祐さんの散歩路 Ⅱ

日々の目についたことを、気ままに書いています。散歩路に咲く木々や花などの写真もフォトチャンネルに載せました。

・ 大阪都構想

2012-04-29 19:19:16 | 橋下徹 大阪市長
花


大阪市長の橋本徹さんが進めようとしている「大阪都構想」とは、なんでしょうか。単純に、大阪府を東京都と同じレベルに格上げするものでしょうか? それとも大阪市議選に勝つために大阪市民を釣る餌なのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・
彼が、いろいろな形で伝えようとしていることを、簡単にまとめてみました。

橋下徹さんが提案する大阪都構想は、「体制の改革」「仕組みの改革」のようですね。
これは、今でも動いている体制を変えることです。なぜそんな大変なことをしようとするのでしょう?

最終結論としては、大阪の市民生活を守るために、本格的に仕事を取組み、まともな結果を出そうとしているという事です。一部の政治家(いやほとんどかな?)が、無責任な耳触りの良い政策(?)を掲げ、市民の恒久的で安定した生活を持続できることとは全く無縁な、いや、逆に悪化させさるような政治をしている者達とは別世界の人ですね。責任ある仕事(* 責任あるとは、それが実現しないときには、減給・降格・解雇等を甘んじて受けること。)をしようと思えば、本格的な問題認識が無ければならないし、その問題が大きければ大きいほど、基礎から手を付けなければ結果は出てきません。

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日本の国をみると、大きな財政赤字を抱えていて、すべての政治屋は何ら解決策はなく、ただただ先送りしかできない・・・・・・しかも財政赤字を増加させながら・・・・・(自民党時代は、税収が50兆円に対し支出が80兆円ほどだったが、民主党になって、税収は減って支出は90兆円を超えている。今年度(2012年)の第1次予算は96兆円の支出・・・・)
経済の成長をさせるための意識も知識もない・・・・・・・
社会保障としての年金も、最初のスタート時点での約束(積立方式)と1970年後半以降の現状システム(賦課方式)とは、360度全く違うシステムになっているにもかかわらず、誰一人としてその責任を追及し改善できる政治家はいない・・・・・・(詳細は雑感 厚生年金保険制度回顧録
将来、いまの子供たちが自らの責任で生きていくための教育もできない・・・・・・・

1990年より前は、国内総生産(GDP)は世界最高、貿易も巨額の黒字、製造業の国際競争力は抜群。失業率も低かった。
1990年以降から現在に至る約20年間は、世界の主要国の中で日本は、経済成長率の最も低い国になっている。昨年は貿易も赤字・・・・・失業率も高い。
日本の経済は、1990年度の財政赤字は5兆6千億円。同年の財政支出の8.4%でした。
それに比べ2011年度の当初予算は、収入40.9兆円に対し総額支出92.4兆円・・・・赤字51.5兆円・・・・???????
更に2012年度予算原案は、総額支出は96兆円・・・・・・
この、支出の額に対して税収が半分しかないのは、徳川幕府末期の1860年代か、1940年代の敗戦時の時と同じ状況です。

いまの国としてのどうしようもない財政状況とそっくりな状況が大阪市にあるようです。
東京を中心にすべての機能が移転し始めるとともに、大阪地域の地盤沈下は始まった。経済だけではなく、教育も文化も後退したようです。大阪市は1988年まで28年間連続赤字を生み出し、89年が初めて黒字になったものの、2015年には財政再生団体に転落と言われています。

そしてこれらを解決できるのは政治家がまともな計画を立て、まともに実施していくしかないわけですが、計画は財政赤字を減らす事が出来ずにいます。その根幹が、「市役所公務員の組合」や「そこから押された市長」を中心として利権の獲得のためだけに夢中になる者が集まって市政を動かしているからです。当然、計画はデタラメ・・・・・いくら赤字でも税金をむさぼりつくしたいシロアリの塊が団結して大阪市を食い物にしています。必然的に、住民のために使われる税金が、違うところに行くため地域住民サービスは低下・・・・無駄な行政のため、大阪地域の経済成長に効率よく税金が使われず税収は減少。

