80才のハツラツ日記

愈々名実共に80才を迎え、人一倍好奇心を燃やして、元気な行動の随筆日記です。

フジタ画伯の「乳白色」の輝き

2008年12月06日 | シニア日記
上野の森の美術館に出掛けて、
レオナール・フジタ(元日本名、藤田嗣治)の展示会を鑑賞致しました。 

この画家のこれだけ立派な展覧会は、日本では
恐らく最初にして最後だろうと喧伝されていましたが、
正にその通りで非常に充実した内容であったと思います。

普通、画家の展示会は額縁に入った作品群が
並べられているだけのものですが、
今回は現存しているフジタ画伯のアトリエが、
そっくり其の侭模写されて立体的に展示されていました。


部屋の構え、絵の具から使いかけのパレットまで置かれ、
今にも其の椅子にフジタ氏が座って
絵を描いていそうな雰囲気を醸し出していました。

1920年から30年頃、彼が描いた裸婦の「乳白色」の肌は、
誰にも真似出来ず、忽ちフランス画壇で傑出したのです。


象牙のような感じの透明感のある美しさは、
繊細な筆のタッチで描かれた輪郭と相俟って素晴らしい輝きでした。


晩年フランス国籍となり、更にキリスト教の洗礼を受け、
自分が全てに手を加えた礼拝堂(平和の聖母の礼拝堂)が作られてありました。

写真の絵はフジタ手作りの木箱の一部分(1958年)
そのの中の「Kimiyo」と言う名前は
彼の5番目の最後の妻の名(君代)なのです。