東北楽天イーグルスのペゲーロ選手(Carlos Angel Peguero D'Oleo)の母の父姓は D'Oleo であるが、全然スペイン語らしくない。一応、例の“Historia Apellidos”に当たってみたが、ヒットしない。そこで、Oleo で調べてみると、これはあった。スペインでは44274位。かなり珍しい。世界的な分布でみると、絶対数でも人口比でもドミニカ共和国が多い。ペゲーロ選手もドミニカ共和国出身である。
De Oleo という姓もある。こちらも珍しいことは珍しいが、スペインでのランキングは21531位。世界的な分布でも Oleo 同様、絶対数でも人口比でもドミニカ共和国に多い。
“genoom”という別のサイトがあったので、調べてみたが、D'Oleo はスペインには6、ドミニカ共和国には24とあった。説明には nacidos (出生)と viviendo (在住)とあるので、単位は「人」であろう。
Oleo も De Oleo も D'Oleo のいずれも珍しいことには変わりはない。de がつく姓には貴族の出をあらわす場合もあるが、この場合はどうであろうか。
D'Oleo は De Oleo の短縮形のようであるが、スペイン語ではこのような短縮形はない。フランス語なら、D'Espaigne や D'estrade などのような短縮形はある。そうすると、D'Oleo はフランス起源の性ではないかと思われる。
ところで、スペイン語には óleo という普通名詞はある。「オリーブ油」が原義のようであるが、小学館『西和中辞典』から引用する。
1.オリーブ油、油
2.油絵(の具)
3.《カト》聖油、聖香油:洗礼、秘跡の際に用いる
los Santos Óleos / el Santo Óleo 聖油
4.《ラ米》(コロンビア)洗礼
同源同形のポルトガル語から3の意のキリシタン用語「オーレヨ」となる。
どうやら、D'Oleo の Oleo は3の意味「聖油」ではなかろうか。いかにもカトリックらしい、ありがたい姓のようである。
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