これらを解決するために、分業のできる組織体に変更し、責任を負う範囲を明確にするため大阪都構想を掲げているようです。地域経済の成長をさせるためには、国レベルで官僚が政策を作っても難しいのです。戦後、全く何もない状態では中央集権で進むことが出来ました。しかし、今は札幌と大阪と沖縄では、その地域の経済を成長させる方法が一律ではありません。地域ごとの特徴を生かした戦略が必要となりますし、サービスも地域が求めるものは違い、中央の官僚ではそれを理解し政策を立てるのは無理です。

橋下徹大阪市長は次のように言っています。
今やろうとしている大阪都構想とは、大阪市役所権限のうち、都市間競争にかかわるものは大阪都へ、住民サービスに関することは、大阪24区を8つに再編した特別自治区へ渡す。同じように大阪府庁の権限も、大阪都に任せるものと特別自治区に委ねるものとに分ける大阪府と大阪市が今持っている権限と財源を再配慮することが、大阪都構想なんです。」

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今、日本の成長をささえてきた規格大量生産(自動車・電気製品・光学機器等)は、中国や東南アジアの国々に技術的に追いつかれるようになってきています。もういままでと同じことをしても日本の経済成長はあり得ないという事です。現に先日発表された国内の主要電気産業は、昨年の経常収支が軒並み赤字でしたね・・・・
「ニア・イズ・ベター」と言う思想がアメリカやヨーロッパで進んでいます。より近くで決めたほうが良い・・という事です。そのため、まず、個人のお金を増やそう。次に市町村、身近な基礎自治体の権限と金を増やそう。次に広域自治体の金を増やそう。そして最後が国の金だろう。
この思想が行政機構改革の基本になって、世界中の都市間で競争が始まっています。東京・大阪の競争相手は、国内ではなく、ニューヨークでありロンドン、パリ、上海あるいはシンガポールなのです。

地域の住民が求める幸福の方向に向かって、都市を経営していかなくてはならない。
どこの国もその機能があまりにも大きく複雑になりすぎたので、中央にいる少数の人間だけで方向性を決める状態ではなくなっています。国の仕組みも分散し、国がしなければならない課題に集中させることが必要です。国がせねばならないことは、外交・防衛・通貨の発行・マクロ経済・高級司法などです。どれ一つとっても日本政府の対応はお粗末ですね。3月30日の各国首脳が集まって、北朝鮮の「人工衛星」を止める会議をしているのに、日本の首相のみが国内の増税を優先して、参加に遅れて協議に入れないとか・・・・・・田中国防大臣は、何をしたらいいのか全く分からずウロウロウロ・・・・・・・これで、北朝鮮からノドンでも打ち込まれたら、自衛隊は機能するんかい?・・・・

次に広域自治体(大阪都)が、都市間競争の中核になります。これは大阪市(260万人)レベルでは小さすぎます。世界の大都市のカウンターパート(対等な立場にある相手)になれるような大阪都を目指していく。台湾では2010年度に、県と市を合併させて新しい都市をつくりました。ロンドンでも33の区を一つにまとめた大ロンドン庁(グレーター・ロンドン・オーソリティ)を作りました。パリも4地域くらいを一つにまとめた大パリ構想があります。今の大阪市では、これらの都市と競争し、勝ち抜くには小さすぎます。

そして、広域自治体(大阪都)を作ると同時に、大阪市民の意思を組んだ基礎自治体をしっかり作っていく。最低でも東京23区に匹敵するレベル、あるいは中核都市並みの自治体、つまり東京23区よりもっと権限も財源も持った組織、意思決定機関を大阪市内に8つから9つ作る。この基礎自治体が、住民サービスをしていくことになります。この規模だと住民とフェイスツーフェイスで仕事ができます。今の大阪市(260万人)では大きすぎで、十分なサービスが出来ないのです・・・・・・・

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大阪都構想には上記の内容が基本にありますが、それを実現することが大切です。
民主党が、国民の票を大量に獲得して政権を取ったものの、実際に政権につくと、やることは目茶苦茶・・・・野党時代は、自民党のデタラメを追及していたものの、いざ自分たちが政権につくと、自民党よりももっと悪い状態です。あれだけ天下りを問題視していたのに、勝手に抜け穴を作って天下りのし放題・・・・・首相は財務省のいいなり・・・・・

