日本カトリック映画賞だけに、片渕さんとカトリックに縁があったという話し、そして「この世界の片隅に」冒頭で使われた劇伴「神の御子は今宵しも」の意味についての話題が興味深かったです。
片渕さんの曾お祖母さんがカトリック信者で、洗礼名もあったと。
その曾お祖母さんが住んでいた近隣のカトリック教会の附属幼稚園に自分も通っていたと。
晴佐久司祭(以下、晴)「カトリック教会はもう子供の時からこうして洗脳してですね、これはホント良いもんなんだぞ〜って...」
せ、洗脳て...(^_^;
晴「賛美歌が最初流れていましたけれど、そんな影響もあるんですか?」
片渕さん(以下、片)「あ、あれはですね、純粋にクリスマスをやりたかったんです(笑)」
晴「クリスマスシーズンってことで」
片「でも戦争始まる前からクリスマスが全然普通のことになっていて...ということはそれくらいああおいうことは習慣として普通の生活にすり込んでいたということだとは思うんですよね。それが...クリスマスみたいなことをやれるのが平和なんだなと思って...それが奪われてしまう...なにが奪われるかということで、あの曲に代表されるクリスマスをやってみたということなんです」
ある意味で日本のカトリックを代表する司祭としては、どうしても聞いておきたかったことだとは思うんですけど...そこは記号的な引用とも言えるもので、映画監督であればそんなに深い(宗教的な)意味はなく使ってたりもするんですよね(^_^;
片渕さんとしては、あぁやっぱりそこ突っ込んでくるかぁ...という感じで、慎重に言葉を選びながら話しをしてました。本家本元相手に、そして観衆もかなりの割合で信者さんのようでしたし、緊張したでしょうねぇ...。
続いて、原作からのアレンジについて語ります。
片「原作は昭和9年の1月から始まっているんですけど、あえてひと月(早めて)クリスマスセールにしてしまったんですね」
晴「はぁ...脚本上というか演出上で...」
ちょっと期待していた答えと違っていたのか、微妙な表情をされていた晴佐久司祭でしたが(^_^;、アレンジの意味合いに納得されたみたいです。
晴「普段の生活が壊される恐ろしさということで、私の一番印象的というか忘れられないのは機銃掃射のあの恐怖といったら、今まで戦争映画をいっぱい観てきてドンパチドンパチ怖いなって思ってましたけど、あの日常生活の中にいきなり割って入ってくる戦闘機、そして機銃掃射...その恐怖のリアリティが震えあがりました!音響も素晴らしかったんですけれども」
片「ありがとうございます...ホントは日常描写だけ描きたかったんですけど、こうの史代さんの原作には日常描写とか生活の面白さとかと並べて、あえて戦争が描かれていたんですね。そう思った途端に戦争というものを背景にしたときに、日常のかけがえのなさ、意義深さみたいなものを...ただ単に御飯を炊いていることよりも、より深く描くことができるんじゃないかなと思ったワケです」
晴「その落差の大きさは、特にこの映画としてはただ感心したというかビックリしたというか...ホントに天国と地獄と言いましょうか...戦争映画と言えばついつい爆弾とか兵器とか、そういう話しになりがちですけれど、実際に生きている人から見たら突然なんかこう忍び込んでくる恐怖ですよね」
片「理不尽ですよね、理不尽が空から急にやってくるという...」
以下、対談は戦争の恐ろしさへと続いていきましたが、こちらの先入観もあってか、他のトークや受賞のコメントとはひと味違う、心のありようみたいな部分をテーマに語っていたという感じがしました。
多くの日本人にとってクリスマスは季節の風景であり、日常の一つなんですよね。
賛美歌は、その何でも無い日常を「かけがえのないもの」として...文字通り賛美する効果があったと思います。
個人的には、すずさんの...これから起こるであろう様々な哀しみや喜び...その全てを祝福するかのように響いています(^_^)
