今日の御指南

2009年01月23日 | Weblog
今日の寒修行参詣(18日目)の御指南(開導日扇聖人のお言葉)

一寸先の闇の夜の凡夫。かしこげなる「おももち」すれども、一天の晴雨、人間の生死、都て(すべて)自力の及ばぬことのみ。我を捨(て)て信を取(る)を智人と申(す)也。

一分一秒先が、まるで闇の中のように分からないのが私たち凡夫です。
皆、自分には判断力や先を見通す力があって、賢者のような顔をしているけれども、天気が実際はどのように変わっていくか、専門家でもあまり、的確に予報することはできません。また、人間の生死でも予測ができないもので、元気な人が突然亡くなったりして、うろたえることがよくあります。
人間の力、自力には限界があります。自分なりの考えによって行動すれば、それが一番確かで間違いない。仏の教えなど聞く必要もない。あるいは、自分が努力さえすれば何事も成功するのだから、何も信心信仰に頼る必要性はないなどという自己に対する過信、自力信仰を捨てて、み仏の本当の教え、法華経本門八品に示された南無妙法蓮華経の信心をさせていただく人を真実の智者というのです。

と現代文に翻訳してみました。
昨年のリーマンブラザーズの破綻から、にわかに金融危機が拡大して今、深刻な影響が出ています。しかし、このような事態を前もって予見したり、あてた人は殆ど皆無ともいえましょう。前から分かっていたという人もありましょうが、たいてい、少しその可能性を指摘した程度であって、深刻には考えていなかったのです。それを、後になって前々から分かっていたように言っているに過ぎません。
株式市場も大幅に下落しましたが、専門家でも予想しなかった下落幅です。
何事も人間の過去の経験から得られた知識によって、現状を分析して、未来を予測するという手法が用いられ、それを科学的で信頼できるとしていますが、予想したとおりに果たして、なっているでしょうか。
自分自身の未来もわかりませんし、誰も運命のコントロールなどできません。
もちろん、将来の理想にむかって努力することは大事で、努力なくして成功はありません。人間として精一杯の努力をすることは、当然のことで、それは生きていく上でもっとも大切なことです。しかし、努力さえすれば誰でも100%成功し、人生は思い通りになるかと言えば、残念ながら答はノーです。
人生には常に不確定な要素があり、予想もしなかった事態が起きて、計画が崩れ去ることはよくあることです。
いい加減に自己に対する過信、自力信仰を捨てて、もっと謙虚になる必要がありそうです。
ダメだと思っていたのがダメでなくなる。崖っぷちまで追い詰められていたのが、生き延びて助かるのが上行所伝の御題目のご信心です。
真実の智者とはどのような人か、よくよく考えましょう。


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