菅政権の総務政務官になり、自民党から除名処分を受けた浜田和幸参院議員(58)に対し、昨年7月の参院選で多額の選挙資金を支出した自民党鳥取県連が返済を求め、法的手段も検討していることが6日、県連関係者への取材で分かった。
関係者によると、県連は浜田氏が自民党公認を受けた昨年2月以降、選挙資金や政治活動費として計4776万4642円を支出。県内4カ所の事務所設置費やスタッフの人件費、事務用品代などに充てた。
浜田氏の自己資金が少なかったため、うち2千万円については、浜田氏が代表を務める政党支部などへの交付金という形で無償提供。残りの約2776万円については、無利子での貸し付けとし「4年間かけて返済する」とする契約を今年3月末に結んだという。
浜田氏は翌4月末、初年度の返済分として約694万円を県連に振り込んだが、残りの2千万円余りは未返済のままという。
県連幹部らは「(参院議員の任期)6年分の投資のつもりだったが、1年もたたず寝返るとは…」「自民党を除名になった以上、無利子で貸し付ける意味はない」とし、早期返済を求め、法的手段も含めた対応を近く協議するという。
ただ、一部には「裁判の費用がかさむと困る」などの意見もあるといい、協議の行方は不透明だ。
浜田氏の事務所は産経新聞の取材に「除名にはなったが、返さないということはない。契約に従って、あと3年かけて全額を返す」と回答。早期の全額返済については「契約になく、資金の問題もあって応じがたい」としている。
浜田氏は、政権交代後に自民党から民主党にくら替えした鳥取選出の田村耕太郎前参院議員の後任を決める県連の公募に応じ、22年7月の参院選に出馬して初当選。6月の内閣改造で菅内閣に引き抜かれ、総務政務官に就任し、自民党を除名処分となった。
一つの事務所を立ち上げるのに5000万円もの金がかかっている。
元を取るまでは---、利権政治はいつまで経っても治らない。