エコポイント&スマートグリッド

省エネ家電買い替え促進で有名となったエコポイントとスマートグリッドの動向を追跡し、低炭素社会の将来を展望します。

オバマ大統領の一般教書演説の80%は経済問題特に雇用

2010-03-06 19:19:06 | Weblog
オバマ大統領初の一般教書演説(こちらをご覧ください)は、演説時間の約80%が経済問題に割かれ、雇用回復を10年の最優先課題に掲げたことが最大の特徴です。
 特に、中小企業に焦点を当て、不良資産救済プログラム(TARP)を用いたコミュニティーバンクへの資金融通、雇用増に対する税控除、キャピタルゲイン税減免の延長などを主要施策とすることを標榜しました。オバマ大統領は、下院が既に通した雇用対策法案(H.R.2847)を、上院も通すよう求めました。
 それ以外の雇用創出の手段としては、①イノベーションをもたらす分野への投資、②高速鉄道など景気対策法でも認められたインフラへの投資、③輸出促進による雇用創出、を挙げました。
 このうち、うイノベーションをもたらす分野の投資では、具体的に原子力発電、大陸棚での天然ガス開発、クリーン・コールへの投資、温暖化法案の成立を挙げました。
 また「5年で輸出を倍に増やす」と宣言し、そのために輸出管理の見直しなどに触れつつ「農業従事者や中小企業が輸出を増やせるような『国家輸出イニシアチブ』を立ち上げる」と表明したとこと注目されます。
 大統領は成立を求める立法課題として、金融規制改革、移民法案なども挙げています。

GEのへTendrilの投資に見る企業戦略の動向

2010-03-06 07:57:33 | Weblog
 GEのスタートアップ企業に対する投資はGrid Netへのものだけでしたが、GEは2009年10月にGEEnergy Servicesを通してTendrilに追加投資しました。この投資は、今後のGEのHANやHEMSへの企業戦略の方向性を示唆する重要なことです。このことを解説してみましょう。
 まず、Gridnetは、Wimax4Gを活用する次世代スマートメーターに対してネットワークマネージメントのためのソフトウエアなどを提供している企業です。GE Energy Financial Servicesのほか、Intel.Catamount Venturesからも出資を受けています。
 2008年Gridnetはその技術をGE Energyにライセンスしました。GE Wimax Smart MeterはIntelのWimax半導体チップセットを使います。Gridnetの活動は依然ステルスモードですが、4つの電力会社との間でWimax4Gを活用するAMIの構築について協議を進めています。
 AMIのリード企業であるSilver SpringやTrilliantが使用している免許の必要のない900MHz帯とは異なり、Wimaxは免許を取得した帯域で使用されるため、セキュリティ、信頼性に優れていると主張されています。また、他の無線方式に比して、消費電力が低いところが特徴です。
 また、Tendril Networksは、Zigbee方式によるHEMSを消費者および電力会社に提供し(TREE)、スマートサーモスタット、スマートプラグなどのスマート機器を販売し、ウェブベースでiPhoneでも利用可能なHEMS表示サービスなどを提供している会社です。TREEはオープンスタンダードによるHEMSソリューションを提供するものとして注目を集めています。
 GEの投資戦略は、多様なAMI通信方式が登場し、標準化、インターオペラビリティの確保が難しくなっている状況の下で、選択肢の多様化を図るものです。さらに、GEがIBMやCiscoと同様に、HANの分野における巨大な投資家あるいは企業買収者として登場したことを意味します。