物語の冒頭に据えた賛美歌、聞く人によって様々な思いと巡らせる良い演出になっていると思います。
片渕さんの曾お祖母さんがカトリック信者で、洗礼名もあったと。
その曾お祖母さんが住んでいた近隣のカトリック教会の附属幼稚園に自分も通っていたと。
晴佐久司祭(以下、晴)「カトリック教会はもう子供の時からこうして洗脳してですね、これはホント良いもんなんだぞ〜って...」
せ、洗脳て...(^_^;
晴「賛美歌が最初流れていましたけれど、そんな影響もあるんですか?」
片渕さん(以下、片)「あ、あれはですね、純粋にクリスマスをやりたかったんです(笑)」
晴「クリスマスシーズンってことで」
片「でも戦争始まる前からクリスマスが全然普通のことになっていて...ということはそれくらいああおいうことは習慣として普通の生活にすり込んでいたということだとは思うんですよね。それが...クリスマスみたいなことをやれるのが平和なんだなと思って...それが奪われてしまう...なにが奪われるかということで、あの曲に代表されるクリスマスをやってみたということなんです」
ある意味で日本のカトリックを代表する司祭としては、どうしても聞いておきたかったことだとは思うんですけど...そこは記号的な引用とも言えるもので、映画監督であればそんなに深い(宗教的な)意味はなく使ってたりもするんですよね(^_^;
片渕さんとしては、あぁやっぱりそこ突っ込んでくるかぁ...という感じで、慎重に言葉を選びながら話しをしてました。本家本元相手に、そして観衆もかなりの割合で信者さんのようでしたし、緊張したでしょうねぇ...。
続いて、原作からのアレンジについて語ります。
片「原作は昭和9年の1月から始まっているんですけど、あえてひと月(早めて)クリスマスセールにしてしまったんですね」
晴「はぁ...脚本上というか演出上で...」
ちょっと期待していた答えと違っていたのか、微妙な表情をされていた晴佐久司祭でしたが(^_^;、アレンジの意味合いに納得されたみたいです。
晴「普段の生活が壊される恐ろしさということで、私の一番印象的というか忘れられないのは機銃掃射のあの恐怖といったら、今まで戦争映画をいっぱい観てきてドンパチドンパチ怖いなって思ってましたけど、あの日常生活の中にいきなり割って入ってくる戦闘機、そして機銃掃射...その恐怖のリアリティが震えあがりました!音響も素晴らしかったんですけれども」
片「ありがとうございます...ホントは日常描写だけ描きたかったんですけど、こうの史代さんの原作には日常描写とか生活の面白さとかと並べて、あえて戦争が描かれていたんですね。そう思った途端に戦争というものを背景にしたときに、日常のかけがえのなさ、意義深さみたいなものを...ただ単に御飯を炊いていることよりも、より深く描くことができるんじゃないかなと思ったワケです」
晴「その落差の大きさは、特にこの映画としてはただ感心したというかビックリしたというか...ホントに天国と地獄と言いましょうか...戦争映画と言えばついつい爆弾とか兵器とか、そういう話しになりがちですけれど、実際に生きている人から見たら突然なんかこう忍び込んでくる恐怖ですよね」
片「理不尽ですよね、理不尽が空から急にやってくるという...」
以下、対談は戦争の恐ろしさへと続いていきましたが、こちらの先入観もあってか、他のトークや受賞のコメントとはひと味違う、心のありようみたいな部分をテーマに語っていたという感じがしました。
多くの日本人にとってクリスマスは季節の風景であり、日常の一つなんですよね。
賛美歌は、その何でも無い日常を「かけがえのないもの」として...文字通り賛美する効果があったと思います。
個人的には、すずさんの...これから起こるであろう様々な哀しみや喜び...その全てを祝福するかのように響いています(^_^)
物語の冒頭に据えた賛美歌、聞く人によって様々な思いと巡らせる良い演出になっていると思います。