッドを構築するための専門チームを社内に立ち上げています。そこでは自ら投資を行うだけではなく、エネルギー・気候変動省(DECC)やガス・電力市場の規制当局(Ofgem)によるファンドの活用も検討しています。このため、SPはDECCが立ち上げた低炭素投資基金による最大600万ポンドのスマートグリッド資本金助成プログラムに応募しています。また、Ofgemはスマートグリッドを含む先端技術の大規模実証プロジェクトを支援するため、総額5億ポンドの基金(10~15年)を立ち上げています。
実は同社は、グラスゴー東端の都市再生スキーム「クライド・ゲートウエー・プロジェクト(the Clyde Gateway project)」の一部として、既にスマートグリッドの開発を始めており、実際に次世代送電技術を運用しています。
また、スマートグリッドの重要な構成要素の1つとされるスマートメーターについて、SPは政府による全戸導入の取り組み(期限は20年末)の開始よりも早く、今後2年間で最大10万個を先行導入する予定です。
09年7月にイギリス政府が発表した低炭素移行計画で打ち出された温室効果ガス(GHG)の排出量を50年までに90年比で8割減らすという厳しい目標を達成するためには、実質上、すべての電力をREや原子力、炭素回収・貯留(CCS)設備を取り付けた化石燃料発電所といったGHG排出量の少ないクリーンなエネルギー源で賄う必要があります。発電量が天候に依存されるREの導入拡大で今後ますます増大傾向が予想される電力の需給変動を管理するため、より大きな送電容量と能力を持つ、新たな電力網の整備が求められています。また、既存の電力(配電)網は半世紀前に整備されたものなので、老朽化も問題視されています。
スマートグリッドのカギとなる機能としてDECCは、「見える化」、「統制化」、「自動化」、「完全統合化」の4点を挙げています。09年11月、産業界主導でDECCとOfgemが共同議長を務める政策提言委員会「電力網戦略グループ(ENSG)」のスマートグリッドワーキンググループは、低炭素な未来に向けた電力網への移行の議論を呼び込むためのペーパー「スマートグリッドビジョン」を公表しました。また09年12月にDECC自身も「よりスマートな電力網:その機会」と題するレポートを作成するなど、スマートグリッドの整備に向けた取り組みが始まっています。
なお、スマートグリッドの商用化に関するイギリス国内最初の事例としては、09年12月、スコットランド北部のオークニー諸島でエネルギー大手スコティッシュ・アンド・サザン(SSE)がスマーター・グリッド・ソリューションズと共同で立ち上げた「オークニー・スマートグリッド・プロジェクト」があります。
スコティッシュパワー(SP)は6大エネルギー事業者の1つですが、スコットランド最大の都市グラスゴーで、国内最大規模のスマートグリッドシステムを導入するプロジェクトに着手すると発表しました。SPはこのプロジェクトを通して、電力供給面の信頼性や品質を飛躍的に向上させるだけでなく、エネルギー効率を向上させ、電気料金の低減にもつながる技術を開発・導入していく計画です。スマートグリッドにより、一般家庭が自宅に設置した太陽光や風力設備で発電した余剰電力を販売することや、電気自動車(EV)の普及拡大を後押しできるとしています。
SPはスマートグリッドを構築するための専門チームを社内に立ち上げています。そこでは自ら投資を行うだけではなく、エネルギー・気候変動省(DECC)やガス・電力市場の規制当局(Ofgem)によるファンドの活用も検討しています。このため、SPはDECCが立ち上げた低炭素投資基金による最大600万ポンドのスマートグリッド資本金助成プログラムに応募しています。また、Ofgemはスマートグリッドを含む先端技術の大規模実証プロジェクトを支援するため、総額5億ポンドの基金(10~15年)を立ち上げています。
実は同社は、グラスゴー東端の都市再生スキーム「クライド・ゲートウエー・プロジェクト(the Clyde Gateway project)」の一部として、既にスマートグリッドの開発を始めており、実際に次世代送電技術を運用しています。
また、スマートグリッドの重要な構成要素の1つとされるスマートメーターについて、SPは政府による全戸導入の取り組み(期限は20年末)の開始よりも早く、今後2年間で最大10万個を先行導入する予定です。
09年7月にイギリス政府が発表した低炭素移行計画で打ち出された温室効果ガス(GHG)の排出量を50年までに90年比で8割減らすという厳しい目標を達成するためには、実質上、すべての電力をREや原子力、炭素回収・貯留(CCS)設備を取り付けた化石燃料発電所といったGHG排出量の少ないクリーンなエネルギー源で賄う必要があります。発電量が天候に依存されるREの導入拡大で今後ますます増大傾向が予想される電力の需給変動を管理するため、より大きな送電容量と能力を持つ、新たな電力網の整備が求められています。また、既存の電力(配電)網は半世紀前に整備されたものなので、老朽化も問題視されています。
スマートグリッドのカギとなる機能としてDECCは、「見える化」、「統制化」、「自動化」、「完全統合化」の4点を挙げています。09年11月、産業界主導でDECCとOfgemが共同議長を務める政策提言委員会「電力網戦略グループ(ENSG)」のスマートグリッドワーキンググループは、低炭素な未来に向けた電力網への移行の議論を呼び込むためのペーパー「スマートグリッドビジョン」を公表しました。また09年12月にDECC自身も「よりスマートな電力網:その機会」と題するレポートを作成するなど、スマートグリッドの整備に向けた取り組みが始まっています。
なお、スマートグリッドの商用化に関するイギリス国内最初の事例としては、09年12月、スコットランド北部のオークニー諸島でエネルギー大手スコティッシュ・アンド・サザン(SSE)がスマーター・グリッド・ソリューションズと共同で立ち上げた「オークニー・スマートグリッド・プロジェクト」があります。