これは、民主党だけの問題ではないでしょう。他の政党がやっても同じことです。その根幹的なところで、組織を動かす能力が全く無いからです。自民党などは、その能力がないどころか、官僚とつるんで利権獲得にアクセク・・・・・・だから、官僚が好き放題をして、あれほど官僚のみが有利なシステムに出来上がっているのです。官僚があれほど好き放題にできるのは、自民党が一緒につるんで利権獲得に走り回っていたからです・・・・
このマネジメント能力が、政治屋には全く欠けているので、官僚に良いように操られているのです。
国としての組織を動かせることができないのです。これは、一つには今の国会議員の能力にも問題がありますが、もう一つには、組織の分業の意味合いが全く分かっていないことが要因です。これは、民間企業でもきちんと解っている人は限定されると思います。世界中で、組織論は発表されていますし、勉強もできます。しかし、知識的に組織論が解っても、それを実務に落とし込める人はかなり限定されます。ましてや政治屋なんかは、そんな能力はありません・・・・・

以上のように、「意思の決定」を誰がするのか、そして、「目標に向かって組織をどのように動かし」、期限内にその「目標結果をきちんと出し」ていけるシステムの構築をしようと言うことが大阪都構想です。

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 「橋下 徹」氏が初め大阪府知事になったときは、今までと同じく芸能界で顔が売れて、立候補したんだな・・・位にしか考えていませんでした。しかも、弁護士であったとなれば、単純に「これは無理だ・・」と思っていました。しかし、彼が大阪府で知事として実績をあげ始めていくのを見て、不思議な思いを持ちました。なぜ大きな組織を動かして、成果を出しているのかが不思議だったのです。よく見ると、彼のしていることは、マネジメントそのものでした・・・・・。大学を出て、司法試験に受かり、弁護士になった人がマネジメントが分かるはずがないのに・・・・・でも、いろいろ読んでいる内に納得できました。弁護士の時代に、ある会社の役員を経験しています。おそらく、その時の社長なり、実質的に経営している人が、もの凄くまともな経営者だったんですね。そこで、橋本さんは組織の動かし方を学んだようです。

それと、彼の本質を見抜く力が凄い。起きている問題の、本質的な原因を推定できる能力が高いと思われます。マネジメントする人は、この観察力が無いと全くの無能力者になります。この本質的な問題を解決するために、組織を動かし結果につなげていきます。この時にマネジメント能力がものを云うのです。マネジメントする時、組織が大きければ大きいほど、組織論が大切になります。ものすごく多くの人々を一つの方向に動かすことが出来ねば、結果はついてきません。この辺は、多くの政治屋が「1対1」での誤魔化し論法で、まかり通る世界とは、別世界です。ですから、今回の様な大改革は、凡人の政治屋ではできません。

橋下さんが素晴らしいのは、上記のほかに「ディベート」する能力があることです。あれだけ、論理展開のできない役人や組合を相手に、きちんと時間をかけ議論を交わせることが彼の強みでしょう。これは、弁護士としての勉強の中で身についた能力だと思います。多くの人たちを、一つの方向に動かしていくには、相手がこちらの期待していることを、正しく理解することが必要となります。その時に、きちんと納得のできる論理展開が無ければなりません。議論する際、相手の言っていることを正しく理解し、それに対して、相手が分かり易いように、こちらの意思を伝える・・・・・これも、普通の人ではできる人は限られるでしょう。

そして、橋本徹氏がもっともすばらしいと思えるのは、大きなロマンを持っていることです。観察力があって、マネジメント能力があって、ディベートする力を持っていても、大きなロマンの無い人間には、まともな仕事はできません。ましてや、巨大な利権グループと戦う訳ですので、きれいごとでは済まないはずです。(元横浜市長で現在大阪市特別顧問の中田宏さんも、利権がらみのグループに引きずり降ろされていますものね。)このような巨大な暗黒と立ち向かうには、とてつもなく大きなロマンが必要です。そして、それに共感する人達が集まることにより、大きな仕事につなげることができるのです。

今、大阪統合本部には、優秀な能力を持った人たちが集結しています。大阪を立ち直らせるため、そして、日本を立ち直らせるため立ち上がった人たちです。彼らの能力を最大限に発揮させ、大阪維新塾に集う3000人以上の人たちと力を併せれば、今の国難を解決する糸口になるやもしれません・・・・・
まさに 「 日本維新 」 の始まりですね・・・・・

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